インタビュー

毛じらみ症の感染経路と予防方法

毛じらみ症の感染経路と予防方法
尾上 泰彦 先生

プライベートケアクリニック東京 院長

尾上 泰彦 先生

この記事の最終更新は2015年12月04日です。

毛じらみ症は、吸血性の昆虫であるケジラミが寄生することでかゆみなどの症状を引き起こします。このケジラミはどのような経路でヒトに寄生するのでしょうか。そして、このケジラミの寄生を予防する方法はあるのでしょうか。

毛じらみ症の感染経路と予防方法について、引きつづき性感染症治療に長年携わってこられた尾上泰彦先生にお話を伺いました。

たとえどんなに良い条件下であっても、宿主を離れたケジラミの寿命は48時間以内といわれています。そしてケジラミ自身は、1日に10cm程度しか移動することができません。そのため、性的交渉のときに陰毛から陰毛への直接感染が、毛じらみ症感染の主な原因とされています。

その一方で家庭内でも毛じらみ症が感染することもあります。親子間の、特に密な接触がある母子間での感染が多いという報告があります。 このように人から人への感染するほかにも、タオルや毛布などの寝具、公衆浴場のロッカーや脱衣カゴなどを介して感染する「間接的感染経路」もあります。

ケジラミはケジラミに寄生されている人とのスキンシップによってうつります。そのためほかの性感染症とは異なり、コンドームの使用では防ぐことはできません。

毛じらみ症に感染しないためには、ケジラミに寄生されている人との性行為やスキンシップなどを控えることが大切です。 感染してから1~2月後にかゆみなどの症状があらわれることが多いので、もし毛じらみ症と診断されたら1~2月前に性的交渉があった相手のケジラミの寄生の有無を調べることをおすすめします。

家庭内での感染の可能性もありますので、もし可能であれば家族全員の感染状況を調べるようにしましょう。

いずれも市販薬ですが、0.4%フェノトリンパウダーと0.4%フェノトリンシャンプーの2剤が、現在ケジラミの駆除剤として日本で認可されています。また、フェノトリン耐性ケジラミの出現も危惧されていますが、現在のところ確認されていないようです。

性感染症はたとえ症状があらわれていたとしても、気恥ずかしさなどから受診が遅れがちです。しかし性感染症をそのまま放置してしまうと症状を悪化させてしまうだけでなく、別の疾患を引き起こす原因となることもあります。不安を抱えたままでは精神衛生上好ましくありません。

性感染症を放置していてもなにひとついいことはありません。かゆみなどの違和感があるときは、すみやかに性感染症科(性病科)・皮膚科・婦人科・泌尿器科など専門医による検査・治療を受けるようにしましょう。

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