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膀胱がんとは?一度でも血尿がみられたら要注意
膀胱がんとは、膀胱の尿路上皮に発生するがんの総称です。記事1『血尿は膀胱がんの初期症状?病気のサインを見逃さないために』でお話ししたような血尿は、膀胱がんの初期症状の可能性があります。膀胱がんと...
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膀胱がんとは?一度でも血尿がみられたら要注意

公開日 2018 年 05 月 09 日 | 更新日 2018 年 05 月 09 日

膀胱がんとは?一度でも血尿がみられたら要注意
加藤 伸樹 先生

九段坂病院 泌尿器科 部長

加藤 伸樹 先生

目次

膀胱がんとは、膀胱の尿路上皮に発生するがんの総称です。記事1『血尿は膀胱がんの初期症状?病気のサインを見逃さないために』でお話ししたような血尿は、膀胱がんの初期症状の可能性があります。膀胱がんとは一体どのような病気なのでしょうか。本記事では膀胱がんの概要について、九段坂病院 泌尿器科部長の加藤伸樹先生にお話しいただきました。

膀胱がんとは

膀胱内の組織に発生するがん

膀胱は尿を一時的にためておくための袋状の器官で、膀胱がんとは膀胱内の組織に発生するがんです。膀胱がんのほとんどが尿路上皮がんですが、まれに扁平上皮がん(扁平上皮と呼ばれる粘膜組織から発生するがん)、腺がん(腺組織と呼ばれる上皮組織から発生するがん)もみられます。

膀胱の構造

膀胱がんの患者さんの性別や年齢

膀胱がんの患者さんの男女比は約4:1で、患者さんは男性のほうが多いです。

また、患者さんの年齢としては、比較的高齢の方に発症することがわかっています。

膀胱がんの種類–3つに分類される

膀胱がんは浸潤度(しんじゅんど:がんの根っこの深さ)に応じて、「筋層非浸潤性膀胱がん」、「浸潤性膀胱がん」、「上皮内がん」の大きく3つに分類されます。

がんの浸潤は、がんのステージ(病期)や治療方針の決定にかかわっているため、検査によって正確に把握することが重要です。

膀胱がんの種類

筋層非浸潤性膀胱がん

筋層非浸潤性膀胱がんとは、膀胱の筋肉層に腫瘍が広がっていない、膀胱表面の粘膜、粘膜下層にとどまっているがんです。カリフラワーのように表面がぶつぶつと隆起し、膀胱の内腔に突出しています。表在性膀胱がんは一般的に膀胱鏡(膀胱用の内視鏡)を使った経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)によって治療します。

浸潤性膀胱がん

膀胱の筋肉層あるいは、さらに深くまで広がっているがんを浸潤性膀胱がんといいます。浸潤性膀胱がんは膀胱外の組織へ広がったり、リンパ節や骨、他の臓器へと転移したりする危険性があります。膀胱鏡での完治は難しく、一般的に膀胱全摘除術という膀胱を摘出する方法によって治療を行います。

上皮内がん

腫瘍が膀胱の表面に隆起せず、粘膜だけにがん細胞がばらまかれた状態のがんを上皮内がんといいます。上皮内がんは比較的悪性度が高いのですが、腫瘍が隆起しないという特徴から診断が難しいケースもあります。

膀胱がんの原因

膀胱がんの原因として代表的なものが喫煙です。喫煙者は非喫煙者に比較して、2〜5倍ほど発症のリスクが高まるといわれています。(膀胱癌診療ガイドライン2015年版より)

その他にも膀胱がんの危険因子には以下があります。

  • 有機溶媒として使用される芳香族アミンの曝露
  • 石炭など煤(すす)の曝露
  • 子宮がんや前立腺がんなど膀胱周囲の腫瘍に対する放射線療法
  • ビルハルツ住血吸虫などによる膀胱感染症の病歴

喫煙している人

膀胱がんの症状

膀胱がんの代表的な症状として無症候性肉眼的血尿が挙げられます。

無症候性肉眼的血尿とは、他には何も病的な症状がないにもかかわらず、肉眼で見てわかる血尿が認められる状態を指します。さらに進行すると、頻尿や排尿時痛、尿が出なくなるなどの症状があらわれます。

膀胱がんの症状について、詳しくは記事3『膀胱がんの症状とは?初期症状から進行した場合の症状まで』をご覧ください。

膀胱がんの検査

膀胱がんが疑われる場合に行われる検査には以下があります。

  • 超音波検査(エコー検査)…膀胱に尿がたまっている状態で膀胱や腎臓に超音波を当てて観察します。
  • 尿検査…尿に含まれる成分を調べます。
  • 尿細胞診検査…尿を調べて悪性細胞の有無を確認します。
  • 膀胱鏡検査…膀胱の内部を観察・治療する「膀胱鏡」という医療器具を尿道口から挿入し、膀胱内や尿道を肉眼で観察します。
  • CT検査…腎盂、尿管にも腫瘍がないかどうか、他に転移がないかどうか調べるために行います。
  • MRI検査…浸潤(がんが深く入りこんでいること)が疑われる場合、広がりを調べるために行います。

これらの検査によって、膀胱がんの診断をつけるだけではなく、治療方針を決める際に重要となるステージ(病期)を把握します。

膀胱がんの検査については記事4『膀胱がんの検査について』で詳しくお話ししています。

膀胱がんの治療

膀胱がんの治療は、ステージ(病期)をもとに決定されます。

膀胱がんの治療

経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)

経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)とは、膀胱鏡という膀胱用の内視鏡(体の内部を観察・治療する医療器具)を使って行う手術です。おもに非浸潤性膀胱がんに対して行われる治療で、先端にワイヤーループのついた内視鏡を尿道に挿入し、高圧電流によって腫瘍を削り取ります。治療の合併症(ある病気や、手術や検査が原因となって起こる別の症状)として、出血や尿路感染、膀胱穿孔(ぼうこうせんこう:膀胱に穴が開くこと)がありますが、適切な処置が行われれば命にかかわることはありません。

経尿道的膀胱腫瘍切除術

膀胱全摘除術

膀胱全摘除術とは、腫瘍と同時に膀胱を摘出する手術です。膀胱には一時的に尿をためる機能がありますが、膀胱を摘出するとその機能を失ってしまうため、尿路変向を行い、尿の新しい出口をつくる必要があります。

腫瘍の位置や状態によっては、男性では膀胱と前立腺だけでなく、尿道を摘出することもあります。また、女性では子宮を摘出することがあります。

患者さんのQOL(生活の質)に影響する手術であるといえます。

化学療法(抗がん剤治療)

化学療法とは、抗がん剤を用いてがん細胞を死滅させたり、がん細胞の増殖を停止させたりする治療です。膀胱がんの治療では、手術や放射線療法と組み合わせて補助的に行われます。

放射線療法

放射線療法は、放射線を当ててがん細胞を攻撃する治療です。一般的に化学療法と併用して行います。がんが骨に転移している場合には、痛みを取り除く目的で放射線療法が行われることがあります。

この他に膀胱がんの治療では、再発を防ぐ目的で、手術後に経過をみながら抗がん剤やBCG(ウシの結核菌生ワクチン)を膀胱内に注入する「膀胱内注入療法」が行われることもあります。詳しくは記事5『膀胱がんの治療-手術から膀胱内注入療法まで』をご覧ください。

九段坂病院 泌尿器科 部長。
膀胱癌をはじめ、前立腺癌や腎癌などの悪性腫瘍の治療に精力的に取り組む。

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