【疾患啓発(スポンサード)】

クリップする
URLを入力して
記事をクリップしましょう
指定された URL のページが見つかりません
S664x430 d70bdf06 2f2f 49df 937e 33eca67133e5
脊椎圧迫骨折とは? 骨粗しょう症の患者さんは注意が必要
 脊椎圧迫骨折とは、背骨が過度な負担に耐えきれず突然潰れてしまう病気です。脊椎圧迫骨折は高齢の女性に多く、骨粗しょう症が主な原因といわれています。背骨は体重を支える、脊髄を保護する、複雑な動きを...
Male consulter resolved
クリップに失敗しました

脊椎圧迫骨折とは? 骨粗しょう症の患者さんは注意が必要

公開日 2018 年 02 月 21 日 | 更新日 2018 年 02 月 21 日

脊椎圧迫骨折とは? 骨粗しょう症の患者さんは注意が必要
大橋 洋輝 先生

医療法人社団のう救会 脳神経外科東横浜病院/東京慈恵会医科大学脳神経外科 診療医長・講師 脳神経外科 

大橋 洋輝 先生

目次

 

脊椎圧迫骨折とは、背骨が過度な負担に耐えきれず突然潰れてしまう病気です。脊椎圧迫骨折は高齢の女性に多く、骨粗しょう症が主な原因といわれています。背骨は体重を支える、脊髄を保護する、複雑な動きをするといった、人が生活するにあたって重要な役割を果たしています。この背骨が潰れてしまうと、日常生活に支障が出るほか、身長が縮んだり、背中が丸まったりして患者さんご自身も「歳を取った」というマイナスイメージを抱きがちです。

今回は背骨の役割や脊椎圧迫骨折の症状などについて医療法人社団のう救会 脳神経外科東横浜病院 大橋洋輝先生にお話を伺いました。

脊椎圧迫骨折とは

背骨

脊椎圧迫骨折とは、もろくなってしまった骨が重さに耐えきれず押し潰されてしまうことを指します。押しつぶされた骨は変形してしまい、患者さんにさまざまな影響を及ぼします。骨が押し潰されてしまうことを「圧壊(あっかい)」といいます。

脊椎(せきつい)とは

脊椎とは、一般的な表現に言い換えると背骨のことです。人の脊椎は頭蓋骨から骨盤までを24個の椎骨でつないでいます。(椎骨の数は人によってややばらつきがあります。) 脊椎はさらに頚椎(7椎)、胸椎(12椎)、腰椎(5椎)、仙椎(5椎)、尾椎(3〜6椎)に分類することができます。

椎骨と椎骨の間は関節と椎間板でつながっています。関節は骨と骨を連結し、体を動かす軸となります。椎間板は椎骨と椎骨の間に位置する軟骨で、椎骨に伝わるさまざまな衝撃を吸収する役割を持ちます。

脊椎(背骨)の役割

脊椎にはおおきく分けて3つの役割があります。ここではそれぞれの役割についてご紹介します。

<脊椎(背骨)の役割>

  • 体を支える
  • 脊椎のなかにある神経「脊髄(せきずい)」を保護する
  • 複雑な動きをする

体を支える

脊椎は人間の体の大黒柱です。体が倒れてしまわないように支えるだけでなく、自身の体重を支える役目を持ちます。また脊椎は側面からみると、なだらかなカーブを描いているのが特徴です。このカーブによって体重をバランスよくささえることが可能です。

脊椎のなかにある神経「脊髄(せきずい)」を保護する

脊椎のなかには神経の塊である「脊髄」が入っています。脊髄は脳から体の各部位に信号を届け、受け取るという役目を持った神経です。脊椎はこの脊髄を保護する役割をしています。

複雑な動きをする

脊椎は小さな椎骨が複数連結した形状をしています。ですから、多様な動きが可能な部位です。かがむ、反らすといった前後運動から、ひねる、ねじるといった回転運動まで、日々の生活のなかでさまざまな動きをしています。

このように脊椎は人間の活動にとって大切な役割を多く担っています。その脊椎の一部が圧壊し骨が潰れてしまうと、これらの役割を果たす妨げとなってしまいます。

脊椎圧迫骨折の原因は骨粗しょう症

脊椎圧迫骨折はその原因の多くが骨粗しょう症であり、近年では「骨粗しょう症性椎体骨折」と呼ばれることもあります。骨粗しょう症については記事2『骨粗しょう症とは? 脊椎圧迫骨折など骨折の原因となる病気』で述べていますので併せてご覧ください。

【先生ご提供写真:健康な脊椎と脊椎圧迫骨折を起こした脊椎】
先生ご提供写真:健康な脊椎
先生ご提供写真:脊椎圧迫骨折を起こした脊椎

脊椎圧迫骨折はどんなときにおこる?

咳

日常の些細な動きで骨が圧壊する

「骨折」と耳にすると、転倒、衝突などの外的刺激をイメージする方が多いと思います。確かに脊椎圧迫骨折でも、転倒や衝突など外的刺激を原因に骨が圧壊するケースはあります。

しかし脊椎圧迫骨折の場合、転倒や衝突などの外的刺激がなくても、生活上の些細な動作で骨が押しつぶされる圧壊が起きることがあります。

<脊椎圧迫骨折が起きるタイミングの一例>

  • 勢いよく座る、尻餅をつく
  • 階段を登る、降りる
  • 重いものを持ち上げる
  • 咳をする など

脊椎圧迫骨折は続発する

治療をしなければ、1年以内に別の椎骨が骨折する確率が約4倍

脊椎圧迫骨折の注意すべき点は一度起きると続発する危険性があることです。実際に一度脊椎圧迫骨折が起きると、別の椎骨が骨折する確率が約4倍高くなるというデータもあります。

この理由として脊椎圧迫骨折が起きたことにより脊椎全体のバランスが崩れ、各椎骨への負荷のかかり方が変化したことなどが挙げられます。続発する圧壊を防ぐためにも、脊椎圧迫骨折が生じたら早期の医療的な介入が大切といわれています。脊椎圧迫骨折の治療については記事3『脊椎圧迫骨折の検査と治療方法-脊椎圧迫骨折を起こしたらどうする?』で詳しく述べています。

脊椎圧迫骨折の症状

腰を痛める

初期症状はない、折れてみないとわからない

椎骨の圧壊には骨折前に前兆として自覚できる事象がないといわれています。圧壊して初めて脊椎圧迫骨折となり、症状が現れます。圧壊後の具体的な症状としては骨が押しつぶされたことによる「痛み」が挙げられます。

脊椎圧迫骨折の痛みはどんな痛み?

脊椎圧迫骨折の痛みは、安静にじっとしているときには知覚されないことがほとんどです。しかし脊椎の一部が潰れてしまったことによって、安定していたはずのバランスが崩れてしまっているため、起き上がる、歩く、かがむなどの動作でその部分がぐらついたときに痛みを知覚します。

脊椎圧迫骨折による痛みにはかなり個人差があります。身動きができない程の痛みが生じるケースもあれば、まさか骨が折れているとは思わずに患者さんが歩いて病院までいらっしゃるケースもあります。さらに、なかには痛みがほとんどないために圧壊に気づかず、そのまま放置してしまう患者さんもいます。これはどこがどのように圧壊してしまったのかということや、個々人の痛みの感じ方に左右されます。痛みの継続期間は、患者さんによっても異なります。

脊椎の変形による弊害

脊椎はさまざまな形状に圧壊する恐れがあります。椎骨がまるごと1つなくなってしまったかのように潰れてしまうこともあれば、椎骨の1つがいびつに潰れ、くさび形に変形してしまうこともあります。それによって身長が著しく縮んでしまったり、上下の椎骨とのバランスが崩れることで、脊椎全体がぐらついてしまったりすることもあります。

正常な脊椎

くさび形に圧壊した脊椎

特に上記の図のようにくさび状に椎骨が圧壊してしまうと、上下の骨に強い負荷がかかってしまう可能性があります。これによって上下の骨が立て続けに圧壊を起こし、背中が丸まってしまうなど体に歪みが生じることがあります。

骨粗鬆症により背中が曲がる

脊椎が圧壊し、体に歪みが生じると体や心にさまざまな弊害が生じます。具体的な弊害の例としては下記のとおりです。

<体に歪みが生じることによる弊害>

  • 神経麻痺
  • 歩行障害
  • 内臓が押しつぶされることによる弊害(食欲がなくなる、便秘、肺の状態が悪くなるなど)
  • 身長が低くなるなど外見的な問題 など

「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版」によれば脊椎に限らず骨粗しょう症によって圧迫骨折を起こした患者さんは、それがない方に比べて生存率が低くなるともいわれています。そのうえ麻痺や歩行障害となると体が動けなくなることによって介護が必要になり、ご本人の苦痛に加えご家族などに負担がかかることもあります。

脊椎圧迫骨折が起こりやすい患者さんの特徴

高齢女性

骨粗しょう症に罹患しやすい女性に多い

前述の通り、脊椎圧迫骨折の原因は骨粗しょう症であることがほとんどです。そのため骨粗しょう症に罹患しやすい女性が必然的に脊椎圧迫骨折にも罹患しやすいということになります。また、骨粗しょう症は年齢が上がっていくに連れて罹患者が増えていく傾向にあるため、高齢の女性であればあるほど脊椎圧迫骨折に罹患するリスクも上昇していきます。実際、60歳代では8〜13%、70歳代では30〜40%ほどの患者さんがいるというデータもあります。

骨粗しょう症の有病率、罹患の原因などについては記事2『骨粗しょう症とは? 脊椎圧迫骨折など骨折の原因となる病気』で詳しく述べています。

 

脊椎圧迫骨折・骨粗しょう症 (大橋 洋輝 先生)の連載記事

脳神経外科の中でも、脊椎・脊髄疾患全般、特に脊髄空洞症、脊髄腫瘍、脊椎変性疾患、脊髄内視鏡治療、脊椎外傷、骨粗鬆症性圧迫骨折などの外科治療を専門としている。その他社会活動として、スポーツ現場での頭頚部外傷特に、脳振盪の対応について啓発をおこなっている。

関連記事