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食道がんに適応される化学放射線療法。その特徴とは
化学放射線療法は、化学療法と放射線療法を組み合わせた治療法であり、消化器がんでは食道がんで広く行われています。膵臓がん、直腸がんの一部で行われる場合もあります。記事1『化学療法の役割。種類や適応...
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食道がんに適応される化学放射線療法。その特徴とは

公開日 2017 年 12 月 25 日 | 更新日 2018 年 06 月 15 日

食道がんに適応される化学放射線療法。その特徴とは
曽我部 進 先生

KKR札幌医療センター 消化器・腫瘍内科医長、外来化学療法室長

曽我部 進 先生

目次

化学放射線療法は、化学療法と放射線療法を組み合わせた治療法であり、消化器がんでは食道がんで広く行われています。膵臓がん、直腸がんの一部で行われる場合もあります。

記事1『化学療法の役割。種類や適応について』に引き続き、化学放射線療法の概要や、食道がんに対しての化学放射線療法について、KKR札幌医療センター 消化器・腫瘍内科医長であり外来化学療法室長も務めている曽我部進先生にお話をうかがいました。

化学放射線療法とはどのような治療法?

放射線療法の機械

化学放射線療法とは、抗がん剤や分子標的薬などを使用する化学療法と、放射線療法を同時進行で行う治療法です。化学療法については記事1『化学療法の役割。種類や適応について』でご説明していますので、そちらも併せてご覧ください。また放射線治療とは、がんに放射線を照射することによって、がん細胞の増殖を阻害するという治療法です。

化学療法と放射線療法を併用する化学放射線療法

化学療法によるがん治療は、全身に散らばっている小さながんの治療に効果的です。しかし、局所のがん原発巣に対しての根治的な治療は困難です。一方、放射線療法は、放射線を当てることのできる局所のがんに対して効果を発揮しますが、当然ながら照射範囲外のがんに対しては効果がありません。

化学療法と放射線療法を併用する化学放射線療法では、それぞれの特性を活かしながらがんを治療します。具体的には化学放射線療法を用いることで、全身に散らばった小さながんと局所にとどまっている固形のがんを同時に治療し、がん細胞の増殖を抑えることが可能となります。食道癌診断・治療ガイドラインによると、ステージⅠの食道がんの患者さんの場合、3年生存割合が約82.7%(日本食道学会全国登録集計:2002年)に対し、化学放射線療法を行ったケースでは約85%(JCOG9708試験:Jpn J Clin Oncol. 2009 Oct;39(10):638-43.)との報告がされています。その他の報告においてもおおむね同様の結果が認められています。

消化器がん領域で化学放射線療法の対象は食道がん

化学放射線療法は基本的には延命や症状緩和のためではなく、手術と同様にがんを根治させることを目的として実施されます。そして数ある消化器がんの領域において、食道がんでは化学放射線療法ががんを根治させることにつながる可能性が高いという結果が示され、広く行われています。

記事3『食道がんの化学療法。ステージ別にみる化学療法の流れ』

食道がんに対する化学放射線療法のリスク

食道がん

化学放射線療法は、化学療法の副作用に加え、放射線療法による以下のようなリスクがあります。

放射線照射により皮膚炎や食道炎、肺炎・心膜炎などが発生

食道がんに対して放射線を照射する場合、喉の部分から食道に沿って行います。放射線を照射した組織は、がん細胞だけではなく正常な組織も障害を受けるため、正常な組織が皮膚炎を起こし、皮膚がやけどをしたときのようにただれることがあります。また、食道自体が炎症を起こしてただれ、その痛みから食事が喉を通らなくなるケースもあります。上記のような副作用の症状は、放射線治療を終了した後も数週間続く場合があります。

その他、食道への放射線照射時には肺や心臓にも放射線があたるため、肺炎や心膜炎を引き起こす場合もあります。これは治療終了後ある程度の時間がたってから生じます。しかし放射線を照射する技術は以前よりも進歩しており、なるべく正常組織への影響を少なくできる、より低侵襲な技術が用いられるようになっており、近年では肺炎や心膜炎の頻度はそれほど多くはないとされています。

造血力の低下(骨髄抑制)

食道がんの放射線治療では脊椎や胸骨などにも放射線があたるため、骨髄で造血の働きをする細胞も影響を受けます。さらに抗がん剤治療の副作用としても造血力の低下が発生するため、化学放射線療法を実施した場合はより強く症状が現れる可能性があります。

今後は化学放射線療法の適応疾患が広がる?

人体模型

2017年現在、欧米では食道がんだけでなく直腸がんに対しても化学放射線療法が広く実施されています。そして日本でも、直腸がんに対して手術の前に化学療法と放射線療法を行い、腫瘍を小さくしてから手術で腫瘍を摘出するという治療法の臨床試験が行われています。

記事3『食道がんの化学療法。ステージ別にみる化学療法の流れ』では、消化器がんのなかでも食道がんの化学療法について詳しく解説します。

北海道大学を卒業後複数の医療機関での経験を経て、現在はKKR札幌医療センター 消化器・腫瘍内科医長及び外来化学療法室長として勤務している。患者さんの話に耳を傾け、1人1人に適した治療を行うことを日々心掛けている。

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