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人工股関節置換術の合併症、術後のリハビリとは
人工股関節置換術(THA)は、インプラントの品質向上と手術の工夫によって大きく進歩しており、これまで術後に心配されていたさまざまな問題も大幅に改善されています。JR東京総合病院整形外科の深谷英世...
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人工股関節置換術の合併症、術後のリハビリとは

公開日 2015 年 11 月 15 日 | 更新日 2017 年 12 月 05 日

人工股関節置換術の合併症、術後のリハビリとは
深谷 英世 先生

JR東京総合病院 整形外科 担当部長

深谷 英世 先生

人工股関節置換術(THA)は、インプラントの品質向上と手術の工夫によって大きく進歩しており、これまで術後に心配されていたさまざまな問題も大幅に改善されています。JR東京総合病院整形外科の深谷英世(ふかたに・えいせい)先生に術後の注意点についてお話をうかがいました。

術後に気をつけること

以前は人工股関節置換術(THA)の手術後、以下の動作に注意するように指導が行われていました。

  • 自転車
  • 脚を組む座り方
  • 重い荷物
  • トイレ・入浴・着替え
  • 運動

しかし、インプラントの品質や手術技術の向上によって、脱臼などの心配がほぼなくなっているため、現在JR東京総合病院では日常生活動作の注意はほとんどしていません。また、スポーツもジャンプを伴う激しいもの以外は許可しています。

人工股関節置換術の合併症(脱臼、感染症、血栓症・塞栓症)

上記のように術後脱臼の心配はほぼ皆無となってはいますが、下記のような極端な姿勢はやはり注意が必要です。

  • 後方脱臼:極端に深いかがみ込みに内股が加わった姿勢に注意
  • 前方脱臼:脚を後ろにして極端に反り返る姿勢に注意

また、体内に人工物を入れるため、健康な人に比べると感染症のリスクは高くなります。クリーンルームで手術を行うほか、手術時間の短縮、切開の範囲がより少なくて済む低侵襲な手術などによって、手術時の感染リスクを低減させるよう配慮しています。また、虫歯や水虫は放置せず治療し、脚の傷を化膿させないように注意します。

人工股関節の寿命(再置換までの期間)

人工股関節は、インプラント(人工物)と骨との間のゆるみやポリエチレン製のライナーが摩耗することにより、再手術(再置換)が必要になる場合があります。かつては20年経過するとおよそ6割にゆるみが生じ、そのうちの約半数が再置換を受けているとされていましたが、現在の製品は摩耗に強く耐用年数がきわめて長くなっており、30~50年程度のインプラント寿命が期待されています。

定期検診の重要性

退院後は担当医の指示のもと、2〜3ヶ月ごとに定期的にチェックを受けます。診察や問診で可動域や痛みの取れ具合などを確認し、X線撮影でも関節の状態に異常がないことを確認します。1年を経過すればその後は1〜2年に一度程度で様子を見ます。

リハビリテーションについて

手術後は退院に向けて、理学療法士などのサポートのもとである程度時間をかけてしっかりリハビリテーションを行います。股関節の痛みを抱えていることで、手術前から股関節周りの筋力は低下しています。特に脚を外側に開く中殿筋(ちゅうでんきん)と、脚を前に挙げる腸腰筋(ちょうようきん)の筋力が落ちていますので、重点的にトレーニングをします。
もうひとつ大切な点は、患者さんが自宅に戻ったときの日常動作に合わせたトレーニングを行なうということです。畳の上での生活なのか、それとも椅子に座って過ごすのかといったことも含めて、退院までの3週間で訓練していきます。

退院後の生活では、脱臼を恐れて引きこもってしまうことは逆効果です。手術前の痛みを抱えた状態よりもずっと動けるようになっているはずですので、スポーツも含めほとんど制限はありません。関節の周りを支える筋力を衰えさせないためにも、適度な運動と正しいトレーニングが重要です。

リハビリとはー理学療法・作業療法・言語療法について

リハビリとはー理学療法・作業療法・言語療法について

熱川温泉病院 院長

田所 康之 先生

今までできていたことができなくなると、「元の状態に回復したい」と思うのはごく自然のことです。そのサポートをするのがリハビリテーション、通称リハビリです。しかし、通院でリハビリするのと、入院でリハビリするでは一体、何が違うのでしょうか。集中してリハビリを行える入院リハビリには様々な効果を期待してしまいますが、どこに効果があるのでしょうか。今回は、熱川温泉病院の田所康之院長に、リハビリの...

この記事の目次

  • 1.リハビリとは?

  • 2.理学療法とは?

  • 3.作業療法とは?

人工股関節手術および臼蓋形成不全に対する寛骨臼回転骨切り術を専門とする股関節外科のエキスパート。JR東京総合病院が誇る股関節専門チームを率い、単にインプラントを正確に入れるだけではなく、患者さんの状況に応じた調整を加え、「一生使いやすい股関節」を作り出すことを心掛けている。豊富な執刀経験と手技の工夫によって、後側方アプローチのメリットである展開のよさを生かしつつ、課題とされる後方脱臼を限りなくゼロに近づける手術を実現している。

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