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糖尿病と歯周病の基礎知識―口腔ケアが大切
糖尿病と歯周病の深い関係歯周病と糖尿病には密接な関係があります。糖尿病の人は歯周病になりやすく、歯周病を悪化させやすい。逆に、歯周病の人は、糖尿病が悪化しやすいという関係が知られています。アメリ...
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糖尿病と歯周病の基礎知識―口腔ケアが大切

公開日 2015 年 03 月 08 日 | 更新日 2017 年 05 月 07 日

糖尿病と歯周病の基礎知識―口腔ケアが大切
和泉 雄一 先生

東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科歯周病学分野 教授

和泉 雄一 先生

菅野 一男 先生

医療法人社団桜一会かんの内科院長

菅野 一男 [監修]

貴田岡 正史 先生

イムス三芳総合病院 内分泌内分泌(甲状腺)・代謝(糖尿病)センター長

貴田岡 正史 [監修]

糖尿病と歯周病の深い関係

歯周病糖尿病には密接な関係があります。糖尿病の人は歯周病になりやすく、歯周病を悪化させやすい。逆に、歯周病の人は、糖尿病が悪化しやすいという関係が知られています。

アメリカでピマインディアン(ネイティブアメリカン)を対象にした大規模な調査が行われました。「糖尿病がある人」と「糖尿病がない人」で歯周病の進行状況を調べたところ、「糖尿病がある人」の方が、どの年代でも2倍近く歯周病が進行していることが分かりました。糖尿病患者さんは、そうではない人と比較して歯周病になりやすく、歯周病が進行しやすいのです。

また、「重度の歯周病を持っている人」と「歯周組織が健康な人」を比べた研究もあります。「重度の歯周病を持っている人」は、3倍以上の割合で糖尿病が進行しやすいことが分かりました。歯周病は血糖コントロールの悪化を引き起こしてしまい、糖尿病が重症化してしまうのです。

歯周病とは

歯周病は、歯と歯茎(はぐき)の間にたまった細菌とその産生物が原因で、歯肉に炎症を引き起こし、さらには歯を支える骨を溶かしてしまう病気のことです。子供から大人まで非常に多くの方がかかっていて、「平成23年歯科疾患実態調査」によると、日本国民の約7割の人が歯周病の何らかの症状を持っているようです。

歯周病の原因

口の中には細菌が300-500種類いると言われていますが、普段は悪さをしません。ところが、歯を十分に磨けていないと、細菌の数が増え、細菌がねばねばした物質を作り出して、プラーク(歯垢)というかたまりになって歯と歯茎の間にたまってしまい、これが歯周病の原因になります。

歯と歯茎の間にプラークがたまると、その中にいる細菌の毒素により炎症が引き起こされます。歯茎が赤くなってブヨブヨしたり出血しやすくなったりするのは、この炎症が原因です。

炎症が進行すると、歯と歯茎が離れていき、そこに歯周ポケットと呼ばれる溝ができます。歯周ポケットが出来ると、そこにプラークがたまりやすくなり、さらに炎症が悪化するという悪循環に入ります。

さらに炎症がひどくなると歯を支える骨(歯槽骨)が溶けはじめます。歯を支える骨が溶け、支えられなくなった歯が抜け落ちてくるのです。

最終的には歯が抜け落ちてしまう歯周病ですが、実は、その影響は口の中だけにとどまりません。歯周病は糖尿病など、全身の病気と深い関係があることが分かってきているのです。

歯周病の症状

歯周病の主な症状は下記の通りです。このような症状がある方は、歯周病の疑いがありますので要注意です。

  • 朝起きたときに、口の中がネバネバする
  • ブラッシング時に出血する
  • 口臭が気になる
  • 歯肉がむずがゆい、痛い
  • 歯肉が赤く腫れている(健康的な歯肉はピンク色で引き締まっている)
  • 固いものが噛みにくい
  • 歯が長くなったような気がする
  • 前歯が出っ歯になったり、歯と歯の間に隙間が出てきたりした。食物がはさまる

(日本歯周病学会、日本臨床歯周病学会)

歯周病の治療

歯周病と糖尿病は互いに悪影響を及ぼします。しかし逆に、歯周病を治療することで糖尿病が改善し、糖尿病を治療することで歯周病が改善するということも知られています。糖尿病患者さんは、糖尿病を治療する目的においてもきちんと歯周病治療を行うことが重要です。

では歯周病はどのように治療すればよいのでしょうか。

歯周病の原因は、プラーク(歯垢)がたまることです。このため、プラークをためない、増やさないことが治療の基本となります。そのためにまず、正しい歯ブラシを毎日行ってください。歯ブラシに加えてデンタルフロスや歯間ブラシなど、歯と歯の間を清掃する道具の使用もおすすめです。いずれにしろ重要なのは、歯の表面を清潔にしておくことです。

歯垢がたまって歯石になった場合は、歯ブラシだけではなかなか取れません。定期的に歯科を受診して、歯科医師や歯科衛生士によって、専門的なクリーニングを受けることも必要です。症状がほとんどない人でも半年から1年に1度程度、すでに症状が進行している場合は、3ヵ月に1度程度受診すると良いでしょう。

日本の歯周病学・歯周治療学の第一人者。特に、歯周病と全身との関わり、歯周組織再生治療、歯科レーザー治療を専門としており、多数の難治症例を手掛けている。歯科関係の雑誌のIFは低い中で、多数の研究業績を誇り、2014年現在IFは300を超える。後輩の育成にも定評があり、毎年多数の大学院生、大学院研究生、研修登録医が集まり、教室員は60名を超えている。

2008年4月1日に、三鷹駅南口に、糖尿病・内分泌疾患・内科専門の「かんの内科」を開設。東京医科歯科大学、武蔵野赤十字病院、糖尿病学会、内分泌学会などでの診療・活動を通じて培った経験を、糖尿病・高血圧症・高脂血症・甲状腺疾患・動脈硬化症(脳梗塞、狭心症・心筋梗塞、足壊疽)などで苦しんでいる患者さんの診療に役立てており、メタボリックシンドロームなどで明らかな症状のない方の動脈硬化を進ませないようにするためのアプローチにも重点をおいている。食事療法、運動療法を駆使し、必要に応じて最適な薬の選択を行い、元気に長く豊かな人生を楽しむためのサポートをするために経験豊富な専門医、専門看護師、管理栄養士、運動トレーナー、フットケア専門家が一体となっている。
内分泌専門医として、甲状腺疾患、下垂体・副腎疾患(原発性アルドステロン症、クッシング症候群、先端巨大症、プロラクチノーマ、尿崩症など)の診断・治療を行う。

北多摩地域の中核病院である公立昭和病院の内分泌・代謝内科部長として地域に根差した糖尿病治療を実践。加えて、NPO法人西東京臨床糖尿病研究会理事長として、糖尿病治療情報の共有および治療標準化を目指して、専門医、開業医間のネットワークを構築、専門的知識を持つ人材の育成等の活動を行っている。

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