インタビュー

カンジダの感染原因-カンジダの症状はどういったときに多くあらわれるのか

カンジダの感染原因-カンジダの症状はどういったときに多くあらわれるのか
尾上 泰彦 先生

プライベートケアクリニック東京 院長

尾上 泰彦 先生

この記事の最終更新は2015年12月02日です。

女性に患者が多い性器カンジダ症はどのようなタイミングで症状があらわれることが多いのでしょうか。臨床経験が豊富な尾上泰彦先生に教えていただきました。

性器カンジダ症は性感染症のひとつという認識をお持ちの方は多いのではないでしょうか。しかし性交が性器カンジダ症の感染原因となる確率は約5%と言われています。 特殊な場合を除き、カンジダ菌をただ保有しているだけでは性器カンジダ症とはみなしません。

妊娠していない女性は約15%、妊娠している女性でも30%の方が性器カンジダ症を引き起こすカンジダ菌を保有しています。そのなかで性器カンジダ症として治療が必要となる割合は、妊娠していない女性の場合で約35%、妊娠している女性の場合では約15~30%とされています。

性器カンジダ症には性感染症という面のほかに、「日和見菌感染症」という側面もあります。日和見菌感染症とは、通常であれば免疫力により守られた状態の体が、何かしらのきっかけによって菌のバランスが崩れたことにより、普段は病原性のない微生物による何かしらの感染症を引き起こした状態の事をいいます。

カンジダ菌は女性なら腟、男性なら亀頭冠状溝から、性行為の経験のある人の場合カンジダ菌検出率は高いです。性器カンジダ症の症状が現れる原因はいくつかあります。もし仮に女性が性器カンジダ症と頻繁に診断されるようであれば、パートナーの方も同時に性器カンジダ症の検査を行い、結果が陽性であれば薬剤による治療を行うのが適切と言えるでしょう。

性器カンジダ症は日和見菌感染症の側面を持ち合わせているということはお話ししました。 性器カンジダ症は身体にいる菌のバランスが崩れた状態になると発症します。特に抗生物質や風邪薬を服用すると発症することが多いと言われていますが、これは本来であれば身体を守ってくれている常在菌という良い菌まで殺してしまい、普段は抑えられているカンジダ菌が繁殖してしまうためと考えられます。

常在菌のはたらきが弱まる原因として抗生物質の服用の他に考えられるのは、洗いすぎです。特に女性の身体にはデーデルライン桿菌(かんきん)が存在しており悪玉菌の繁殖を防いでいるのですが、最近の清潔志向のためにシャワーで洗いすぎる、刺激の強い石鹸で洗いすぎるなどして常在菌のバリア機能を破壊してしまいます。すると菌のバランスが取れなくなりカンジダ菌が増殖してしまいます。

性器カンジダ症はこうした菌のバランスの変化のほかにも、疲労やストレス、風邪や蒸れやすい服装などがきっかけとなり再発することもあります。初診のときは専門医による治療が必要ですが、再発の場合に限りOTC医薬品を購入することが可能です。 (性器カンジダ症の再発とOTC医薬品について詳しくはこちらをご参照ください「性器カンジダ症の市販薬-再発の場合に限り市販薬が購入可能」)

カンジダによる羊水感染や産道感染が起きて新生児の口腔粘膜に感染すると、鵞口創(がこうそう)の原因となります。妊娠中に腟内カンジダの検査結果が陽性で、かゆみや帯下(おりもの)の増加といった症状がある場合には治療を行います。もし妊娠36週以降の分娩が近い時期であれば、分娩時の産道感染を予防するためにも治療します。

早産による未熟児の場合、新生児は抵抗力が弱いためカンジダは重篤な全身感染症となることがあります。そのため、早産未熟児の分娩が予想されるときに妊婦にカンジダの症状が認められる場合には、特に治療が重要視されます。

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