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顔にできる帯状疱疹の原因〜治療方法や跡が残る可能性とは〜

顔にできる帯状疱疹の原因〜治療方法や跡が残る可能性とは〜
川村 龍吉 先生

山梨大学医学部皮膚科学講座 教授

川村 龍吉 先生

目次
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帯状疱疹は、神経に潜んでいた帯状疱疹の原因となる水痘・帯状疱疹ウイルスが疲労やストレスなどによって免疫力が低下したときに再び活性化することで引き起こされる病気です。症状は主に上半身に見られ、体幹や顔面の皮膚にピリピリした痛みを感じたり、帯状の水疱が現れたりします。

この記事では、顔にできた帯状疱疹の原因や症状、治療法についてお伝えします。

帯状疱疹は、神経節に長く潜伏した水痘・帯状疱疹ウイルスが活性化することで起こる病気です。ウイルスが顔の神経に潜んでいる場合は顔にも帯状疱疹ができます。

顔にできる帯状疱疹の中でも、目の周りやまぶたに現れたものを眼部帯状疱疹といいます。まぶたや眼球を支配する三叉神経(さんさしんけい)に潜んでいたウイルスが、加齢や免疫力の低下をきっかけに再び活動を始めることで発症します。場合によっては視覚にまで影響が及ぶことがあります。

顔の皮膚に発疹などの変化が現れる数日前から、その辺り一帯にピリピリとした痛みやかゆみを感じるようになります。

表面が少し盛り上がったような赤い発疹が顔に現れ、次第に水ぶくれとなって数が増えながら広がっていき、6~8日で水ぶくれが破れてただれた状態になり、約2週間でかさぶたになります。

同じウイルスが原因で起こる水痘は37~38℃くらいの発熱を伴うことも多いですが、顔の帯状疱疹でも軽度の発熱が見られることがあります。

赤い発疹が現れると同時にリンパ節の腫れが見られる場合があります。

顔に帯状疱疹ができると、頭痛や顔に痛みを引き起こすことがあります。

水痘・帯状疱疹ウイルスによって耳につながる顔面神経が侵されると“ラムゼイ・ハント症候群”と呼ばれる病気を引き起こすことがあります。

ラムゼイ・ハント症候群では、顔面麻痺や聴覚障害といった症状が現れることがあります。

顔にできた帯状疱疹の治療方法は、抗ウイルス薬を使った薬物治療が基本になります。抗ウイルス薬がウイルスの増殖を抑えることによって、皮膚にできた赤い発疹や水ぶくれ、痛みなどの症状を和らげることができます。

発症後数週間して発疹が治った後も痛みが続くことがあり、帯状疱疹後神経痛と呼ばれます。この神経痛には、まず神経の痛みを和らげる薬による治療が行われますが、十分な効果が得られない場合、頚部の交感神経が集まっている部分にブロック注射を打つ“星状神経節ブロック”が有効とされています。

皮疹が現れてから24時間以内に抗ウイルス薬を投与することが望ましいとされています。

抗ウイルス薬を1週間ほど投与し、そのあとは回復まで安静に過ごします。個人差はありますが、およそ2~3週間くらいで症状が治まります。重度の場合は入院して抗ウイルス薬の点滴注射を行うこともあります。

顔にできた帯状疱疹は、早期に適切な治療が行われれば徐々に皮膚の症状はよくなっていきます。しかし、治療が遅れたり、症状が重かったりする場合には皮膚に跡が残ってしまうことがあります。

また、かゆいからといってかきすぎてしまうと、水ぶくれが破れて細菌に感染し傷あとが残るリスクが高まる恐れがあるため、患部に触らないようにしましょう。

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