インタビュー

しびれは何科を受診するのか——自分で判断してよいしびれはない

しびれは何科を受診するのか——自分で判断してよいしびれはない
谷脇 予志秀 先生

高邦会福岡山王病院 神経内科部長

谷脇 予志秀 先生

この記事の最終更新は2016年01月29日です。

しびれの症状があらわれた際、どの診療科を受診するべきか迷われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。本記事では、何科を受診されるとよいか、また問診の際に患者さんに注意していただきたいことについて、福岡山王病院 神経内科部長 谷脇予志秀 (たにわき よしひで)先生にお話しいただきました。

しびれは主に神経内科を受診することをおすすめします。神経内科が近くにない場合は、脳外科や整形外科を受診してください。しかしながら、脳卒中を疑うような場合は早期の受診が重要ですので、救急外来を受診するということを考慮にいれるのもよいでしょう。

ご自身で判断してよいしびれはありません。心配のないしびれは、正座で起こるしびれぐらいではないでしょうか。「しびれの原因となりうる病気とは」でも述べたとおり、しびれを起こす危険性のある疾患は多岐にわたります。つまり、原因となりうるものが多いということです。実際に患者さんを診察してみないと、医師も判断できない部分がたくさんあります。ですから、ご自身の判断でしびれを放置しないことが重要です。

病院を受診すると、多くの場合問診票の記載をお願いされることがあります。問診は、医師が患者さんを初めて診察する際、主に次のような事柄を知るために行います。

  • いつから、どのような症状があるのか
  • その症状がどのような状態になってきているか
  • これまでにどのような病気にかかったことがあるか
  • どのような生活状況(環境)であるか
  • 同じような病気をもつ家族がいるか

これを問診といい、問診表はこれらの内容を書いた質問用紙です。患者さんに適切な治療を行うためには、症状の欄に「しびれ」と記入するだけでは情報が不十分といえます。先に述べたように、患者さんによっては感覚麻痺や運動麻痺などもしびれと表現される場合があります。しかし、感覚麻痺か運動麻痺であるかは大きな違いであり、治療法が異なる場合があります。ですから、問診票にはしびれについて次のように詳細に記入していただくのがよいのではないでしょうか。

  • どのようなしびれなのか(じんじん・ぴりぴり・手が動かしづらい・指の感覚がなくなってきたなど)
  • そのしびれが体のどの部位に起こっているのか(どの程度の範囲に広がっているか)
  • 突然起こったのか、もしくは徐々に起こったのか
  • 体位に関係なく症状があらわれるか(じっとしていても起こっているのか、体のある部分を動かしたときに起こるのか)
  • いつ起こったのか
  • しびれに付随している症状があるか(頭痛・ろれつ不良・視野異常など)

問診票に記載されている情報が少ない場合でも、診察中に症状について伺います。ですが、問診票は待ち時間に記入することができます。症状についてしっかりと思い出すことができますし、診察中に医師に症状を伝え忘れるということを防ぐこともできます。ご自身の症状を的確に医師に伝えるためにも、問診票は重要なツールであると考えています。

先に述べたとおり、診断では問診が非常に重要となります。患者さんが最も困っている症状を的確に医師に伝えることが、しびれにおいては正確な診断・治療につながります。問診と神経学的検査によって、ある程度原因と考えられる疾患を推測します。神経学的検査とは、意識状態・言語・脳神経・運動系・感覚系・反射・協調運動・髄膜刺激徴候・起立歩行などの項目が正常であるかどうかを評価するものです。

問診や神経学的検査である程度、病変の部位やしびれがどのような性質をもっているか、原因と考えられる疾患などを推測します。原因疾患に合わせて、MRIやCT・脳脊髄液検査などの検査を行います。先述したとおり、しびれを引き起こす疾患は多岐にわたりますので、患者さんの症状に合わせて適切な検査・治療を行っていきます。

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