インタビュー

HIVの即日検査について

HIVの即日検査について
尾上 泰彦 先生

プライベートケアクリニック東京 院長

尾上 泰彦 先生

この記事の最終更新は2015年12月27日です。

HIVの検査は保健所にて無料で受けることができます。検査を受ける地域の保健所によっては、検査を受けた当日に結果を受け取れる即日検査という検査法があります。今回はHIVの即日検査について尾上泰彦先生に伺いました。

HIVの即日検査とはスクリーニング検査の1種で、HIV迅速検査法を用いて行う検査です。採血してから1〜2週間後に検査結果がでる通常検査に比べて、採血してから15分程で検査結果がわかります。

この迅速検査方法はスクリーニング検査のために、もしこの検査で陽性であると判定された場合には確認検査を受ける必要があります。

即日検査のメリットとしては、検査を受けたその日に結果がわかることです。そのため、検査を受けた方は後日あらためて検査を聞きに行く必要がありません。このように、迅速に結果がわかることで検査を受ける人数の増加が期待できるとされ、より多くのHIV感染者の早期発見が期待されています。

即日検査のデメリットは、通常検査に比べて偽陽性が出る確率が高いことです。通常検査の偽陽性が出る確率が約0.3%である一方、即日検査では受検者の約1%が偽陽性となるといわれています。

HIVのスクリーニング検査には、即日検査の他に通常検査があります。通常検査は、採血してから結果が出るまでに1〜2週間かかります。そのため、検査結果を確認するために検査会場に再度行く必要があります。

即日検査は可能になったのは、HIVに対する医療の発展によるもののため比較的最近のことです。即日検査が導入する前までは、保健所で行うすべてのHIV 検査は通常検査でしたが、利用者の利便性を考えて徐々に短時間で検査結果が 確認できる利便性の高い即日検査が導入されています。

即日検査と通常検査どちらの検査を受ける場合であっても、問診を受ける必要があります。問診を行う際に重視されているのは、感染のリスクとなる行為がいつ行われたかということです。

HIV感染症には、感染してから検査によって感染を確認できない期間(ウインドーピリオド)があります。そのため検査を受ける方は、感染の機会から3ヶ月以降に受けることを推奨されています。 しかし、HIV感染症は早期発見・早期治療が大事であり、感染の拡大にもつながることから、希望者には感染機会から3ヶ月以内の検査を受けてもらうことになります。その場合には、陰性であっても3ヶ月以降の再検査も受けることを必要とします。

受検者数が多い場合には、追加検査を実施している施設もあります。追加検査とは、即日検査を行って陽性と判断された場合、その場で引き続き受けられる検査のことです。

追加検査は、即日検査より偽陽性の頻度が低い検査法を行い、確認検査を受ける前に偽陽性を減らすことが可能になります。

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