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頭痛い!危険な頭痛の原因と見分け方

頭痛い!危険な頭痛の原因と見分け方
メディカルノート編集部 [医師監修]

メディカルノート編集部 [医師監修]

この記事の最終更新は2017年06月01日です。

「後頭部が痛い」「こめかみが痛い」「目の奥が痛い」「眉間が痛い」「ズキズキする」など、さまざまなパターンであらわれる頭痛。頭痛には、偏頭痛(片頭痛)や緊張型頭痛、群発性頭痛などさまざまなタイプがあります。頭が痛いだけでなく、吐き気がしたりめまいがしたりする場合、病気が原因かもしれません。

ここでは頭痛の種類や、医師がどうやって頭痛を診断しているのかについてご紹介します。

本来「へんずつう」は片頭痛と書くのが正式名称でしたが、いつの間にか偏頭痛という誤表記が一般に通用するようになりました。この記事内では偏頭痛ではなく、本来の表記方法である片頭痛に統一してご紹介します。

頭痛は一次性頭痛、二次性頭痛と、有痛性脳神経ニューロパチーやその他の顔面痛、およびその他の頭痛の3タイプに分類可能です。

医師は「頭が痛い」など頭痛の諸症状を訴える方に対して、まず二次性頭痛の可能性がないか調べます。

二次性頭痛とは、臓器・筋肉・神経など全身の各器官に生じたトラブル(病気)が原因の頭痛です。次のような頭痛は二次性頭痛の可能性があるため、医療機関の受診をおすすめします。

初めて感じるような頭の痛み

いつもとは違う痛みかた

☆突然頭が痛くなった

☆時間がたつにつれてひどくなる

☆今まで経験してきたなかで最悪の痛みかた

特に☆マークのような痛みかたをする場合、速やかな受診が必要です。

二次性頭痛の原因となる病気は、頭蓋内、頭蓋外、全身性に分類可能です。

頭蓋内部の病気の中で特に緊急性の高い病気として、脳血管障害脳腫瘍髄膜炎が挙げられます。

脳梗塞脳出血くも膜下出血のことをまとめて、脳血管障害と呼びます。

脳梗塞:何かしらの原因によって脳に血が通わなくなることで、脳組織が壊死してしまう病気です。

脳出血:脳内で血管が破けて生じた出血によって、脳の組織を壊してしまう病気です。

くも膜下出血脳動脈瘤と呼ばれる血管のコブが破裂して出血した状態です。

原発性脳腫瘍(脳そのものや周辺組織に生じたがん)と、転移性脳腫瘍(他の部位に生じたがんが転移したがん)があります。脳腫瘍には、脳そのものにできるものと脳の外側にできて脳を圧迫するタイプがあり、頭痛は脳が圧迫されることによって生じる脳圧亢進症状のひとつです。

脳の表面にある髄膜と呼ばれる脳を包む膜や、脳脊髄液の中でウイルスや細菌が繁殖して炎症をおこす病気のことです。頭痛以外に、発熱や嘔吐などの症状が出る方もいます。

三層になっている動脈の内側の壁が裂けてしまうことを動脈解離といいます。日本では頭蓋内椎骨同動脈、欧米では頸部内頸動脈が多いといわれています。

緑内障は日本人の失明原因第一位の病気です。緑内障のうち、閉塞隅角緑内障というタイプのものは急激な眼圧の上昇をおこすため、頭痛や眼痛、吐気などの症状を伴うことがあります。これが急性緑内障発作です。

OSAS閉塞性睡眠時無呼吸症候群)や低血糖などのほか、CO(一酸化炭素)中毒高カルシウム血症などがあります。

腎臓上部についている副腎と呼ばれる臓器に生じた腫瘍のことです。褐色細胞腫の代表的な症状は高血圧ですが、本人が自覚しやすい症状としては、頭痛に動悸、吐き気、嘔吐、発汗や不安感などがあります。

危険な病気が原因ではないものの、「頭が痛い」という症状そのものが日常生活に悪影響を与える頭痛です。代表的な例としては、偏頭痛、緊張型頭痛群発頭痛(三叉神経・自律神経性頭痛)があります。ほかにも、性行為に伴って発生する頭痛一次性労作性頭痛一次性咳嗽(がいそう)性頭痛なども、この一次性頭痛に該当します。

片頭痛とは、前兆がなく急に訪れる頭痛のことです。右のこめかみ(もしくは左のこめかみ)が痛いズキズキする痛みが特徴です。この痛みは左右どちらかだけでなく、頭の両側に感じることもあります。痛さのあまり病院を受診した方の多くは、この片頭痛が原因といわれています。

片頭痛をおこしやすい人:家族に片頭痛をおこしやすい人がいる、小さい頃乗り物酔いをしやすかった、人混みで頭が痛くなりやすい、寝起きが悪い

頭が締めつけられるように痛い、または重い感じのする頭痛は緊張型頭痛の可能性があります。この緊張型頭痛は、先にご紹介した片頭痛の後にあらわれて合併することもあるので注意が必要です。

緊張型頭痛をおこしやすい人:運動不足・運動習慣がない、ストレスや精神的な疲労・緊張を抱えている(もしくは、抱えやすい)、姿勢異常(前屈・側屈・ストレートネックなど)

側頭部だけでなく、眼の奥や上など眼の周辺が一時的に痛くなる頭痛があります。痛みだけでなく眼の充血やなみだ、目元のむくみ、鼻づまりを伴うこともあるこの頭痛は、発生回数や痛みの持続時間によって、群発頭痛・発作性片側頭痛・SUNCT(結膜充血および流涙を伴う短時間持続性片側神経痛様頭痛発作)に分類されます。

このタイプの特徴は目の奥がえぐられるかのような強い痛みですが、片頭痛や緊張型頭痛のように頭痛が続くようなことはありません。

群発性頭痛は男性に生じることが多く、明け方や飲酒がきっかけになることもあります。

緊張型頭痛のような痛みかたをすることもあれば、雷鳴型頭痛(数秒~数分で痛みのピークに達する、非常に強い頭痛)をおこすこともあります。両方とも男性に多いです。

短いのものであれば5分程度、長いものだと2時間程度持続する頭痛です。

咳き込んだり、いきんだりしたときや、Valsalva手技(バルサルバ:息をこらえて脈を遅くする頻脈の治療方法)を実施したときにあらわれる頭痛です。

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