インタビュー

精液検査とはー動いている精子がどれだけいるか

精液検査とはー動いている精子がどれだけいるか
湯村  寧 先生

横浜市立大学附属市民総合医療センター 生殖医療センター 泌尿器科部長・准教授、田園都市レディ...

湯村 寧 先生

この記事の最終更新は2015年03月23日です。

精液検査とは、精液中の精子の数と運動性(運動率)を調べる検査です。精液はいわゆる白い液体のことを指し、精子はその精液中に存在する一つ一つのオタマジャクシのような細胞のことを指します。

精液検査では、精液中に動いている元気な精子がどれだけいるかを調べることが目的です。また、精子が前進しているかどうかも一つのポイントです。

総運動精子数=精液量(ml)×濃度(106/ml)×運動率(%)

この検査結果が、妊娠の可能性の示唆するものになります。検査を行う施設によっても異なりますが、この値が500万以上であれば人工授精が可能といわれます。500万以下では人工授精は厳しいとされ、体外受精・顕微授精が必要になる可能性が高くなります。

正常とされる精液検査の基準値は以下のようになっています。

精液量   1.5ml以上
精子濃度  15×106/ml以上 (これより低いと乏精子症)
精子運動率 前進している精子が40%以上(これより低いと精子無力症)
正常形態率 4%以上 (これより低いと奇形精子症)
精子生存率 58%以上
白血球率  1×106/ml未満
前進運動率 32%以上

精液中に精子が存在しないことを無精子症、精液が射精されないことを無精液症と言います。

精子の形態については、染色(Diff-Quick染色など)をしないと調べることができないので、日々の検査では調べていない施設もあります。しかし精子の形態は、96%が奇形であっても問題ないと診断されるので、むしろ数や運動率の方が重要です。

また白血球が100万以上/mlより多いと精液症と定義されます。前立腺炎などの疾患が考えられます。

血液検査とは違って、変動・ばらつきが大きいので1回ではなかなか傾向を見ることができません。また、精液が作られるまでには64-74日かかり、その間の体調や、当日疲れているなどのコンディションによっても左右されます。婦人科クリニックなどは1回で終わらせてしまうことも多いのですが、2-3回測定しないと精液所見(精液検査の結果)の傾向はつかめないと考えられています。

ただし、いずれにしろ測定法が施設によって異なるので、検査は同じ病院で受けるべきでしょう。同じ機材、同じ調べ方で測ったほうがいいことは間違いありません。

参考記事:精液検査についてのよくある疑問

 

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  • 横浜市立大学附属市民総合医療センター 生殖医療センター 泌尿器科部長・准教授、田園都市レディースクリニック 臨時職員

    湯村 寧 先生

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