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不整脈の症状・種類・検査
不整脈は心臓の収縮運動が乱れることによって、脈拍の間隔や強さに異常が生じる病気です。脈の乱れに伴ってあらわれる症状に、動悸や意識消失感、冷や汗や失神といった症状があります。また、不整脈には頻脈・...
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不整脈の症状・種類・検査

公開日 2018 年 04 月 01 日 | 更新日 2018 年 05 月 14 日

不整脈の症状・種類・検査
山城 啓 先生

池上総合病院

山城 啓 先生

目次

不整脈は心臓の収縮運動が乱れることによって、脈拍の間隔や強さに異常が生じる病気です。脈の乱れに伴ってあらわれる症状に、動悸や意識消失感、冷や汗や失神といった症状があります。また、不整脈には頻脈・徐脈・期外収縮などの種類があり、それぞれをさらに細かく分類して治療方針を検討します。特に注意すべき不整脈は心室頻拍や心室細動といわれており、これらは突然死の原因となるケースもあります。

今回は不整脈の症状や種類、検査方法について池上総合病院循環器内科の山城啓先生にお話いただきました。

不整脈とは?

脈拍の間隔や強さに異常が生じる病気

不整脈は心臓の収縮運動が乱れることで、脈拍の間隔や強さに異常が生じる病気です。不整脈には刺激伝導系の機能障害による場合と、刺激伝導系以外の部位からの異常興奮、異常回路がある場合とがあります。

刺激伝導系とは?

刺激伝導系とは心臓の筋肉内に張り巡らされた電線のようなものです。電気信号を発生・伝導することによって心臓を規則正しく収縮させ、全身に血液を送り出す役目を持っています。

刺激伝達系

 

不整脈の症状

動悸、胸痛、胸の違和感など

不整脈の症状には下記のようなものが挙げられます。

<不整脈でみられる症状>

  • 動悸*
  • 胸痛
  • 胸の違和感
  • 呼吸苦
  • 意識消失感
  • 失神
  • 冷や汗
  • 倦怠感 など

不整脈に伴うこれらの症状が発現することを「発作」と呼びます。不整脈の発作が起きる回数は、患者さんによってまちまちです。終日持続して生じる患者さんもいれば、1日に数回あるいは数か月に1回など、生じる頻度の少ない患者さんもいます。また、不整脈の発作は運動によって誘発される場合もあり、その際は運動制限が必要となることもあります。

動悸については記事1『動悸とは?考えられる原因や注意すべきポイントについて 』も併せてご覧ください。

自覚症状がないこともある

健康診断で初めて不整脈を指摘される場合があり、不整脈が出現しても自覚症状を全く感じていない方もいます。また、不整脈の症状だけで重症度の判断が難しい点も不整脈の特徴です。特に持続時間が数十分以上と長い場合、冷や汗や意識消失感を伴っている場合には、緊急性が高いことがあり注意が必要です。

不整脈の種類

胸を押さえる図

今回は治療時必要となる観点を主眼に置いた分類をご説明します。

不整脈の種類は大きく3つ

不整脈には大きく分けて3つの種類があります。

<不整脈の種類>

  • 頻脈
  • 徐脈
  • 期外収縮

下記ではそれぞれの不整脈について詳しくご説明します。

脈が速くなる「頻脈」

頻脈とは、脈数が多くなり、脈拍が通常時より速くなるタイプの不整脈です。頻脈はさらに細分化すると下記のようなものが挙げられます。

<主な頻脈の種類>

  • 心房頻拍
  • 心房細動
  • 発作性上室性頻拍
  • 心室頻拍
  • 心室細動
  • WPW症候群 など

脈が遅くなる「徐脈」

徐脈は、脈数が少なくなり、脈拍が通常時より遅くなるタイプの不整脈です。細分化すると下記のようなものが挙げられます。

<主な徐脈の種類>

  • 洞不全症候群
  • 房室ブロック など

脈が飛ぶ「期外収縮」

期外収縮は、脈拍のテンポが規則的ではなくなるタイプの、いわば脈が飛んでしまうような不整脈を指します。期外収縮には大きく分けて「心房性期外収縮」と「心室性期外収縮」とがあります。

不整脈のリスク

心臓

心室頻拍・心室細動は特に注意

上記のように不整脈にはさまざまな種類があります。なかでも心室頻拍・心室細動は突然死を引き起こす恐れがあり、致死的不整脈と呼ばれ、注意が必要です。心室は全身に血液を送り出す役割を持ち、心室頻拍・心室細動は脈拍が速くなる「頻脈」の一種です。

心室頻拍

心室頻拍は、頻脈により心臓が小刻みに動いてしまうために、血液を十分に全身に届けることができなくなる病気です。心室頻拍は、その持続時間に応じて「持続性心室頻拍」と「非持続性心室頻拍」とにさらに細かく分類されます。このうち、特に注意が必要なのは「持続性心室頻拍」で、発作が30秒以上続くものを指します。

心室細動

心室細動は心室がけいれんを起こし、1分間に300回以上不規則に震えてしまうことで血液を全身に送り出せなくなる病気です。この病気はもともと心臓病を持っている方でも、そうでない健康な方でも突然起こる可能性があります。なかでも特に発症のリスクが高いのは心筋梗塞や心筋症にかかっている方です。心室細動は、その持続時間を問わず命にかかわるリスクが高く、持続してしまう心室細動も一過性の心室細動(トルサード・ド・ポワント)も同様に注意が必要です。継続してしまう心室細動の場合、直ちに電気的除細動*による治療を行う必要があります。

電気的除細動……電気ショックによる治療

意識消失や失神といった症状のみられる不整脈にも注意

上記の病気を含め、不整脈では意識消失感、失神などの症状が伴う事があります。このような不整脈は早急な治療が必要なケースもあります。

不整脈の検査方法は?

心電図

まずは問診が大切

不整脈の診断には、大きく区分すると「問診」「検査」という2つのステップがあります。まず、不整脈の診断では検査に進む前に問診を行うことが非常に大切です。なぜなら不整脈の検査は発作が起きているときだけ、その結果が現れるからです。つまり検査時に発作が起きない場合、不整脈を発見できず見落としてしまう可能性があります。

問診では発作が生じているかどうか、発作の頻度や症状の内容、度合いについて伺います。

不整脈を記録する検査

前述の通り、不整脈はその検査時に発作が起きていなければ異常をみつけられず、診断をつけることができません。外来で受診された際に行う心電図検査だけでは、検査中に発作が生じていないことも多く、一般の検査では診断できないこともしばしばあります。

そのため不整脈の検査には、長期的に心電図を記録できる装置が使用されます。その一例は下記の通りです。

<不整脈の検査に用いられる装置>

  • ホルター心電図
  • イベントレコーダー
  • ループレコーダー
  • イベント型心電図(携帯心電図) など

ホルター心電図

ホルター心電図は、装着し携帯できる小型の心電図記録装置です。この装置は24時間分の心電図を記録することができます。しかし、発作の起きる頻度が少ない場合、24時間のうちに発作が起きず、異常を認識できないケースもあります。

イベントレコーダー

イベントレコーダーは、ホルター心電図よりも長く、約2〜3週間ほど心電図を記録できる装置です。不整脈発作が起きた際、イベントボタンを押すことで記録している心電図に印(しるし)をつけることが可能です。

また、取り外しが可能な機種や、防水加工されていて自由に入浴が可能な機種もあります。

ループレコーダー

ループレコーダーは、ペースメーカーのように皮膚内に植え込む心電図装置です。本体の大きさはUSBメモリー程度で、植え込みには局所麻酔による小手術が必要です。2〜3年ほど体内に植え込んだままにし、外部機器によってデータを受信します。

患者さんの心身に負担がかかる検査であるため、原因不明の失神や脳梗塞など、重篤な症状がある方を対象に用いられます。

イベント型心電図

イベント型心電図は、携帯型心電図の1種です。携帯電話程度の大きさで、発作が起きた際に胸に当て、すぐに心電図を記録することができます。比較的入手・使用しやすく、病院で貸し出すケースもあれば、個人が市販で購入し所持するケースもあります。手軽に検査できる反面、睡眠時など本人が発作に気が付かない場合には記録できないという欠点があります。

運動負荷試験

不整脈発作は運動によって誘発される場合があります。そこで不整脈の検査として、運動負荷試験を実施することもあります。運動負荷試験とは運動の直前直後や運動中の心電図を記録し、心臓の異常を調べる試験です。この試験は狭心症などの虚血性心疾患にも用いられ、それぞれ特徴的な波形を表します。

不整脈の検査で運動負荷試験を行うのには、大きく2つの理由があります。1つは、運動によって故意に発作を誘発させ、その異常を記録するためです。もう1つの理由は、どの程度の運動で発作が起きるのかを調べるためです。これを知ることにより、日常生活でどの程度運動をしてよいのかを見極めることができます。

その他の検査方法

不整脈の検査ではその他にも下記のような検査を行うことがあります。

<その他、不整脈の検査>

  • 胸部X線
  • 血液検査
  • 心臓超音波検査(心エコー) など

最終的には入院によるカテーテル検査で診断

(写真:山城先生ご提供)

上記のような検査で不整脈の兆候がみられた場合、正確な診断と基礎心疾患の精査、治療方法を検討するために心臓カテーテル検査を行います。心臓カテーテル検査とは、血管に直径2mm程度の細い管(カテーテル)を通し、心臓内部の圧や心機能を測ったり、造影剤を用いて心臓の栄養血管である冠動脈や心臓の壁の動き、弁の逆流の評価を行ったりする検査と心臓電気生理検査があります。心臓電気生理検査とは、刺激伝導系の機能を調べ、不整脈の誘発、機序(仕組み)解明、薬効評価を行うもので、不整脈の診断と治療方針を決定します。

疑う病気によって、この心臓電気生理検査だけでなく、他のカテーテル検査を組み合わせて行うこともあります。通常は、前述の外来の検査で不整脈が捉えられなかった場合で不整脈かどうかをはっきりさせたい場合、またはある程度不整脈を捉えられていて治療が必要である可能性が高いと予想される場合に、入院してこの検査を行います。

1992年琉球大学医学部卒業。2017年より池上総合病院でカテーテルアブレーション治療に取り組む。専門分野は頻脈性不整脈に対するカテーテルアブレーション治療 心房細動に対する肺静脈隔離術。

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