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股関節が痛い。考えられる原因や引き起こす疾患について
私たちが日常生活のなかであらゆる動きをするために、股関節は必要不可欠な関節です。その股関節に痛みが起こると、日常生活を送るうえで、さまざまな不具合が生じてしまいます。では、股関節の痛みを引き起こ...
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股関節が痛い。考えられる原因や引き起こす疾患について

公開日 2018 年 03 月 01 日 | 更新日 2018 年 03 月 06 日

股関節が痛い。考えられる原因や引き起こす疾患について
近藤 宰司 先生

社会医療法人ジャパンメディカルアライアンス  座間総合病院 人工関節・リウマチセンター センター長

近藤 宰司 先生

目次

私たちが日常生活のなかであらゆる動きをするために、股関節は必要不可欠な関節です。その股関節に痛みが起こると、日常生活を送るうえで、さまざまな不具合が生じてしまいます。では、股関節の痛みを引き起こす原因にはどのようなものが考えられ、どのような治療法があるのでしょうか。社会医療法人ジャパンメディカルアライアンス 座間総合病院 人工関節・リウマチセンター長である近藤宰司(こんどうさいじ)先生にお話を伺いました。

そもそも股関節とは?

股関節の構造

股関節とは骨盤と大腿骨をつなぐ「球関節(きゅうかんせつ:関節の接合部が球体のもの)」です。骨盤にある寛骨臼(かんこつきゅう)に大腿骨頭(だいたいこっとう)が包み込まれることで安定を保たれるように形成されています。

股関節は球関節であることから、一方向だけでなくあらゆる角度に下肢を動かすことができる自由度の高い関節です。また体を支える、歩く、しゃがむ、座るなどの日常生活における基本的な動作を行うために必要不可欠な関節です。

この股関節に何らかの障害が起き、痛みが生じたり動かなくなったりすることで、日常生活においてさまざまな制限や支障が出てきてしまいます。それでは、股関節に起こる痛みにはどのような特徴があり、どのような原因が考えられるのか、次項から述べていきます。

股関節に起こる痛み

痛みの特徴を正確に捉え、原因を探る

足の付け根を痛がっている人

「股関節が痛い」と一口にいっても、痛みの性質や特徴は患者さんによってさまざまです。私たち整形外科医は、問診時に患者さんから「どのような動作時に痛みがあるのか」「股関節以外に痛む箇所はないか」などを詳細に聞き取るようにしています。そこから痛みが起きている原因を探り、治療方針を決定していきます。

たとえば、以下のようなことをお伺いしています。

股関節の痛みに関する問診の一例

  • 安静にしていても痛みがあるか
  • 歩行時に痛みがあるか
  • 長距離を歩くと痛みがあるか
  • 夜間(寝返りを打つときなど)に痛みを感じるか

など

これらは日本整形外科学会の股関節機能判定基準に則った内容となっています。また、上記の痛みに関する項目以外にも、股関節の可動域、歩行能力、日常生活動作(立ち仕事、足の爪切り動作、靴下着脱動作など)に関する内容についても詳細に聞き取り、総合的に股関節の機能を評価して治療法を決定します。

股関節痛以外の可能性を考える

また「痛みのある部分が本当に股関節であるのかどうか」を正確に捉えることも大切です。通常、股関節に何らかの問題がある場合は、鼠径部(そけいぶ:足の付け根)もしくは大転子(だいてんし:股関節の外側の突出した部分)に痛みが生じます。

しかし、患者さんから痛む箇所を聞き取ると、お尻や太ももであるという方が多くいます。この場合は、股関節疾患ではなく筋肉痛であることが多く、筋力強化で痛みが改善されることがあります。ですから、正しい治療を行うためにも痛みの箇所をしっかりと把握することはとても重要なのです。

股関節の痛みを引き起こす疾患や怪我

股関節に痛みが生じる原因には、あらゆる疾患や怪我の可能性が考えられます。以下に代表的な原因をいくつか挙げていきます。

疾患によるもの

変形性股関節症(一次性・二次性)

変形性股関節症とは、股関節を構成する関節軟骨の異常によって、股関節が変形し正常に機能しなくなる疾患です。明らかな原因がなく発症する一次性のものと、寛骨臼形成不全、大腿骨骨頭壊死症、関節リウマチ、外傷後、炎症性疾患などの疾患が原因で発症する二次性のものに大別されます。

※変形性股関節症に関する詳細情報はこちらをご覧ください。

『変形性股関節症とは』

寛骨臼形成不全(臼蓋形成不全)

寛骨臼形成不全(臼蓋形成不全)とは、臼蓋(股関節の屋根にあたる部分)の発育が不完全であるために、大腿骨頭をうまく支えることのできない疾患です。股関節が不安定な状態にあるため、軟骨がすり減り、股関節に痛みや変形をきたします。

※寛骨臼形成不全(臼蓋形成不全)に関する詳細情報はこちらをご覧ください。

『股関節の痛みの原因となる寛骨臼形成不全(臼蓋形成不全)とは?症状や手術について』

関節リウマチ

関節リウマチとは、関節の内側にある滑膜(かつまく)が炎症を起こすことで、痛みや腫れが生じる自己免疫性疾患です。関節の炎症が長期間にわたり持続すると、関節軟骨や骨が破壊されて、関節の脱臼や変形、拘縮(こうしゅく)を引き起こします。

※関節リウマチに関する詳細情報はこちらをご覧ください。

『関節リウマチとはどんな病気か?−病気の特徴と原因』

大腿骨骨頭壊死症

大腿骨骨頭壊死症とは、大腿骨頭の一部に血液が行き渡らなくなることで、骨が壊死する疾患です。骨が壊死することで股関節の変形や強い痛み、骨折などの症状が起こることがあります。長期間のアルコール摂取や大量のステロイド投与による大腿骨頭壊死症と、原因のない特発性大腿骨頭壊死症があります。

※大腿骨骨頭壊死症に関する詳細情報はこちらをご覧ください。

『骨が壊死する難病「大腿骨骨頭壊死症とは?突然の股関節の痛みに注意』

怪我や外傷によるもの

大腿骨頸部骨折

大腿骨頸部骨折とは、大腿骨の一部である大腿骨頸部(股関節を形成する側の付け根にあたる部分)に生じる骨折をさします。骨粗しょう症が原因となることが多く、高齢者を中心に受傷する患者さんが多くいらっしゃいます。骨折が癒合しない場合や血行障害のために一部が大腿骨頭壊死に陥ることがあり、人工股関節置換術の適応となることがあります。

股関節の痛みに対する保存療法

ウォーキングをしている人

股関節の痛みには上記にようにさまざまな原因が考えられますが、痛みが股関節の変形によるものであると確認された場合には、症状と進行具合に合わせた治療を行います。

股関節に変形がみられても、日常生活に大きな支障がなければ「保存療法」を行います。保存療法では、痛みを緩和する鎮痛剤などを用いながら、運動やストレッチ、筋力強化などを実施します。

※保存療法に関する詳細情報はこちらをご覧ください。

『変形性股関節症の治療』

股関節の痛みに対する手術治療

保存療法を行っても、股関節の痛みを取り除くことができない場合には、手術治療を行います。手術治療には主に以下の2通りの方法があります。

骨切り術

骨切り術とは、関節近くの骨を切除して関節のかみ合わせをよくすることで、軟骨のすり減りを防ぐ手術方法です。患者さん自身の関節の状態が比較的良好な場合に適応となります。

※骨切り術に関する詳細情報はこちらをご覧ください。

『変形性股関節症の治療』

人工股関節置換術

人工股関節置換術とは、変形・変性した股関節を人工のものと入れ替える手術です。人工股関節置換術は骨切り術が適応とならない患者さんに対して行われます。

※人工股関節置換術に関する詳細情報はこちらをご覧ください。

『人工股関節置換術とは?人工股関節の方法や入院について』 

 

昭和大学卒業後、昭和大学藤が丘病院整形外科に入局。以来、整形外科医としての臨床経験を積み、人工股関節置換術における高い技術を身につける。全国各地から人工股関節置換術を受けるために多くの患者さんが来院している。

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