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人工股関節置換術とは?費用や術後のリハビリ・脱臼しやすさなど気になる8...
病気や外傷などによって関節に異常が生じた際、人工関節置換術と呼ばれる人工股関節手術を実施することがあります。ここでは人工股関節にスポットをあてて、どのような方が治療対象となるのか、手術の流れ、術...
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人工股関節置換術とは?費用や術後のリハビリ・脱臼しやすさなど気になる8つのポイント

公開日 2016 年 06 月 01 日 | 更新日 2017 年 12 月 05 日

人工股関節置換術とは?費用や術後のリハビリ・脱臼しやすさなど気になる8つのポイント
メディカルノート編集部 (医師監修記事)

メディカルノート編集部 (医師監修記事)

病気や外傷などによって関節に異常が生じた際、人工関節置換術と呼ばれる人工股関節手術を実施することがあります。

ここでは人工股関節にスポットをあてて、どのような方が治療対象となるのか、手術の流れ、術後のリハビリや生活上の注意点、手術にかかる費用についてご紹介します。

人工股関節とは

鼠径部のイラスト

鼠径部は、大腿骨頭(だいたいこっとう)と呼ばれる太ももの骨の先端部分と、骨盤の寛骨臼(かんこつきゅう)と呼ばれるくぼみが軟骨や筋組織でつながっています。人工股関節とは、これらの骨に異常が生じた場合に置き換えられるインプラント(人工物)のことです。

人工股関節の素材や大きさ

メーカーによって多少差はありますが、チタン、コバルト、クロム、ポリエチレン、セラミックを使用するのが一般的です。

ヒトの体の大きさはそれぞれ異なるため、人工股間関節も約1mmごとに異なるサイズが作られています。そのため患者さんに適したサイズのインプラントを選ぶ際には、手術前に患者さんの股関節の大きさを調べています。

人工股関節設置術の種類(BHA・THA・MIS)

人工股関節置換術とは、人工股関節と自身の股関節の一部(もしくは全部)を取り替える手術のことです。

人工股関節置換術にはいくつか種類があり、股関節や機能障害の程度(どのくらい股関節がダメージを受けていて日常生活に影響を与えているか)など、患者さんの状態や希望をある程度考慮して手術方法を決定します。

人工骨頭置換術(BHA)

人工骨頭置換術(BHA)

大腿骨頭と呼ばれる太ももの骨の先端部分だけに異常がある方に適用される手術です。

骨頭部分を完全に除去したあと、大腿骨髄腔を削った部分にチタン合金製のステム(ヘッドを支えるための土台)と骨頭ボール(ヘッドとも呼ばれる、大腿骨頭の代わりとなるパーツ)を設置します。

手術は30~60分程度で終了しますが、担当する医療者の習熟度(慣れ)によって治療時間は多少変動します。

人工股関節全置換術(THA)

人工股関節全置換術(THA)

大腿骨頭だけでなく、対応する寛骨臼にも異常があるときに選択します。

人工股関節全置換術では、最初に寛骨臼側にカップとライナーと呼ばれる骨頭ボールの受け皿を設置した後に、大腿骨とステム・骨頭ボールを取り替えます。

手術時間は人工骨頭置換術に比べると少し長く、60分程度が平均的といわれています。

最小侵襲手術(MIS)

患者さんの体への負担を減らすため、なるべく体にメスを入れないようにした手術のことです。

先にご紹介した手術方法では、大きな手術痕が患者さんの体に残ります。最小低侵襲手術では、患者さんの状態に合わせて切開する場所を変更したり、リトラクター(開創器)と呼ばれる専用の特殊な器具を使用したりすることにより、患者さんの体に残す傷を7~8cm程度にとどめることが可能になりました。

人工股間節手術はどんな病気のときに実施するの?

ここでご紹介するのは、人工股関節手術が必要になる病気の一部をご紹介します。

※人工股関節置換術は、運動をはじめとする保存療法や、骨切り術でも対応が難しい場合に実施されるため、股関節に異常がある方すべてが関節置換術の対象になるわけではありません。

大腿骨頭壊死(特発性大腿骨頭壊死症)

太ももの骨の先端の大腿骨頭に十分な血液が循環しなくなることによって、骨組織が壊死した状態です。壊死した部分が圧迫され潰れることで、足の付け根に痛みを感じるようになります。

大腿骨頭壊死の原因は特定されていません。しかし近年になり、ステロイド服用の有無やアルコールの過剰摂取、年齢、性別などが発症率に影響を与えているらしいということがわかってきました。

大腿骨骨折

骨粗しょう症が進んだ高齢者に多い骨折で、段差などで転倒した際に生じることがあります。

変形股関節症

遺伝的な要因のほか、関節の使いすぎや体重による負荷、外傷などによって軟骨が摩耗して発症します。

具体的な症状としては、関節周辺のズキズキとした痛みや腫れ、引っかかったような感じなどの違和感などが挙げられます。

関節リウマチ

ヒトの体内には、ウイルスなどの病原菌から体を守ろうとする免疫機能が備わっています。関節リウマチとは自己免疫疾患と呼ばれる、体を動かすのに欠かせない関節にある滑膜という組織を異物と誤認してしまう病気の仲間です。

関節リウマチの症状は、免疫細胞によって引き起こされる関節の腫れや痛みなどの炎症です。もし関節リウマチを放置すると、骨や軟骨、腱など関節を構成する組織が破壊されて関節が変形するため、痛みだけでなく手足が動かしにくくなるなどの悪影響が生じるようになります。

どうして関節リウマチが生じるのかについては、まだ完全には解明されていません。ただ近年になり、出産、喫煙、感染症などの因子が関係しているのではないかと考えられるようになりました。また遺伝も大きなリスクファクター(原因・危険因子)とされています。

人工股関節手術の流れ-検査からリハビリまで

手術前-入院前検査・自己血貯血・術前の確認

手術をより安全に行なうため、まず入院前検査と呼ばれる採血・採尿・心電図、胸部X線写真など各種検査を実施します。

次に、これまでにかかったことのある病気や持病、服用している薬などについて伝えます。特に手術後は通常時よりも感染症のリスクが上昇するため、むし歯の治療歴や皮膚に潰瘍など異常があるかについてもチェックします。

また人工股間節の手術では、自己血貯血を実施して血液を400ml採取・保存することで、手術中の出血に備えます。

手術

手術時間は手術を受ける患者さんの状態や術式、手術を担当するチームの習熟度などにもよりますが、一般的に30~60分程度で終了します。なお手術は、原則的に全身麻酔と硬膜外麻酔をした状態で実施します。硬膜外麻酔とは、脊髄を包む硬膜外の外側のスペースに麻酔液を注入する方法のことです。

手術後-リハビリの開始

人工股関節手術後も2~3週間程度の入院が必要です。これは患者さんが日常生活に戻った後も脱臼などのトラブルなく過ごせるようにするためです。まず「どういうことをしたら脱臼しやすいのか」を知っていただき、これをふまえたうえで脱臼しにくくするためのトレーニングを行います。

ほかにも、股関節が痛くてあまり歩かなくなるなどして、もともと股関節周辺の筋力が低下している方が多いことから、お尻周りの筋力トレーニングをするためという理由もあります。

人工股関節手術後は脱臼しにくくするためのリハビリテーションやお尻の筋力トレーニングが必要!

通常の関節と比べ人工股関節手術後は股関節脱臼をおこしやすく、特に手術後2~3か月間は他の期間よりもその確立が高くなります。そのため人工関節設置手術をされた方は理学療法士のもとで、脱臼しにくいしにくい姿勢をとるための動作練習や、中殿筋(ちゅうでんきん・脚を外側に向かって開く筋肉)や腸腰筋(ちょうようきん・脚を前方に持ち上げる筋肉)を重点的にトレーニングします。

人工股関節手術後の生活の注意点(股関節への負荷、感染症、人工股関節の寿命など

人工股間節手術そのものやインプラントの品質が向上したこともあり、以前よりも脱臼の心配は減少したといわれています。しかし、日常生活上の注意点が全くないといわけではありません。では股関節置換手術を受けた方は、その後どのような点に注意すればよいのでしょうか。

脱臼(前方脱臼・後方脱臼)

以前より脱臼しにくくなったとはいえ、極端に無理な姿勢をとってしまうと脱臼するおそれがあります。特に、深くかがみ込んで内股気味に座ると後方脱臼、脚を背中側に極端に曲げたエビ反りのような姿勢では前方脱臼をおこすリスクが高くなります。

感染症(股関節周囲炎など)

体内にインプラントを入れた方は、そうでない方よりも感染症にかかりやすいです。人工関節が細菌感染をおこすことにより、発熱、インプラント設置部の発赤や痛みをおこすことをインプラント周囲炎(PJI)と呼びます。インプラント周囲炎を放置するとインプラントのゆるみをおこし、重症化すると再置換(再手術)が必要になることもあります。

人工股関節手術の件数は世界中で増加傾向にあることから、このインプラント周囲炎は世界的な問題として注目されています。

塞栓症や血栓症

何かしらの物質がとおり道に詰まってしまうことを塞栓症といい、なかでも血管内に血栓と呼ばれる血の固まりが詰まる病気を血栓症と呼びます。

人工股関節には寿命がある

大腿骨に設置したステムのゆるみや大腿骨頭の受け皿となるライナーの摩耗などにより、再度手術が必要になる場合があります。以前は人工股関節設置後20年後約6割の方に関節のゆるみが生じており、半数近くの方が再置換(再手術)を受けているといわれていました。

近年ではインプラントの材質や性能が向上したことに伴い、インプラントの寿命も30~50年ほどになるのではと期待されています。

担当医のもとで定期健診を受ける

人工股関節のゆるみや摩耗具合、感染症などの異常がないかを調べるため、退院後は定期検診を受けていただきます。定期検診の頻度ですが、退院後1年は2~3か月に1回、以降は1~2年ごとが目安です。

人工股関節手術にかかる費用

加入されている医療保険制度によって、負担は1~3割程度に軽減されます。また、1か月内の自己負担限度額を超過していた場合は高額療養制度の申請可能対象となるため、毎月の負担を自己限度額内に収めることが可能です。

条件や必要書類などの詳細については、医療機関の担当窓口にご相談ください。

 

高額療養制度一ヶ月あたりの自己負担限度額

年齢

世帯所得の状況

限度額の計算式

医療費が200万円の場合
(計算式による)

70歳
未満

健保:標準報酬月額83万円以上の方
国保:年間所得901万円超の方

252,600円+(医療費-842,000円)×1%

264,180円

健保:標準報酬月額53万円以上83万円未満の方
国保:年間所得600万円超901万円以下の方

167,400円+(医療費-558,000円)×1%

181,820円

健保:標準報酬月額28万円以上53万円未満の方
国保:年間所得210万円超600万円以下の方

80,100円+(医療費-267,000円)×1%

97,430円

健保:標準報酬月額28万円未満の方
国保:年間所得210万円以下の方

57,600円

57,600円

住民税非課税の方

35,400円

35,400円

70歳
以上

健保:標準報酬月額28万円以上
課税所得:145万円以上

80,100円+(医療費-267,000円)×1%

97,430円

健保:標準報酬月額26万円以下
課税所得145万円未満

44,400円

44,400円

住民税非課税の方

24,600円

24,600円

住民税非課税の方(所得が一定以下)

15,000円

15,000円

引用元:厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/jiritsushienhou04/index.html

リハビリとはー理学療法・作業療法・言語療法について

リハビリとはー理学療法・作業療法・言語療法について

熱川温泉病院 院長

田所 康之 先生

今までできていたことができなくなると、「元の状態に回復したい」と思うのはごく自然のことです。そのサポートをするのがリハビリテーション、通称リハビリです。しかし、通院でリハビリするのと、入院でリハビリするでは一体、何が違うのでしょうか。集中してリハビリを行える入院リハビリには様々な効果を期待してしまいますが、どこに効果があるのでしょうか。今回は、熱川温泉病院の田所康之院長に、リハビリの...

この記事の目次

  • 1.リハビリとは?

  • 2.理学療法とは?

  • 3.作業療法とは?

「メディカルノート編集部」の記事も、医師監修のもと提供させていただいております。

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