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神経内分泌がん(NEC)の検査 画像検査と病理検査を行う
神経内分泌腫瘍(NET)のG3にあたる神経内分泌がん(NEC)の検査では、画像検査と病理検査が実施されます。今回は横浜市立大学附属病院の市川靖史先生と小林規俊先生に、NECの検査の種類やNETの...
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神経内分泌がん(NEC)の検査 画像検査と病理検査を行う

公開日 2018 年 08 月 06 日 | 更新日 2018 年 08 月 06 日

神経内分泌がん(NEC)の検査 画像検査と病理検査を行う
市川 靖史 先生

横浜市立大学大学院医学研究科がん総合医科学主任教授 横浜市立大学附属病院臨床腫瘍科・乳腺外科 部長

市川 靖史 先生

小林 規俊 先生

公立大学法人 横浜市立大学 がん総合医科学 横浜市立大学附属病院 臨床腫瘍科 講師

小林 規俊 先生

目次

神経内分泌腫瘍(NET)のG3にあたる神経内分泌がん(NEC)の検査では、画像検査と病理検査が実施されます。

今回は横浜市立大学附属病院の市川靖史先生と小林規俊先生に、NECの検査の種類やNETの検査との違いについて、お話しを伺いました。

神経内分泌がん(NEC)の検査の種類

顕微鏡

神経内分泌がんの検査は、通常のがんの検査と同様に画像検査と病理検査を実施します。病理検査とは、患者さんの組織を採取して顕微鏡などで観察する検査です。

画像検査

NECの画像検査では、腫瘍の広がりを確認するために実施します。また、血流の多さなどの見た目からNETのG1、G2なのかNECなのかを鑑別します。腫瘍が発生した臓器に応じて、造影CT検査*や*MRI検査、PET検査などを行います。

造影CT検査…造影剤を静脈から注入した後、エックス線を使って身体の断面図を撮影する検査

MRI検査…磁気を使い、体の断面を写す検査

病理検査

NECの病理検査では核分裂像とKi-67指数が重要であり、この2つを調べ、NETのG1、G2なのかNECなのかを鑑別します。

Ki-67とは、核に存在するタンパク質のことです。Ki-67指数<2%のものがNETの G1、3-20%がNETの G2、>20%がNECと区別されています。また、核分裂像では、がん細胞がどれだけ核分裂を起こしているかを調べます。核分裂を起こしている細胞が多いほど、悪性度が高いと判断されます。具体的な数値は、Ki-67指数と同様に、<2個のものが、NET のG1、3-20個がNETの G2、>20個がNECと区別されています。

神経内分泌がん(NEC)と神経内分泌腫瘍(NET)の検査の違い

NETのG1、G2に有効な検査とNECに有効な検査は異なります。たとえば、NETのG1、G2の検査で有効とされるソマトスタチン受容体シンチグラフィー*は、NECに対しては推奨されていません。

ソマトスタチン受容体シンチグラフィー…ソマトスタチンというホルモンの受容体と結合し、受容体の分布を画像化する検査

(NETのG1、G2についての詳しい検査方法は、記事『増加傾向にある神経内分泌腫瘍(NET)とは。膵臓だけではなく全身の臓器に発生する希少疾患』をご参照ください)

今までNECは、NETのグレードG1、G2、G3のなかのG3であり、NETの延長線上として考えられてきました。しかし、原因遺伝子の変異や症状が違うことなどから、検査方法や治療方法が異なります。NETのG1、G2とNECは違うという認識を、医療従事者・患者さん共に持つ必要があります。

(NECの症状について詳しくは、記事1『神経内分泌がん(NEC)の原因と症状について』をご参照ください)

膵臓の神経内分泌腫瘍(NET)と神経内分泌がん(NEC)の分類の変更

膵臓のNETのG1、G2とNECは、2017年にWHO分類の変更を発表し、NETのG1、G2、G3(NEC)という分類から、NETのG1、G2、G3と、NECのG3という分類に変わりました。それに伴い膵臓以外の消化管は、従来通り、NETのG1、G2、NECのG3という分類です。

「膵・消化管神経内分泌腫瘍(NET)診療ガイドライン」は2018年7月現在、改定作業が行われており、膵臓に関しての病理分類の変更は盛り込まれる予定です。  

NET分類2010
膵がんのNET、NECの分類2010年版(提供:小林先生) 
NET分類2017
膵がんのNET、NECの分類2017年版(提供:小林先生)

膵臓のNETのG3は、Ki67指数と核分裂像数は>20であるということから、NECと判断されてきました。しかし、形態や臨床的にNETに近いということから、この分類へと変更されたのです。

神経内分泌がん(NEC)の治療は臨床試験を組まないで保険適応になる可能性も

NECは患者数の少ないまれな病気です。そのため、新しい治療法の臨床試験*が組みにくいという問題があります。しかし、最近では一部の治療法において、現在あるデータや海外のデータを組み合わせて、臨床試験を組まずに保険適応にできないかという動きも進んでいます。

臨床試験…新しい薬や治療法を開発するために、人で効果や安全性を調べる試験

神経内分泌腫瘍(NET)と神経内分泌がん(NEC)は注目されている病気

小林先生

NET・NECは、WHOが毎年新しい基準を作るほど注目されている病気といえます。NETのG1、G2の治療法は固まり始めており、NECについても専門に扱っている施設などでさまざまことがわかり始めています。新しい治療法などを知りたい場合は、ぜひNECの専門家に相談してみてください。

(NETのG1、G2の詳しい治療法については、記事『欧米で実績のある神経内分泌腫瘍(NET)の新しい治療―ペプチド受容体放射性核種療法(PRRT)とは』をご参照ください)

(NECの詳しい治療法については、記事1『神経内分泌がん(NEC)の原因と症状について』をご参照ください)
 

神経内分泌腫瘍(NET) (市川靖史先生・小林規俊先生)の連載記事

北海道大学医学部を卒業後、沖縄県立中部病院を経て現在は横浜市立大学がん総合医科学講座で主任教授を務める。乳がん、消化器がんなど悪性腫瘍の薬物療法を中心としたがん治療全般を専門とする。治験や臨床研究に企画・立案から取り組むとともに、がん治療のもうひとつの柱である緩和医療の充実にも力を注いでいる。

膵臓がん、神経内分泌腫瘍、膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)、胆道がんの診断と治療を中心に、臨床・研究を行っている。特に神経内分泌腫瘍では、先進的な診断、治療を行っている。