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膀胱がんの検査について
記事3『膀胱がんの症状とは?初期症状から進行した場合の症状まで』でもお話ししたように、痛みはないものの肉眼で見てわかる血尿がみられる場合には、膀胱がんが疑われます。膀胱がんの診断は、どのような検...
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膀胱がんの検査について

公開日 2018 年 05 月 09 日 | 更新日 2018 年 05 月 09 日

膀胱がんの検査について
加藤 伸樹 先生

九段坂病院 泌尿器科 部長

加藤 伸樹 先生

目次

記事3『膀胱がんの症状とは?初期症状から進行した場合の症状まで』でもお話ししたように、痛みはないものの肉眼で見てわかる血尿がみられる場合には、膀胱がんが疑われます。

膀胱がんの診断は、どのような検査によって行われるのでしょうか。引き続き九段坂病院 泌尿器科部長の加藤伸樹先生にお話を伺いました。

膀胱がんの検査の種類と適応について

膀胱がんが疑われる場合、以下の検査を行います。

  • 超音波検査(エコー検査)
  • 尿検査
  • 尿細胞診検査
  • 膀胱鏡検査
  • CT検査
  • MRI検査

膀胱がんの検査内容

超音波検査(エコー検査)

血尿の症状がみられた場合、膀胱がんだけでなく、腎臓がん、腎盂・尿管がん、前立腺がんなどのがんを疑い、まず超音波検査を行います。超音波検査では、尿がたまっている状態で膀胱や腎臓に超音波を当て、臓器を観察します。

尿検査

尿検査では、糖分や蛋白、赤血球、白血球など、尿に含まれる成分を調べます。尿にみられる成分によって、さまざまな病気の可能性を疑います。

尿細胞診検査

尿細胞診検査とは、尿の細胞を調べて悪性細胞の有無を確認する検査です。尿細胞診検査の結果は、一般的に5段階に分類されます。

  • ClassⅠ,Ⅱ…陰性。悪性所見がなく、がんの可能性は低い
  • Class Ⅲ  …疑陽性。悪性の疑いがある
  • ClassⅣ,Ⅴ…陽性。がんが強く疑われる

尿細胞診検査の結果、悪性所見がない場合でも膀胱がんの可能性がまったくないわけではありません。その他の検査の結果を組み合わせて総合的に診断を行います。

膀胱鏡検査

膀胱鏡とは、膀胱の内部を観察・治療する医療器具です。膀胱鏡検査では、尿道口から膀胱鏡を挿入してモニター上で実際に膀胱内や尿道を観察し、炎症や腫瘍の有無を確認します。画像診断ではみつけにくい病変(病気による変化が起きている場所)を肉眼で確認できることもあり、膀胱がんが疑われる場合には重要な検査となります。

さらに膀胱鏡検査では、膀胱鏡で組織を採取し、生検(患部の一部を取って、顕微鏡などで調べる検査)が行われることもあります。

CT検査

膀胱がんが診断され、さらに転移の有無、腎盂、尿管といった膀胱粘膜と同じ組織がある部位に腫瘍がないかどうか調べるために行います。

MRI

MRI検査

膀胱がんが診断され、さらに浸潤(がんが深く入りこんでいること)が疑われる場合には、磁気を使って体の断面を写すMRI検査を追加で行います。

MRI検査は、術前に膀胱がんの広がりを調べる方法としては最適ですが、最終的には手術時に正確な浸潤の確認を行います。

膀胱がんの検査でわかること

がんの種類やステージ(病期)がわかる

前述した検査によって、膀胱がんの種類やステージ(病期)がわかります。

膀胱がんのステージは、3つの指標により決定されます。

<TNM分類>

  • T因子…がんの広がり
  • N因子…リンパ節転移の有無
  • M因子…ほかの臓器への転移の有無

膀胱がんの治療はステージをもとに、患者さんと相談しながら決定していきます。

治療については、記事5『膀胱がんの治療-手術から膀胱内注入療法まで』をご覧ください。

診断が難しいケースもある

膀胱がんのなかで比較的まれである上皮内がんは、腫瘍が隆起しないため診断が難しいケースがあります。

上皮内がんはMRI検査やCT検査ではなかなか見つけることができず、膀胱鏡検査を行ってはじめて、膀胱上皮に赤みがあるなどの気になる所見が確認されることもあります。このような場合には、尿細胞診検査の結果で悪性細胞がみられれば診断を確定しますが、診断が難しい場合は時間をおいて再び膀胱鏡検査を行います。つまり膀胱がんが疑われても、診断がつくまでに時間がかかる場合があるということです。

早期診断・治療のために

膀胱鏡(膀胱用の内視鏡)

膀胱鏡検査に用いる膀胱鏡(膀胱用の内視鏡)は改良が進んでいます。現在(2018年時点)膀胱鏡検査では、胃カメラと同じような軟性のファイバースコープを使って行うため、従来に比べると苦痛は軽減され、負担は小さくなりました。まだまだ膀胱鏡検査に抵抗がある方もいらっしゃるかもしれませんが、あまり恐れずに検査を受けていただきたいです。

記事5『膀胱がんの治療-手術から膀胱内注入療法まで』では、治療について紹介します。膀胱がんは発見が遅れてしまうと、膀胱を全て摘除する手術を行わなければならない可能性があり、やはり早期診断・治療にこしたことはないといえます。繰り返しになりますが、一度でも血尿がみられた場合には泌尿器科で検査を受けていただくことが大切です。

九段坂病院 泌尿器科 部長。
膀胱癌をはじめ、前立腺癌や腎癌などの悪性腫瘍の治療に精力的に取り組む。

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