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高血圧の治療―生活習慣の改善が大切
日本人の40歳以上の2人に1人が高血圧であるといわれています。まさに、日本の「国民病」とも言える高血圧ですが、高血圧の治療はどのように行えばよいのでしょうか?日本赤十字医療センターの上條由佳先生...
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高血圧の治療―生活習慣の改善が大切

公開日 2015 年 10 月 09 日 | 更新日 2017 年 05 月 08 日

高血圧の治療―生活習慣の改善が大切
上條 由佳 先生

日本赤十字社医療センター腎臓内科

上條 由佳 先生

石橋 由孝 先生

日本赤十字社医療センター 腎臓内科部長

石橋 由孝 [監修]

日本人の40歳以上の2人に1人が高血圧であるといわれています。まさに、日本の「国民病」とも言える高血圧ですが、高血圧の治療はどのように行えばよいのでしょうか? 日本赤十字医療センターの上條由佳先生にお聞きしました。

高血圧治療は「生活習慣の改善」と「薬物治療」

高血圧治療の目的は、高血圧が続くことによって起こる脳卒中・心筋梗塞・腎不全などの合併症を防ぐことです。高血圧の治療法は、主に「生活習慣の修正」と「薬物治療」の2つによって行われます。

まずは、高血圧の原因となっている、塩分の摂りすぎ・肥満・運動不足・喫煙などの生活習慣を改善します。そして、これらの生活習慣の改善では血圧が下がらない場合は、薬物治療を行います。薬物治療では、「降圧薬(こうあつやく)」とよばれる血圧を下げる薬を用いて治療を行います。これらの治療を行うことで、心筋梗塞や脳卒中・腎不全などの合併症を防ぐことが大切です。

目標の血圧は?

治療の目標となる血圧は以下の表の通りです。

治療の目標値

このように、患者さんの置かれている状況によって目標となる血圧は異なります。

※診察室血圧と家庭血圧の違いについてはこちらの記事をご参照ください。
参考記事:高血圧とは

まずは生活習慣の改善を

高血圧の治療では、まず生活習慣の改善を行います。
具体的には何を行えばいいのでしょうか? 以下にまとめました。

  1. 食塩を制限する。

6g/日未満に抑えましょう。

  1. 野菜・果物を積極的に摂る。コレステロールや飽和脂肪酸の摂取を控える。

(ただし、野菜・果物の積極的な摂取は、重症の腎障害をお持ちの患者さんには推奨しません。また、果物の積極的摂取は摂取カロリーの増加につながることがあるので、糖尿病患者さんには推奨しません。 )

  1. 適正体重を維持する。

BMI(体重(kg)÷[身長(m)]2) が25を超えないようにしてください。

  1. 運動療法を行う。

脳卒中・心筋梗塞・腎不全などの心血管病のない方が対象です。毎日30分以上を目標に定期的に有酸素運動を行いましょう。

  1. アルコールを制限する。

エタノール量で、男性20~30ml/日以下、女性10~20ml/日以下にして下さい。

  1. 禁煙する。

受動喫煙の防止も含みます。

  1. 睡眠状況を改善する。
  2. ストレスマネジメントをする。

このような生活習慣の改善を行います。
その他の注意事項としては、寒いと血圧が上がってしまうので、冬は暖房を使い部屋が寒くならないようにして下さい。特に、トイレ・浴室・脱衣所などに注意しましょう。また、お風呂はお湯が熱すぎないように調整し、冷水浴やサウナなどは避けてください。

薬物治療について

上に述べたような生活習慣の改善だけでは目標血圧に達しない場合、薬物治療を行なうことになります。薬物治療では、「降圧薬」(こうあつやく)と呼ばれる血圧を下げる薬を用います。

降圧薬には、以下に挙げるような様々なものがあります。

  • アンギオテンシン変換酵素阻害剤(ACE-I)

アンジオテンシンⅡという血圧を上げる物質を作らないようにすることで血圧を下げます。

  • アンギオテンシン受容体拮抗薬(ARB)

アンジオテンシンⅡの作用を抑えることで血圧を下げます。

  • カルシウム拮抗薬

血管を広げることで血圧を下げます。

  • 利尿薬

尿を多く出す作用を持つ薬です。尿を出すことで血管内の水分を減らし、また尿と一緒にNaを排出させることで、血圧を下げます。利尿薬には、サイアザイド系利尿剤、ループ利尿薬、抗アルドステロン薬などの種類があります。

  • ベータ遮断薬

心臓の働きを抑えることで血圧を下げます。

  • アルファ遮断薬

血管の収縮を抑えて血管を広げることで血圧を下げます。

これらの降圧薬を、時には組み合わせて使うことで、目標血圧を目指します。しかし、多数の降圧剤を内服している方は、塩分のとりすぎや水分過多が背景に隠れていることが多く、生活習慣の改善で降圧剤をなくすことができることがほとんどです。

日本赤十字社医療センターにおいて石橋由孝部長のもと、全人的総合的腎不全医療(Total Renal Care:TRC)を推進・普及させるためにアウトリーチ活動を行っている。一人ひとりの腎不全患者が自己管理や行動変容を実現するための教育というミクロなアプローチから、腎不全患者自身がさまざまな治療の選択肢を持てるようにするための社会システム全体の構築というマクロなアプローチも積極的に行っている。

日本赤十字社医療センターで腎臓内科部長を務め、腹膜透析における本邦のオピニオンリーダー。末期腎不全医療、特に腎代替療法オプション提示。全人的総合的腎不全医療(Total Renal Care:TRC)を推進・普及させるため積極的にアウトリーチ活動を行っている。

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