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首のしこりやリンパ節の腫れの原因とは-症状別の原因疾患、何科を受診すべきか?
首に腫れや痛みの症状が現れた場合、何科を受診しようか迷う方も多いかもしれません。実は頸部(けいぶ・首のこと)の疾患は耳鼻咽喉科の領域であり、耳鼻咽喉科を受診することが治療への早道です。頸部は、身...
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首のしこりやリンパ節の腫れの原因とは-症状別の原因疾患、何科を受診すべきか?

公開日 2017 年 05 月 17 日 | 更新日 2018 年 07 月 13 日

首のしこりやリンパ節の腫れの原因とは-症状別の原因疾患、何科を受診すべきか?
愛甲 健 先生

横須賀市立うわまち病院 耳鼻咽喉科 部長

愛甲 健 先生

首に腫れや痛みの症状が現れた場合、何科を受診しようか迷う方も多いかもしれません。実は頸部(けいぶ・首のこと)の疾患は耳鼻咽喉科の領域であり、耳鼻咽喉科を受診することが治療への早道です。頸部は、身体の健康を維持するために重要な役割を果たしています。たとえば、頸部には、唾液をだす働きを持つ耳下腺(じかせん)や顎下腺(がっかせん)、代謝に有効な役割を担う甲状腺(こうじょうせん)があります。さらに、リンパ節が多数集まっており、免疫を守るために働いています。このように重要な部位である頸部に、腫れやしこり、痛みなどの症状が現れた場合、その原因は何なのでしょうか。今回は、横須賀市立うわまち病院の耳鼻咽喉科部長である愛甲 健先生に頸部疾患の原因や症状をお話しいただきました。

首(頸部)の構造とは

一般的に首と呼ばれる頸部は、主に以下の図のように、耳下部(じかぶ)、顎下部(がっかぶ)、頣部(おとがいぶ)、前頸部(ぜんけいぶ)、側頸部(そくけいぶ)にわかれています。これらの部位のうち、耳下部には耳下腺、顎下部には顎下腺、前頸部には甲状腺と呼ばれる腺組織があります。この腺組織には主に分泌物をだす働きがあり、耳下腺や顎下腺は唾液を分泌する働き、甲状腺は身体の代謝に必要なホルモンを分泌する働きを持っています。これら腺組織以外にも、頸部には免疫器官であるリンパ節が数十個集まっており、身体の免疫を守るために重要な役割を果たしています。

首の疾患の種類と症状 

このように重要な役割を果たす頸部に生じる疾患は、主に、症状と発生した場所により疾患が異なります。後ほどそれぞれの疾患についてお話ししますが、現状では、特に甲状腺腫瘍が非常に多いと考えられます。また、大きなリンパ節が耳下部周辺にあることに加え、腫瘍の中では甲状腺腫瘍の次に耳下腺腫瘍が多いため、耳下部が腫れる方も比較的いらっしゃいます。

唾液腺腫瘍-耳下腺腫瘍・顎下腺腫瘍

唾液腺腫瘍と呼ばれるものには、耳下腺腫瘍と顎下腺腫瘍があります。耳の下に症状が現れる場合は耳下腺腫瘍、顎の下に現れる場合は顎下腺腫瘍の可能性があります。腫瘍が良性である場合は腫れやしこりが主な症状で、悪性腫瘍の場合は顔面神経の麻痺や痛みを伴うことがあります。

右耳下腺腫脹
右耳下腺腫瘍(画像:愛甲 健先生ご提供)

甲状腺腫瘍

首の前頸部に位置する甲状腺に由来する腫瘍を甲状腺腫瘍と呼びます。甲状腺腫瘍にも良性腫瘍と悪性腫瘍があり、どちらも腫れやしこりが主な症状です。症状が小さいうちは自覚症状がほぼないため自ら発見することが難しいと言われていますが、たとえばしこりが2センチ以上になると、隆起物として容易に確認することができるでしょう。

リンパ節腫脹

リンパ節が炎症や腫瘍などにより腫れあがることをリンパ節腫脹(しゅちょう)といいます。特に、大きなリンパ節が耳下部にあるため、耳下部が腫れる方が多いと言われています。炎症にはウイルスや細菌の感染による急性リンパ節炎、慢性リンパ節炎などがあります。これら炎症性のものは痛みを伴うことがある点が特徴です。また、腫瘍には良性のものと悪性リンパ腫があり、特に悪性リンパ腫は治療が長期に及ぶため注意が必要です。

左頸部リンバ節腫脹
左頸部リンパ節腫脹(画像:愛甲 健先生ご提供)

頸部嚢胞

嚢胞(のうほう)とは、内部に液体成分を有する袋状の病的な構造物のことを指します。いくつか種類がありますが、代表的なものに、首の前頸部にできる正中頸嚢胞(せいちゅうけいのうほう)、首の側頸部に発生する側頸嚢胞があります。主な症状は、頸部の腫れのみですが、炎症や痛みを伴う場合があります。

右側頚嚢胞
右側頸のう胞(画像:愛甲 健先生ご提供)

首の疾患に痛みはあるのか-主な自覚症状

しこりや腫れは2〜3センチになると気づく方が多い

お話ししたように、頸部疾患に羅患すると腫れやしこりの症状が現れます。特に初期の場合は症状が非常に小さいために、自覚症状はほぼないといってよいでしょう。それでも、個人差はありますが、首の腫れやしこりが2〜3センチほどになると違和感を覚える方が多いと思います。1センチ以下であるとなかなか気づかないかもしれませんが、しこりがかなり表面にある場合は、1センチであっても触ればわかる場合もあります。さらに、2、3センチまで大きくなったしこりは、少し深部にあったとしてもしこりとして感じる場合もあるでしょう。

首を抑える患者さん

炎症性のものは痛みや患部の熱を伴うことも

また、リンパ節腫脹などで炎症性を伴う場合には、痛みを感じる方もいます。さらに、炎症性のものであれば、患部が赤くなる、熱を持つということもあるでしょう。また、悪性腫瘍の場合は、神経の麻痺がでることがあり、主に顔面など頸部周辺に麻痺を感じることがあれば、早めの受診が重要でしょう。これらの症状は自覚症状として気づく方も多いと思います。

良性腫瘍・嚢胞は疾患の予防が困難である

咽喉頭の悪性腫瘍の場合は、喫煙や飲酒が疾患にかかるリスクを高めるといわれています。そのため咽喉頭の悪性腫瘍に伴う頸部リンパ節転移の場合は、喫煙や飲酒がリスクになります。一方、良性の頸部腫瘍に関しては、原因はいまだに解明されていません。そのため、注意をして防げるような疾患ではないといえるでしょう。しかし、腫瘍の多くは中高年の患者さんが多いことがわかっており、加齢とともに注意すべき疾患であると思います。また、嚢胞は先天的なものであるので、こちらも予防は難しいでしょう。ですから、少しでも頸部に違和感を覚えることがあれば、なるべく早く受診をしていただくことで重症化を防ぐことができるのではないでしょうか。

首の異常は病院の何科を受診すればいいの?

頸部疾患の治療は耳鼻咽喉科の領域である

このような頸部疾患の治療は、耳鼻咽喉科の領域であるにもかかわらず、頸部の疾患が耳鼻咽喉科の領域であることを知らない方も少なくありません。そのため、首が腫れても内科を受診する方が多くいらっしゃいます。実際に、私たちの病院の耳鼻咽喉科にも、内科からの紹介で受診される方が数多くいらっしゃいます。しかしながら、頸部に腫れやしこりなど何らかの異常が見られる場合には、耳鼻咽喉科を受診することが早期治療につながります。

診察を受ける患者さん

首の疾患の検査方法-診察が重要な意味を持つ

現在、病院により多少の違いはあるかもしれませんが、頸部疾患における診断の流れは、ほぼ同じであると思います。ここでは、私たち横須賀市立うわまち病院の耳鼻咽喉科における診断の流れをお話しします。

うわまち病院・耳鼻咽喉科における診断の流れ

・診察で疾患の目安をつける

私たちの病院では、まず診察室にある器械を用いて視察をします。次に問診で患者さんから症状を聞き、腫れやしこりを確かめながら疾患の発生場所を確認します。ここでだいたいの疾患の目安をつけます。このとき、鼻や口の中も重点的に確認します。最後に、内視鏡のひとつであるファイバースコープで咽頭や喉頭は不要部まで見て、腫瘍がないか確認します。それは、悪性腫瘍の場合、がんの発生元である原発巣が鼻や口や咽喉頭にあることが多いからです。

検査

・細胞診など疾患の特定のために検査を行う

触診によって確認したしこりの硬さや発生場所にもよって、必要であれば造影CTの撮影や、エコー検査を行い、疾患を特定します。

腫瘍が悪性か良性かは腫瘍の細胞を調べる必要があるため、細胞を診断する細胞診(さいぼうしん)を行います。その他にも、悪性腫瘍の可能性が高ければ腫瘍マーカーなどの採血をします。これら疾患の特定のためには、検査の前段階である最初の診察でだいたいの疾患の目安をつけることが非常に重要です。そのため検査はもちろんのこと、診察は特に注意深く行うようにしています。

首のしこりやリンパ節の腫れ(愛甲健先生)の連載記事

2000年に横浜市立大学医学部を卒業後、複数の病院の耳鼻咽喉科にて経験を積む。2014年より、横須賀市立うわまち病院 耳鼻咽喉科の部長に就任。耳鼻咽喉科のさまざまな疾患を治療してきた経験を生かし、患者さんが困っていることに対し出来ることを考え、診療にあたっている。

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