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HBOC-遺伝する乳がん・卵巣がんの検査方法 <まずは「家系にがん患者...
HBOC※の原因遺伝子異常(BRCA1,BRCA2の変異)を持っている場合には、乳がんや卵巣がんを発症するリスクが高まります。HBOCの原因遺伝子を持っているかどうかを調べるには、どのような検査...
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HBOC-遺伝する乳がん・卵巣がんの検査方法 <まずは「家系にがん患者がいるか」を調べよう>

公開日 2017 年 03 月 09 日 | 更新日 2018 年 05 月 17 日

HBOC-遺伝する乳がん・卵巣がんの検査方法 <まずは「家系にがん患者がいるか」を調べよう>
海瀨 博史 先生

東京医科大学 乳腺科学分野

海瀨 博史 先生

HBOCの原因遺伝子異常(BRCA1, BRCA2の変異)を持っている場合には、乳がん卵巣がんを発症するリスクが高まります。HBOCの原因遺伝子を持っているかどうかを調べるには、どのような検査を受ければよいでしょうか。引き続き、乳腺の病気に詳しい東京医科大学乳腺科学分野 海瀨博史先生に解説いただきました。

※HBOC: Hereditary Breast and/or Ovarian Cancer Syndrome

HBOCの疑いがある人とは?

HBOCの原因遺伝子を保有している可能性は「親族の病歴」から推測できます。

あなたの家系の中に乳がん・卵巣がんを発症された方が複数いる場合、そのがんの発症に「遺伝」が関与していることがあります。まずは家系のなかに乳がん・卵巣がんを発症した方がいるかどうかを調べましょう。

下の図で示してある「第3度近親者」までに乳がん・卵巣がんを発症した方がいない場合は、HBOCを疑う必要がありません。

HBOCと家系図

【「近親度」で遺伝の確率を見ています(1/2, 1/4, 1/8まで)】

第1度近親者:父母、きょうだい、こども(遺伝情報を 二分の一(50%)共有する関係)

第2度近親者:祖父母、おじ、おば、おい、めい、孫(遺伝情報を 四分の一(25%)共有する関係)

第3度近親者:曾祖父母、大おじ、大おば、いとこなど(遺伝情報を 八分の一(12.5%)共有する関係)

また、日本HBOCコンソーシアムというHBOC研究団体では、ホームページ上でHBOCに罹患する可能性を調べるための問診票を公開しています。この問診票を活用してセルフチェックをしてみて下さい。

特定非営利活動法人 日本HBOCコンソーシアム <問診票>

受診するべき医療機関とは

遺伝子検査自体を取り扱う医療機関はいくつかあります。しかし「どの病気の遺伝子を専門にみているか」は機関によって違います。受診するのであれば、HBOCの遺伝子検査を行っている医療機関を選びましょう。

日本HBOCコンソーシアムでは日本国内でBRCA遺伝子検査・遺伝カウンセリングを実施している施設を紹介していますので、参考にして下さい。

特定非営利活動法人 日本HBOCコンソーシアム <カウンセリング・検査施設一覧>

HBOCの検査方法

HBOCの遺伝子検査は患者さんの血液を調べることで行われます。

採血なので検査自体の被験者への負担はほとんど有りません。

海瀬先生

診断結果の読み解き方

結果の読み解き方がとても大切になります。

ご自身で解釈するのではなく、専門の医師からきちんと説明してもらいましょう。

「家系内ではじめての検査者である場合」の遺伝子検査結果

おもに 3 つのパターンがあります。

診断① 病的変異が認められない場合

診断② 病的変異が認められた場合

診断③ 病的変異かどうか判断できない場合

現在、結果は上記の3パターンで報告されます。必ず、専門の医師や遺伝カウンセラーと話し合って下さい。

「家系内にHBOCの原因遺伝子を持っている人がいるとわかっている方」の遺伝子検査の結果

おもに2 つのパターンがあります。

診断① 病的変異がない場合

診断② 病的変異がある場合

特に診断②の場合は、HBOCと診断されたことになりますので、今後の治療や予防について、医師や遺伝カウンセラーと話し合いましょう。

遺伝子検査の限界

DNA

遺伝子検査は「検査を受ければHBOCであるかないかが必ずはっきりする」と期待されて受診する患者さんが多くいらっしゃいますが、HBOCだとはっきり診断される患者さんはまだまだ少ないのが実情です。家族歴あっても3分の1程度と言われています。

診断結果で多いものは「病的変異が認められない」「病的変異がどうか判断できない」という診断です。そのため、HBOCの原因遺伝子が無いのか、有るけれども見つからないのかわからないままになってしまい、さらに悩んでしまう患者さん・家族の方も多くいらっしゃいます。遺伝子検査の技術は日々進歩していますが、今の技術でははっきりしない事が有る事を認識しておいて下さい。また、遺伝子変異が見つかった場合でも、実際にがんを発症する時期までは予測できません。遺伝子検査を受ける前には、このような「検査の限界」についても理解したうえで検査を受けることをお勧めします。

検査を受ける前に検討するべきこと

「自分自身がHBOCの原因遺伝子を持つかどうかを知りたい」「わが子がHBOCの原因遺伝子を持つかどうかを知りたい」と考える方は多くいらっしゃいます。しかし、遺伝子検査の結果は当人、そして関わりを持つ人々の人生を大きく左右します。自分が知りたいと感じても、お子さんや、血縁者の中には「結果を知りたくない」と感じている方もいらっしゃるかもしれません。そのため検査結果は非常に慎重に扱い、周囲への様々な影響を考慮する必要があります。

【遺伝子検査を受ける前に考えておくこと】

・ 検査を受けることで、何が知りたいと思いますか?

・ 結果を知った後、どんなことが起こるか想像されましたか?

・ 遺伝情報についてご家族やご親戚の方と話し合う予定はありますか?

・ 社会的な差別を受ける可能性について考えられましたか?

遺伝子検査はとてもデリケートな診断です。受ける目的も、人によってさまざまです。遺伝子検査を受けてわかること、わからないこと、そして検査結果にどう対応するか、どのような影響が生じる可能性があるか、などをよく考えた上で受けるかどうか決めましょう。

 

【参考URL】

  1. 特定非営利活動法人日本 HBOC コンソーシアム 広報委員会 編集 「遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)をご理解いただくために(ver.3)

 

治療ガイドラインは日本乳癌学会HPで

乳癌学会

遺伝性乳がん・卵巣がん(海瀬博史先生)の連載記事

1987年東京医科大学卒業後、東京医科大学病院外科第三講座に入局。乳がん治療を専門に行い、乳腺科開設と同時に同大学の乳腺科へ入局する。増え続ける乳がん患者さんの診療を日々こなし、乳腺分野に特化した専門性の高い治療を展開することで、乳がん診療を取り巻く様々な問題の改善に取り組む。

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