インタビュー

なぜ糖尿病で、足の状態とリスクの把握が重要なのか

なぜ糖尿病で、足の状態とリスクの把握が重要なのか
桑原 靖 先生

足のクリニック 表参道 院長

桑原 靖 先生

この記事の最終更新は2015年03月27日です。

30 秒に1人が下肢を切断していると言われる糖尿病の患者さん。下肢切断を避けるため、まずは足の状態をきちんと把握すること。そしてその上で、インソールや靴の見直しなどをふくむフットケアを行うことが大切だと言われています。しかしなぜ、足にそれほど手厚いケアが必要なのでしょうか?

糖尿病の合併症には末梢神経障害があり、これにより足の感覚が低下してきます。もともと足のトラブル(足病)がない患者さんは、むず痒いとか足の裏の違和感を訴えるのみなのですが、足病を抱えている患者さんは、感覚が無くなることで、一気に足病が進行して感染等を併発してしまいます。

たとえば、巻き爪外反母趾などの患者さんは、通常、痛みを訴えて受診しますが、糖尿病を合併すると痛みが消失してしまいます。しかし、足病自体が治癒したわけではなく、これにより傷ができるリスクは大きく上がるのです。

アメリカでは医師、歯科医師と同じように足病学を専門とする医師が「ポダイアトリー」という形で足の診療を担っています。アメリカでは「足」に何かがあった「ポダイアトリー」の専門家を受診すれば良いので、患者さんが悩むことはありません。既に 13,000 人の「足の専門家」がアメリカにはいるのです。

一方、日本では、足を診察する科は多岐にわたっています。たとえば、白癬(水虫)であれば皮膚科、外反母趾であれば整形外科や形成外科、閉塞性動脈硬化症などの血行障害であれば循環器内科や血管外科を受診する必要があり、患者さんとしては自分の症状に合った適切な科を受診するのが難しく、どこの科に行けばよいのか悩んでしまうことが問題です。

足の状態がきちんと分かっていれば、足の状態に合ったケアを受け、靴や装具(ウェア)を選ぶことができます。また、迅速に専門的な治療(キュア)を行う必要がある場合も、正確な診察を受けていなければ、治療をはじめることもできません。フットケア、フットウェア、さらにはフットキュアを充実させていくために、まずは専門医に足の状態を診てもらいましょう。

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