インタビュー

食道アカラシアとはどんな病気?嚥下障害や胸やけなどの症状を起こすことも

食道アカラシアとはどんな病気?嚥下障害や胸やけなどの症状を起こすことも
加藤 真吾 先生

横浜市立大学附属病院 がんゲノム診断科

加藤 真吾 先生

稲森 正彦 先生

横浜市立大学医学部 医学教育学主任教授

稲森 正彦 先生

目次
項目をクリックすると該当箇所へジャンプします。

この記事の最終更新は2015年04月30日です。

アカラシアとは、筋肉が緩まなくなってしまうことをいいます。
つまり、食道アカラシアとは、食べ物をのみこむ時に、食道の筋肉がゆるまないために食道が十分に開かなくなる病気です。

詳しい原因はよく分かっていません。しかし、食道の動きをつかさどっている神経の塊(“アウエルバッハの神経叢(しんけいそう)”といいます)の異常が原因の一つなのではないかと考えられています。

食道アカラシアでは、食道が十分に開かないことで、食べ物の残りかすが食道の中にたまってしまいます。

主な症状は、食べ物を飲み込みにくくなること(嚥下障害(えんげしょうがい))です。特に冷たい流動食を飲み込みにくくなります。

また、食道にたまっている食べ物の残りかすが原因で、食道が炎症をおこし、胸やけなどの症状が出てくることもあります。

食べ物が誤って気管に入ってしまうこともあり(誤嚥(ごえん))、それが原因で肺炎をおこすこともあります(誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん))。

食道アカラシアの診断では、まず“食道がん食道潰瘍(かいよう)などではないこと”を確認します。
この確認には、食道造影検査がもっとも有用です。食道造影検査とは、バリウムを飲んでレントゲンで撮影する検査です。この検査で、食道の動きがおかしくなっている様子や、食道から胃に食べ物が流れるのが遅くなっている様子が確認できます。

また、内視鏡検査で、食道の中に食べ物の残りかすがたまっている様子が確認できます。

食道アカラシアの治療では、内視鏡を使った治療が一般的です。
これは、食道の狭くなっているところに内視鏡で風船をいれ、風船をふくらませることで食道を広げるという治療法です。
この治療法により、早期の食道アカラシアでは70~80%の症例で症状が改善します。しかし、再発も多いことが問題となっています。

また、重症の場合には、手術で食道を広げる治療もおこなわれています。

記事1:胸焼けの原因となる胃食道逆流症とはどんな病気?
記事2:食道アカラシアとはー食道が十分に開かなくなる病気

受診について相談する
  • 横浜市立大学附属病院 がんゲノム診断科

    加藤 真吾 先生

  • 横浜市立大学医学部 医学教育学主任教授

    稲森 正彦 先生

「メディカルノート受診相談サービス」とは、メディカルノートにご協力いただいている医師への受診をサポートするサービスです。
まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。
  • 受診予約の代行は含まれません。
  • 希望される医師の受診及び記事どおりの治療を保証するものではありません。

    関連の医療相談が10件あります

    ※医療相談は、月額432円(消費税込)で提供しております。有料会員登録で月に何度でも相談可能です。

    「食道アカラシア」を登録すると、新着の情報をお知らせします

    処理が完了できませんでした。時間を空けて再度お試しください

    「受診について相談する」とは?

    まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。
    現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。

    • お客様がご相談される疾患について、クリニック/診療所など他の医療機関をすでに受診されていることを前提とします。
    • 受診の際には原則、紹介状をご用意ください。