インタビュー

梅毒に感染しないためには

梅毒に感染しないためには
尾上 泰彦 先生

プライベートケアクリニック東京 院長

尾上 泰彦 先生

この記事の最終更新は2015年10月17日です。

1975年からSTDと呼ばれてきた「性行為感染症」は、無症状のものや全身的に現れる可能性のあるものを含んで広く表現するため、日本では2008年に「性感染症」へと名称を変更しました。

近年とくに流行している性感染症には、あまりはっきりとした症状が現れないという特徴があります。性感染症に気がつかないということは、気がつかないうちに病状が進行するだけでなく、性交渉を通じてパートナーまでも感染させてしまうといったリスクも含んでいます。性感染症とは決してひとりだけの問題ではないのです。梅毒について臨床経験豊富な尾上泰彦先生に話を伺いました。

近年の性感染症の増加の背景には、性交渉年齢の若年化や、性産業・性的指向の多様化など、さまざまな要因が複雑にからみあっています。
特に梅毒は感染時や初期症状の段階で痛みやかゆみといった症状が出にくいため、病変に気がつかず消失と出現を繰り返すことで病状が進行してしまうケースがあります。また、かなりの確率でHIVを重複感染しているという報告もあります。

たとえ体の不調を感じたとしても

「はずかしいという気持ちが先行してしまい診察を受けなかった」
「パートナーとの関係が崩れてしまうことを避けたいがために隠してしまった」

など、そのまま放置してしまうケースがあります。しかし治療をせずに放置すると、性感染症自体が悪化するだけでなく、将来の不妊や流産の原因にもつながります。
治療方法が確立された現在では稀になりましたが、梅毒は放置すれば死に至る病なのだということも忘れてはいけません。

性感染症を放置しても、なにひとついいことはありません。相手を大切に思うのであればこそ、性感染症というテーマはパートナーと話しあうべきことなのです。

性感染症を防ぐために、特に以下の点を心がけるようにしましょう。

性感染症にかかっている方との接触により、性感染症は感染を広げていきます。もし性行為の対象が不特定多数であれば、性感染症の症状が現れたとしても感染源を追跡することは困難といえるでしょう。

梅毒の感染力が強いのは、性器周辺にしこりなどがあらわれる第1期、バラのような湿疹が全身いたるところにあらわれる第2期です。コンドームの使用は梅毒に限らず、他の性感染症もかなりの確率で防ぐことができます。性感染症は性器回り以外にも口腔内などに感染するケースがありますから、オーラルやアナルセックスの際にも使用することで、感染率を下げることができます。

本来梅毒の治療とは、T.p.の数値を減らすことではなく、体内からT.p.を死滅させることを指します。
一度梅毒になると陰性反応に転じることはないため不安に感じるかもしれませんが、ガイドラインにのっとった治療がなされれば心配はありません。

もし梅毒の検査で陽性反応が出たときには、正直にパートナーに打ち明けてください。
もしあなたがパートナーから告白された側ならば、大きな心を持って告白を受け止めて下さい。
決して一人で抱え込まず、二人で一緒に検査と治療を受ける。それが治療への何よりの近道となります。

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