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化学療法の役割。種類や適応について
化学療法とは、がん細胞の活動を抑制する薬を使った治療であり、手術の前や後、根治が難しいがんの場合には延命や症状緩和のためなど、さまざまな目的で実施されています。そして新しい薬の開発も日々進められ...
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公開日 : 2017 年 12 月 24 日
更新日 : 2018 年 06 月 15 日

目次

化学療法とは、がん細胞の活動を抑制する薬を使った治療であり、手術の前や後、根治が難しいがんの場合には延命や症状緩和のためなど、さまざまな目的で実施されています。そして新しい薬の開発も日々進められており、今後さらなる発展が期待されています。

今回は化学療法の種類やメリット・デメリット、対象となる患者さんについて、KKR札幌医療センター 消化器・腫瘍内科医長であり外来化学療法室長も務めている、曽我部進先生にお話をうかがいました。

化学療法とはどのような治療法か

化学療法とは、がん細胞の増殖を阻害する薬を患者さんに投与する治療法です。一般的には、抗がん剤治療ともいわれます。また化学療法と放射線療法を併用した化学放射線療法は、根治可能なステージの一部のがんに対して、手術とほぼ同等の成績が得られると報告されています。

記事2『食道がんに適応される化学放射線療法。その特徴とは』

化学療法の種類 

化学療法として使用される治療薬は、主に以下の3種類です。

殺細胞性の抗がん剤

化学療法には3種類ありますが、一般的に「化学療法」といわれているのは殺細胞性の抗がん剤を使用した治療です。がん細胞が細胞分裂により増加していくことを阻害したり、がんの細胞死を誘導したりする働きをします。

殺細胞性の抗がん剤は、がん細胞だけでなく正常な細胞にも影響を与えるため、さまざまな副作用が生じます。しかし、正常な細胞はがん細胞よりも回復が早いため、そのタイムラグを利用しながら薬を投与していくことで腫瘍を縮小させます。

ホルモン剤(内分泌療法)

ホルモン剤は前立腺がんや乳がんなど、ホルモンの働きにより腫瘍が増えていくがんに対して使用されます。腫瘍が増える原因となるホルモンの働きを抑えることで、腫瘍の増殖を抑える効果があります。

分子標的薬

がん細胞には、そのがん特有の特殊な分子の発現や遺伝子異常が存在する場合があります。そして、その特有の変化に対して特異的に作用し、がん細胞の増殖を抑制する薬が分子標的薬です。がん細胞特有の分子もしくは遺伝子にだけ働くため、正常な細胞への影響が少ないといわれていますが、薬剤ごとに特徴的な副作用が生じることもあります。近年では消化器がんの治療をはじめ、さまざまながんに対して使用されています。

分子標的薬はがん特有の分子の発現や遺伝子変異の種類により効果が異なる

がん細胞の遺伝子変異には、複数のパターンがあることがわかっています。そして、患者さんのがんがどの遺伝子変異を有しているのか、特有の分子の発現があるのかどうかによって、分子標的薬の効果の有無が分かれます。

たとえば、大腸がんで使用する薬としてEGFR抗体薬というものがあります。EGFR抗体薬は、がん細胞のRAS遺伝子という遺伝子に変異がある患者さんには効果がないことがわかっています。そのため、RAS遺伝子の変異のない患者さんに対してのみ使用されます。

このように、がんの遺伝子変異などを事前に調べることにより、化学療法で使用する薬の効き目を予測する研究が積極的に進められています。

記事6『消化器がんの化学療法。がんの遺伝子解析とは』

その他の種類

最近では、免疫チェックポイント阻害薬という種類の薬も使用されています。なかでもニボルマブやペムブロリズマブといった抗PD-1抗体薬に注目が集まっています。一部のがん細胞は、がん細胞を攻撃するリンパ球の免疫機能の働きを弱めるPD-L1という分子を発現しています。PD-L1はリンパ球の表面のPD-1という分子に結合することによりリンパ球の免疫反応による攻撃から逃れています。抗PD-1抗体薬はそのPD-1と結合することにより、抑えられていた免疫機能を活性化し、抗腫瘍効果を発揮するといわれています。

記事4『胃がんの治療方法。抗がん剤治療や化学療法の特徴』

また、以前までは免疫賦活剤(めんえきふかつざい)という薬なども使用されていました。しかし、各種臨床試験で明らかな有効性が示されず、2017年現在はあまり使われていません。

食道がんのページへ

北海道大学を卒業後複数の医療機関での経験を経て、現在はKKR札幌医療センター 消化器・腫瘍内科医長及び外来化学療法室長として勤務している。患者さんの話に耳を傾け、1人1人に適した治療を行うことを日々心掛けている。

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