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不整脈の治療方法-治療の決め手や再発などのリスクは?
不整脈は脈拍の間隔や強さが乱れることによって、さまざまな症状が生じる病気です。2018年1月現在、不整脈の治療は大きく「薬物治療」と「非薬物治療」とに分類することができます。どちらの治療方法を選...
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不整脈の治療方法-治療の決め手や再発などのリスクは?

公開日 2018 年 04 月 01 日 | 更新日 2018 年 04 月 16 日

不整脈の治療方法-治療の決め手や再発などのリスクは?
山城 啓 先生

池上総合病院 非常勤

山城 啓 先生

目次

不整脈は脈拍の間隔や強さが乱れることによって、さまざまな症状が生じる病気です。2018年1月現在、不整脈の治療は大きく「薬物治療」と「非薬物治療」とに分類することができます。どちらの治療方法を選択するかは不整脈の重症度や種類、本人の希望によって検討されます。

今回は不整脈の治療方法やそれらのリスクについて池上総合病院循環器内科の山城啓先生にご説明頂きました。

不整脈の種類

心臓

頻脈・徐脈・期外収縮

不整脈はさまざまな観点から分類する事ができます。なかでも脈拍のスピード・規則性の観点から、3つに大別することができます。

<不整脈の種類>

頻脈……脈拍が通常のテンポより速くなる不整脈

徐脈……脈拍が通常のテンポより遅くなる不整脈

期外収縮……脈拍に規則性がなくなり、脈が飛ぶ不整脈

頻脈・徐脈・期外収縮はさらに細分化することができます。詳しい分類は記事2『不整脈の症状・種類・検査』を併せてご覧ください。

不整脈の種類によって治療の方針が異なる

不整脈はその種類によって治療方針が異なります。正常の脈拍に近づけるため、頻脈の場合には脈拍を遅くする治療、徐脈の場合には脈拍を速くする治療、期外収縮の場合には脈拍のテンポを均一にする治療が必要です。また、それぞれの不整脈の種類によって、第一選択となる治療方法が異なります。

不整脈の治療方法

薬物治療とそうでないものに大別される

前述の通り、不整脈はその種類に応じて治療の方針が異なります。しかし、いずれの不整脈に対しても、治療方法を薬物治療とそうでないもの(非薬物治療)という形に分類することができます。

不整脈の薬物治療

薬

主に対症療法

不整脈の薬物治療は主に対症療法です。対症療法とは、症状を和らげることによって生活をしやすくする治療のことを指します。不整脈の薬物治療では、頻脈・徐脈・期外収縮などそれぞれの病気の特徴に合わせて刺激伝導系を刺激して脈拍を速くする薬や、電気の異常興奮や異常回路を抑えることで脈拍を遅くしたり、一定に保ったりする薬などを処方します。

カテーテルアブレーションやペースメーカーなどの非薬物治療

カテーテルアブレーション

病気を完全に治すことを目指す

不整脈は、その種類に応じて下記のような治療方法も検討されます。対症療法をめざす薬物治療に対し、これらの治療方法は薬の服用および外来への定期的な通院を継続せずにすむような状態を目指すための治療方法です。しかし場合によっては、症状を弱めるためにこれらの治療方法を用い、治療後も服薬を継続するケースがあります。

<不整脈の非薬物治療>

  • カテーテルアブレーション
  • ペースメーカー植え込み術
  • 植込み型除細動器(ICD)

カテーテルアブレーション治療

カテーテルアブレーション治療とは、心臓で異常な電気興奮が起きている箇所や異常回路を焼き切る治療です。カテーテルという細い管を血管内に挿入し不整脈の発生源まで到達させ、高周波電流を当てる事によって焼き切ります。

カテーテルアブレーション治療に関する詳しい記載は記事4『不整脈のカテーテルアブレーション治療-治療の効果やリスクは?』をご覧ください。

ペースメーカー植え込み術

ペースメーカーとは、必要に応じた脈拍数を維持するために体内に植え込む装置です。この装置は洞不全症候群や房室ブロックといった、脈拍が遅くなる「徐脈」の治療に用いられます。

ペースメーカー植え込み術は基本的には局所麻酔にて行われ、数日間の入院を要します。場合によっては開胸手術で行われる場合もあります。

植込み型除細動器(ICD)

植込み型除細動器(ICD)とは、不整脈が起きた際に自動で電気刺激や電気ショックを作動することで不整脈を停止させ、脈拍のテンポを安定させる役目を持ちます。こちらもペースメーカーのように体内に植え込む装置です。植込み型除細動器(ICD)は心室頻拍や心室細動など、命にかかわるような「頻脈(脈拍が速くなる不整脈)」の治療に用いられます。

植込み型除細動器(ICD)もペースメーカー同様、数日間の入院が必要となり、全身麻酔下、あるいは局所麻酔下で手術が行われます。

不整脈、治療の流れ

先生

問診・検査による診断

前述の通り、不整脈と一言にいってもさまざまな種類があり、その種類によって第一選択となる治療方法が異なります。そのため問診・検査を行い、適切な診断を行うことが大切です。問診・検査に関しては記事1『動悸とは?考えられる原因や注意すべきポイントについて 』記事2『不整脈の症状・種類・検査』も併せてご覧ください。

治療の目的によっても選択が異なる

不整脈は重症度や不整脈の種類、患者さんの希望によって治療方法を決定します。たとえば、生活や命に関わるような重篤な症状をもつ患者さんの場合、医師は積極的な治療を勧めます。その一方で、症状が軽度で、本人が問題視していなかったりする場合や合併症リスクが低い場合には、一旦は経過観察として治療を行わずに見守ることもあります。

また、不整脈以外に別の病気にもかかっている患者さんの場合、その症状や治療、併用薬を考慮した治療方針を検討する必要があります。

不整脈の再発

ストレス・不摂生

不整脈は治療をしても再発してしまうケースがあります。ここでは薬物治療と、非薬物治療を代表してカテーテルアブレーション治療後の再発についてご説明します。

薬物治療の場合-再発抑制困難な場合がある

不整脈の薬物治療は対症療法であり、服用をやめてしまえば症状が再発してしまいます。また、服用を継続している場合でも、下記のような環境因子によって症状を抑制できなくなることがあります。

<不整脈を誘発させる主な環境因子>

  • 飲食物(特に飲酒)
  • 運動
  • 過度なストレス            
  • 喫煙
  • 睡眠時無呼吸
  • 睡眠不足
  • 高血圧          
  • 糖尿病
  • 肥満 など

カテーテルアブレーション治療の場合-根治の難しい不整脈もある

カテーテルアブレーション治療をはじめとする非薬物治療は、基本的には根治治療を目的としています。しかし、不整脈の種類や重症度によってはカテーテルアブレーション治療をもってしても根治が難しく、再治療や薬物治療が必要となるケースがあります。カテーテルアブレーション治療後の不整脈の再発については記事4『不整脈のカテーテルアブレーション治療-治療の効果やリスクは?』も併せてご覧ください。

治療で起こりうるリスク

薬物治療の場合

薬物治療を選択する場合、治療には下記のようなリスクが伴います。

<薬物治療のリスク>

  • 薬物アレルギー
  • 薬の服用による腎臓・肝臓への影響(機能低下をきたす可能性)
  • ほかの心疾患への影響
  • ほかの薬剤への影響(作用が増強されたり、減弱されたりすること)

薬剤へのアレルギーを起こすリスクも考えられる

その他の薬剤同様、不整脈の治療薬も体質によってアレルギー反応を起こしてしまう方がいます。そのような患者さんには別の薬剤の検討や、その他の治療方法の検討を行います。

薬の服用によって腎臓や肝臓が悪くなる人もいる

また不整脈の治療薬を服用することで臓器に障害が生じる方もいます。不整脈の治療薬の場合、心臓や肝臓、腎臓などに影響を及ぼす事があります。

薬がほかの心疾患へ影響をおよぼすこともある

不整脈の薬は心臓全体の機能をコントロールするものもあります。そのため不整脈以外にも心疾患を持っている方や、もともと心臓の弱い方が服用すると、心臓の機能が低下し、心不全を起こしてしまうことがあります。

不整脈の薬がほかの薬に影響をあたえることもある

不整脈の薬は他の疾患の治療薬と相互作用を起こすことがあります。たとえば血栓予防などに用いられる抗凝固薬のなかには、不整脈の薬と併せて飲むことで効果が増大し、出血傾向が高まってしまう薬剤もあります。

定期的な血液検査が重要

薬物治療には上記のようなさまざまなリスクが考えられます。そのため、服用中は定期的に血液検査を行い、数値を確認しながら医師と相談して服用量を調整することが大切です。

アブレーションの場合

カテーテルアブレーション治療の場合、下記のようなリスクが考えられます。

<カテーテルアブレーション治療で考えられる主なリスク>

  • 出血
  • 心タンポナーデ*
  • 刺激伝導系の影響
  • 治療時の薬剤管理(抗凝固薬・造影剤・鎮静剤) など

心タンポナーデ……心膜腔に液体がたまることによって心臓が圧迫されてしまい、心臓の拡張が不十分になり血圧が下がる状態

カテーテルアブレーション治療の概要、リスクに関しては次の記事で詳しく述べています。引き続き記事4『不整脈のカテーテルアブレーション治療―治療の効果やリスクは?』も併せてご覧ください。

1992年琉球大学医学部卒業。2017年より池上総合病院でカテーテルアブレーション治療に取り組む。専門分野は頻脈性不整脈に対するカテーテルアブレーション治療 心房細動に対する肺静脈隔離術。

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