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リウマチの原因とは?治療の変化・予防法・リハビリなどリウマチの概要を紹介
リウマチは「自己免疫疾患」のひとつであり、指や手首などの関節に炎症がおき、痛みや腫れ、変形を起こしてしまう病気です。なぜリウマチでは、このような症状があらわれてしまうのでしょうか。本記事ではアレ...
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リウマチの原因とは?治療の変化・予防法・リハビリなどリウマチの概要を紹介

公開日 2017 年 01 月 30 日 | 更新日 2017 年 06 月 24 日

リウマチの原因とは?治療の変化・予防法・リハビリなどリウマチの概要を紹介
松永 敬一郎 先生

横須賀市立うわまち病院 副病院長 内科部長

松永 敬一郎 先生

リウマチは「自己免疫疾患」のひとつであり、指や手首などの関節に炎症がおき、痛みや腫れ、変形を起こしてしまう病気です。なぜリウマチでは、このような症状があらわれてしまうのでしょうか。本記事ではアレルギー・リウマチ・膠原病専門外来でリウマチの診療をおこなう横須賀市立うわまち病院 副病院長 総合内科内科部長の松永敬一郎先生に、関節リウマチの原因や近年の治療の変化、そして予防法・リハビリについてお伺いしました。

リウマチは何の病気?

リウマチ

リウマチは「自己免疫疾患」に分類される病気

自己免疫疾患とは、体にとっての異物(ウイルスや細菌)から体を守るために働く免疫システムに異常が起きる病気です。免疫システムに異常が起きると、正常な組織を「異物」とみなし、本来攻撃する必要のない自分自身の組織を攻撃するようになってしまいます。

自己免疫疾患では、免疫システムの異常によって本来正常な自分の組織を攻撃しているため、体の様々な部分で炎症が起きています。なかでもリウマチは、特に「関節」で炎症が起きる病気です。

リウマチはからだのどこに症状があらわれるか

一般的に、リウマチによっておきる関節炎の程度は「DAS28」という指標で判断されます。このDAS28は、からだにある計28の関節の状態(痛みや腫れ)の程度から判断します。

【リウマチの好発部位(DAS28の評価対象部位)】

リウマチの好発部位

リウマチの原因

なぜリウマチでは関節に炎症がおこるのか ~リウマチの原因~

関節には、骨と骨がスムーズに動けるようにするために重要な「滑膜(かつまく)」という組織があります。リウマチではこの滑膜の中にある物質(タンパク質)の構造が変わってしまうことが引き金となり、炎症が起きていると考えられています。

そのメカニズムを詳しく解説していきましょう。

STEP1 滑膜の中のたんぱく質が変化する

関節をスムーズに動かす「滑膜」には、フィブリンやビメンチンとよばれるタンパク質が存在しています。これらは通常、細胞の骨格を構成するなどの役割を果たしています。

これらのタンパク質は、PAD4という酵素によって反応を起こすことがあります。この反応では、タンパク質の一部を形作っているアルギニンというアミノ酸がシトルリンへ変化してしまいます(シトルリン化)。このシトルリン化が起こると、タンパク質の一部が、輪っか状の構造へと変化します。

このように、PAD4という酵素によって、正常なタンパク質の構造が一部変化してしまう現象が、免疫メカニズムに異常が生じ始める最初のステップだと考えられています。

STEP2 変化した物質を異物とみなす

正常ではない形をしているタンパク質(異物)が存在すると、免疫システムの役割を担っている「HLA」という物質が反応します。HLAは異物を「自分の組織ではない(非自己)」と認識してその情報をリンパ球へ伝えます。HLAから情報をもらったリンパ球は異物を攻撃するように働いていきます。

このHLAという物質は、両親から一つずつ遺伝して2つの分子で構成されています。リウマチ患者さんではこのHLAに偏りがあると報告されています。このHLAに結合できる変性した自己抗原(シトルリン化した蛋白)がリウマチを引き起こすことが、リウマチの原因のひとつだと考えられています。

※HLA…Human Leukocyte Antigen

STEP3 非自己の物質を攻撃する

非自己と認識された異物が関節に多く存在すると、リンパ球がこれを攻撃して関節では炎症が起きます。この炎症が痛みや腫れを引き起こし、そのまま進行していくと滑膜細胞が増殖して関節を超えて骨の中に浸潤していき、破骨細胞を活性化して骨破壊が進行し、結果として、骨癒合・関節の拘縮が起きてしまいます。癒合や拘縮が起きると、関節の境目がなくなって固まってしまうため、関節は動かなくなってしまいます。このように、最初は関節のあいだの滑膜に炎症がおきることで、関節にリウマチの症状があらわれるのです。

リウマチで関節に炎症が起こってしまうのはPAD4という酵素の働きや、HLAという遺伝素因が原因になっていると考えられています。

そのためこのPAD4やHLAの働きをおさえることができる治療薬を開発しようと、研究を進めているチームもあります。今後PAD4、HLAに作用するリウマチの薬が開発され、リウマチ患者さんの助けになる日がくるかもしれません。

リウマチはどのように症状が進むのか

リウマチの経過

それではリウマチはどのように症状が進んでいくのでしょうか。リウマチで一般的に使われている重症度分類「Steinbrockerの病期分類」をもとに簡単にご紹介します。リウマチの進行

Steinbrockerの病期分類では、リウマチの進行度を4つのステージに分類しています。それぞれのステージでは以下のような症状がみられます。

ステージⅠ 滑膜の増殖

むくみやこわばりを感じます。

ステージⅡ 軟骨の破壊

症状がより進行し、骨の破壊が始まっていることがあります。

ステージⅢ 骨の破壊

骨のあいだの関節がすり減り、骨の破壊が進みます。

まだ関節は動かすことができます。

ステージⅣ 関節の硬直

関節がすり減ってしまい、骨と骨の境目がなくなってしまいます。

関節を動かすことが困難になります。

リウマチの診断方法

関節炎の診察

リウマチは関節炎という特徴的な症状があるため、まずは関節炎があるかどうかを診察・検査で明らかにしていきます。

一方で、関節炎の症状があらわれる病気はリウマチ以外にもあります。特に自己免疫疾患ではリウマチ以外にも関節炎があらわれる病気が多いです。そのため検査の結果から「リウマチ以外の可能性」をしっかり除外していくことも重要です。

リウマチ診断で行われる検査

リウマチを診断するためには、いくつかの検査を行います。それぞれ必要な検査を選択し、患者さんの臨床症状と検査結果を総合的に考慮して診断をつけていきます。

【リウマチの検診にもちられる検査】

・問診・視診・触診

・X線検査(レントゲン)

・血液検査

・関節エコー

・MRI など

リウマチの診断基準は2010年に新しくなった

これまで長いあいだ、1987年に米国リウマチ学会が定めた「関節リウマチ分類基準」を用いてリウマチを診断していました。しかし、この分類基準では、軽症のリウマチ患者さんが当てはまらないことが多く、リウマチの早期診断には適していませんでした。

このような状況を受け、2010年に米国リウマチ学会・欧州リウマチ学会の共同で「2010ACR/EULAR関節リウマチ分類基準」が発表されました。

この分類基準が運用されることによって、より早い段階でリウマチを診断することができるようになってきています。

リウマチ治療の変化

リウマチ治療

リウマチの治療は大きく変わっている

近年、リウマチの治療法は大きな変化を遂げました。その大きなきっかけといえるのは2003年に登場した「生物学的製剤」の登場です。

生物学的製剤とは、科学的に合成された治療薬ではなく、生物が合成する物質(タンパク質)を応用して作られた治療薬の総称です。

生物学的製剤は、免疫システムで重要な役割を果たす「サイトカイン」という物質に直接作用することで関節リウマチの活動性をおさえます。

生物学的製剤は、従来の薬剤に比べると有効性が高いと評価されています。とくに関節破壊抑制効果に優れており、リウマチの症状をより早期に治療し、より軽症な状態へ導くことができるようになりました。

リウマチの予防法・リハビリ方法は?

リウマチの予防法

リウマチの予防には様々な要因が検討されています。その中で最もリウマチの発症と関係していると考えられているのは「喫煙」だと報告されています。

なぜ、リウマチの発症と喫煙が関連するといわれているのでしょうか。これはリウマチの診断を行うときに使われる「リウマチ因子(RF)」「抗CCP抗体」といった物質が、タバコを吸うことによって増加するというデータが出ているためです。

このことから、リウマチの予防法としては、禁煙が重要だと考えられています。

リウマチのリハビリ

リウマチを発症したあと関節を動かさないでいると固まってしまい、症状が悪化してしまうことも多くありますので、リウマチ治療後のリハビリテーションはとても重要です。

近年、本記事でご紹介したように治療法の変化や、診断基準の改訂があったことで、リウマチの治療期間は大きく変わりました。そのことから、リウマチのリハビリテーションを始めるタイミングやペースも従来通りではなく、変わっていくべきなのだと考えています。

この問題点に関しては、リハビリテーションを担う理学療法士の方々とも連携をしっかりとって進めていくことが今後の課題になると思います。

横須賀市立うわまち病院ホームページ(総合内科)はこちら

 

リウマチ・膠原病(松永敬一郎先生)の連載記事

横須賀市立うわまち病院の副病院長と総合内科部長を兼任する。長年にわたり自己免疫性疾患、リウマチ、アレルギーの診療にあたり、数多くの症例を診察した実績を持つ。講演会活動にも力を入れており、シェーグレン症候群の早期発見にむけた「ドライケアフォーラム」の開催に携わるなどより良い医療の実現を目指し活動している。

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