女性の尖圭コンジローマの症状

尖圭コンジローマとはヒトパピローマウイルス（HPV）の感染によって引き起こされるイボのことで、性的行為が盛んな若い世代を中心に比較的多くみられる性感染症です。今回は女性の尖圭コンジローマの症状についてです。

特徴的な「イボ」が現れる

女性の尖圭コンジローマのイボは性器や肛門周囲などにあらわれます。先の尖った乳頭状の独特な形をしており、鶏のトサカ状やカリフラワー状など多種多様な状態であらわれます。イボの大きさは1～3mm前後で次第に増えていきます。ほとんどの場合痛みやかゆみがないため、気づかれないこともあります。

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尖圭コンジローマは完治するの？

尖圭コンジローマの垂直感染

妊娠中に尖圭コンジローマに感染すると赤ちゃんが産道を通る時に感染し、尖圭コンジローマや多発性喉頭乳頭腫になることがあります。そのため、妊婦の腟内のコンジローマが大きい、あるいは多い場合には帝王切開が必要になることがあります。しかし、HPVの垂直感染は約0.1〜1.0％と頻度は低いです。

子宮頸癌にも注意

HPVは子宮頸癌になるリスクが高くなる「HPV16型」、「18型」の「ハイリスクタイプ」と、尖圭コンジローマの原因になる「HPV6型」、「11型」の「ローリスクタイプ」に分けられます。 尖圭コンジローマに罹った患者の30〜50％の方々が、同時に他の型のHPVに感染している可能性があります。そのため、尖圭コンジローマに感染している方は子宮頸癌の検査をすることをおすすめしています。

子宮頸癌とともに尖圭コンジローマの予防ができる「4価HPVワクチン」

子宮頸癌の予防接種が推奨されるようになりました。この予防接種の対象者はセクシャルデビューしていない11〜14歳の女の子とされていますが、性交経験者でも45歳までの女性であれば有効とされています。

2011年から日本で使用されるようになった4価HPVワクチンは、約70％の確率で子宮頸癌を引き起こすHPV16型、18型に加えて、HPV6型、11型が原因で引き起こされる尖圭コンジローマなどの疾患の予防もかなり期待することができます。尖圭コンジローマが完治している方であれば、4価ワクチンを接種することで約70〜80％以上の方に有効であると考えられています。

男性にも有効

現在、日本では男性の4価HPVワクチンの接種は承認されていません。しかしこのワクチンは、男性の尖圭コンジローマの予防に対しても有効であることがわかっています。そのため、アメリカやオーストラリアをはじめとする世界各国で男性の尖圭コンジローマの予防目的での4価ワクチンの接種は認可されています。世界の73か国以上で男性のワクチン接種が承認されていますが、日本ではいまだに未承認です。

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