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脊髄腫瘍とは? 分類や症状について詳しく解説
脊髄や神経根、硬膜などから発生する腫瘍を脊髄腫瘍といいます。脊髄腫瘍には、腫瘍の発生部位により、硬膜内髄外腫瘍、髄内腫瘍、硬膜外腫瘍の3種類があり、それぞれ腫瘍の発生する場所が異なります。そして...
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脊髄腫瘍とは? 分類や症状について詳しく解説

公開日 2018 年 05 月 24 日 | 更新日 2018 年 05 月 25 日

脊髄腫瘍とは? 分類や症状について詳しく解説
飛騨 一利 先生

札幌麻生脳神経外科病院 病院長

飛騨 一利 先生

目次

脊髄や神経根、硬膜などから発生する腫瘍を脊髄腫瘍といいます。脊髄腫瘍には、腫瘍の発生部位により、硬膜内髄外腫瘍、髄内腫瘍、硬膜外腫瘍の3種類があり、それぞれ腫瘍の発生する場所が異なります。そして、腫瘍が脊髄を圧迫することによって、痛みや痺れ、麻痺、感覚障害、運動障害といった症状を伴います。

今回は記事1『脊髄とは? 脊髄に発生する代表的な病気や、脊椎との違いについて』に引き続き、札幌麻生脳神経外科病院院長の飛騨一利先生に、脊髄腫瘍の種類や症状について詳しくお話いただきました。

脊髄腫瘍とはどのような病気?

脊髄腫瘍とは、脊髄や脊髄から伸びている神経の根源(神経根)、脳脊髄を包む硬膜、その周辺の脊椎などから腫瘍が発生する病気です。日本脳神経外科学会によると、2018年現在脊髄腫瘍を発性する頻度は、年間10万人に1人から2人といわれています。

脊髄腫瘍
脊髄から伸びる神経根と硬膜

脊髄腫瘍の分類

脊髄腫瘍は、腫瘍が発生する部位によって、大きく硬膜内髄外腫瘍、髄内腫瘍、硬膜外腫瘍の3種類に分類されています。

硬膜内髄外腫瘍

脊椎腫瘍

硬膜内髄外腫瘍とは、上の図のように硬膜と脊髄の間に腫瘍ができる脊髄腫瘍です。硬膜 の内側にでき、脊髄を外側から圧迫します。脊髄腫瘍のなかではもっとも患者数が多い種類のものです。そして硬膜内髄外腫瘍には、神経線維腫や髄膜腫、類皮腫といった種類があり、なかでも神経鞘腫という神経そのものから腫瘍が発生する種類の患者数がもっとも多く、次に髄膜腫が続きます。

髄内腫瘍

脊椎腫瘍 2

髄内腫瘍とは、脊髄のなかで腫瘍が発生する脊髄腫瘍です。髄内腫瘍のなかにはいろいろな種類があり、主なものは上衣腫と星細胞腫、血管芽腫、海綿状血管腫の4つがとりわけおいといえます。

上衣腫は脊髄の中心から発生しており、腫瘍の上下にのう胞(分泌物が袋状に溜まったもの)を伴い、腫瘍と脊髄の境界が明瞭な腫瘍です。

上衣腫
上衣腫(提供:飛騨先生)

一方 星細胞腫は 脊髄の白質から発生し、腫瘍と脊髄の境界は不明瞭で、外科治療で腫瘍を全摘出すること難しい腫瘍です。星細胞腫は悪性度により予後が大きく異なりますが、悪性度の高いものでは 手術の後に放射線などの後療法が必要となります。

上衣腫の次に患者数の多い星細胞腫(提供:飛騨先生)
上衣腫の次に患者数の多い星細胞腫(提供:飛騨先生)

他には、血管芽腫、海綿状血管腫、髄内神経鞘腫、転移性腫瘍、髄内脂肪腫などの種類があります。成人の場合は、上衣腫、星細胞腫、血管芽種の順に発症する患者数が多くなっています。

3番目に数の多い血管芽腫)  (提供:飛騨先生)
3番目に数の多い血管芽腫(提供:飛騨先生)

海綿状血管腫は、脊髄内の出血(髄内出血)で発症することが多く、頸部痛、背部痛、その後に伴う 手足の運動麻痺、知覚障害などがみられます。

海綿状血管腫のMRI画像)  (提供:飛騨先生)
海綿状血管腫のMRI画像(提供:飛騨先生)

硬膜外腫瘍

硬膜外腫瘍

硬膜外腫瘍とは、硬膜の外側に腫瘍ができる脊髄腫瘍です。この腫瘍は、硬膜の外側から脊髄を圧迫します。硬膜外腫瘍には、肉腫、骨髄腫、脊索腫などの種類があり、もっとも発症頻度が高いものは転移性腫瘍です。転移性腫瘍とは、体の他の部分に発生したがんが脊椎に転移したものであり悪性です。背骨の強い痛みから病院に行き、原発巣(転移の元になったがん)よりも先に転移巣である硬膜外腫瘍が発見されることもあります。脊椎に転移しやすいがんとしては、消化器がん、乳がん、前立腺がん、肺がんなどがあります。

脊髄腫瘍の原因

骨髄腫瘍の原因は、まだ明らかにされていません。なお、生活習慣などの環境要因もわかっていません。しかし、一部の骨髄腫瘍は遺伝子が関係しているといわれています。

脊髄腫瘍を発症する患者さんの特徴

脊髄腫瘍の患者さんの多くは中高年の方です。しかし、一部の遺伝子が関係しているとされる脊髄腫瘍の患者さんのなかには、若年で発症する方もいます。

脊髄腫瘍の症状

腰痛を抱えている中高年の女性

脊髄腫瘍は腫瘍が脊髄を圧迫することによって、背中、首の痛みや、手足の痺れや脱力、麻痺といった症状が現れます。進行すると歩行障害や排尿、排便障害が起こることもあります。また、腫瘍が脊髄のどの部分に発生したかにより、手と足の両方の痺れがでるのか、足だけに痺れがでるのかなどが変わってきます。

多くの脊髄腫瘍の患者さんは痛みを訴えますが、必ずしも背中や首の痛みが発生するわけではありません。一般的に時間をかけてゆっくりと大きくなっていく脊髄腫瘍は痛みが少ない傾向にあります。一方、急激に大きくなる脊髄腫瘍は痛みが強くでるという傾向があります。また一般的に、どの種類の脊髄腫瘍でも発生する症状は同じとされています。なお、脊髄に発生する病気の症状は共通してるものが多く、脊髄腫瘍ならではの特別な症状というものはありません。

(脊髄に発生する骨髄腫瘍と似ている病気について詳しくは、記事3『脊髄腫瘍の検査と診断 MRIやCTの撮影が重要』をご参照ください)

1か月以上痛み、しびれなどの症状が続くときは脳神経外科へ

先生

腰や首、背中の痛みを感じたとき、最初から脳神経外科を受診する患者さんは少数です。多くの患者さんは整形外科を訪れます。また、症状が軽い場合は、鍼灸(しんきゅう)やマッサージのお店に行く患者さんも少なくありません。しかし、1か月以上腰痛などの痛みが続く場合は、脊髄腫瘍である可能性もあります。MRI*やCT*などの検査を受ける必要があるため、脳神経外科を受診してください。

MRI…磁気を使い、体の断面を写す検査

CT…エックス線を使って身体の断面を撮影する検査

記事3『脊髄腫瘍の検査と診断 MRIやCTの撮影が重要』では、脊髄腫瘍を診断するためにはどのような検査を行うのかを詳しく解説します。

1981年に北海道大学医学部医学科医学専門課程卒業後、北海道大学医学部附属病院医員として脳神経外科において脳神経外科学についての研究に従事する。1988年からはカリフォルニア大学デイビス校へ客員研究員として留学し、生体NMRスペクトロスコピーの研究に打ち込んだ。帰国後、北海道大学医学部研究生として北大脳神経外科教室にて脊髄・脊椎疾患についての研究に取り組んだのち、1991年に北海道大学医学部附属病院助手、2000年に北海道大学医学部講師をつとめ、助教授、准教授、診療教授を経て、2013年からは札幌麻生脳神経外科病院の病院長に就任した。

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