インタビュー

C型肝炎の検査‐過去にHCVに感染していたことがあれば陽性反応が出ることも

C型肝炎の検査‐過去にHCVに感染していたことがあれば陽性反応が出ることも
尾上 泰彦 先生

プライベートケアクリニック東京 院長

尾上 泰彦 先生

この記事の最終更新は2016年01月01日です。

倦怠感や食欲の低下などのC型肝炎の自覚症状は、単なる体調不良としてとらえられがちです。そのためC型肝炎ウイルス(hepatitis C virus:HCV)に感染したことに気がつかない方が多いといわれています。HCVへの感染が疑われるときには、いったいどのような検査が行われるのでしょうか。引き続き尾上泰彦先生に伺いました。

HCV抗体と呼ばれるタンパク質が体内にあるかを、HCV第三世代交代キットを使用して調べます。このキットは過去の感染に対しても陽性反応を示すので、もし検査結果が陽性だったときにはHCV-RNA測定(リアルタイムPCR法)による確認をおこないます。

HCV抗体は感染機会から2~3ヶ月間に検査を行っても陽性反応を示しません。そのために、性交渉等が原因の急性C型肝炎の診断を行う際には、HCV-RNA(HCVの遺伝子)が体内に存在してるかを確認します。そのために行うのがより精度の高い「リアルタイム (TaqMan)PCR法」という核酸増幅検査です。なお、急性C型肝炎が治癒したかは、このHCV-RNAの検査結果によって判断されます。

HCV抗体やHCV-RNAなどについて、詳しくはこちらをご参照ください

「C型肝炎の原 因-C型肝炎ウイルスとはどのような存在なのか」

お住まいの地域の保健所や指定医療機関で、肝炎ウイルスの検査を受けることができます。基本的には検査費用は無料ですが、自治体によって検査費用の一部を負担することがあります。検査実施期間なども異なりますので、詳しい内容ついてはお住まいの地域の保健所にお問い合わせください。

次のような条件が当てはまる方は、C型肝炎の検査を受けることを推奨されています。

  • 1992(平成4)年以前に輸血を受けたことがある
  • 1988(昭和59)年以前に非加熱製剤血液凝固製剤(輸入)を投与されたことがある
  • 1994(平成2)年以前にフィブリノゲン製剤を投与されたことがある

検査方法の精度が上がったため現在ではHCVが混入することはありませんが、以前は検査が不十分だった可能性があります。

  • 薬物乱用をしていた、入れ墨やボディピアスをしている

HCVは血液や体液を介して感染します。注射針や入れ墨・ピアスの穴を開ける際に使用する器具の消毒が不十分だった場合、感染する可能性は十分考えられます。

  • 現在、もしくはかつてCSW(Comercial sex worker:性産業従事者)だった

CSWを対象にHCV抗体検査を行ったところ、同年代の女性と比べて陽性となる頻度が8~10倍という報告があります。

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