インタビュー

自閉症の原因―愛情不足や家庭環境は原因ではない?

自閉症の原因―愛情不足や家庭環境は原因ではない?
宮本 信也 先生

白百合女子大学 教授(副学長)

宮本 信也 先生

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この記事の最終更新は2018年02月25日です。

かつて自閉症は母親の愛情不足、家庭環境などが原因ではと考えられた時代がありました。しかし、現在では、こうした環境要因で自閉症が生じるとは考えられていません。自閉症の成因と最も関係するのは、遺伝的な要因と考えられるようになってきています。今回は引き続き、筑波大学 副学長・理事/附属学校教育局教育長の宮本信也先生に、自閉症の原因についてお話しいただきます。

自閉症は、生まれつきの脳の機能発達の歪みととらえられています。その原因については、かつては母親の愛情不足や家庭環境が原因と考えられていた時期がありました。しかし今ではそうした環境要因によって自閉症を発症することはないと考えられています。

生まれつきの脳の機能発達の歪みが起こる背景について、2018年1月現在は遺伝によるものが大きいと考えられています。

しかしそれは自閉症そのものが伝わるのではなく、自閉症含む発達障害の要因となる特性(非定型発達特性)が伝わると考えられています。

複数の非定型発達特性が、その強さもさまざまに、別々に伝わります。したがって、伝わる特性もあれば伝わらない特性もあるのです。

このように、どんな非定型発達特性がどの程度の強さで伝わるかは人それぞれに異なるため、自閉症の特徴の現れ方は人により異なってくるのです。

 

自閉症と遺伝の関係について詳しくはこちら

 

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