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【医師監修】授乳中にインフルエンザにかかった場合の対処方法や注意点

【医師監修】授乳中にインフルエンザにかかった場合の対処方法や注意点
メディカルノート編集部 [医師監修]

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授乳中の女性は、赤ちゃんのお世話に大忙しで、睡眠時間も十分に取れないことがあります。そのようなときに、風邪を引いたり、体調を崩してしまうと、とてもつらいですね。もし、インフルエンザにかかって高熱が出た場合、このまま授乳を続けてよいのか、母乳にウイルスが入ってしまうのではないかなどと不安になるでしょう。

本記事では、授乳中の女性がインフルエンザにかかったときに受診すべき診療科や、使用してよいインフルエンザの薬について説明します。

授乳中はインフルエンザにかかりやすいといった報告はありませんが、毎日赤ちゃんのお世話が最優先で、睡眠不足や栄養不足に陥っているときには、体の免疫力が落ちていることも多く、感染症にかかりやすいと考えられます。

もし、インフルエンザの流行期に38度以上の発熱や、悪寒、頭痛などが急にあらわれてきたら、インフルエンザにかかっている可能性があります。咳やくしゃみの症状があらわれると、赤ちゃんに感染するおそれもあります。不織布製マスクを着用し、しっかりと手を洗うようにしましょう。また、脱水にならないように、こまめに水分を摂るようにしましょう。

インフルエンザウイルスは気管支(気道)の粘膜で増殖するので、血液のなかに大量のウイルスが出現することはなく、また血液から作られている母乳中にたくさんのウイルスが出ることは考えにくいとされています。

また搾乳した母乳によって赤ちゃんがインフルエンザに感染したという報告もないといわれています。そのため、授乳することに問題はないといわれています。ただし、高熱がある場合には母乳を介してではなく、咳などを介した飛沫感染によって赤ちゃんに感染することもありますので、マスク着用や手洗いなど徹底する必要があります。搾乳も一つの方法かと思われます。

授乳時は、お母さんと赤ちゃんが密着します。そのため、お母さんの手や服などについたウイルスが赤ちゃんに触れて感染したり、お母さんの咳やくしゃみから感染したりすることは十分に考えられます。

そのため、授乳する際には、手は石けんを使ってしっかりと洗う、赤ちゃんの顔に向かって咳やくしゃみなどをしない、不織布製マスクを正しく着用する、といったことを心がけるようにしましょう。

授乳中にインフルエンザにかかったと疑われる場合には、まずはかかりつけの産婦人科に電話で相談しましょう。また、内科でも対応をしてくれます。受診するときには、まわりの人への感染を防ぐようマスクを正しく着用して、受診しましょう。

受診時は、赤ちゃんへの感染予防のため、できるだけ赤ちゃんをまわりの人に預けたほうがよいでしょう。もし、預け先がない場合は、赤ちゃんを連れて受診してもよいかどうかを事前に病院に相談するとよいです。

インフルエンザ薬を使用した母親の母乳には、その薬剤がごく微量ですが含まれます。

製薬会社による説明書には「授乳婦に投与する場合には授乳を避けさせること」と記載されていますが、抗インフルエンザ薬を使用したお母さんの母乳への薬の移行はわずかであるという報告があるため、日本産科婦人科学会では、たとえ授乳中であっても抗インフルエンザ薬を使用してよいとしています。不安がある場合にはよく主治医と相談し、納得して使用するようにしましょう。

母乳には赤ちゃんにとって大切な免疫物質やたくさんの栄養が含まれています。だからといって、インフルエンザにかかってつらいときに無理して授乳を続けることは、お母さんの体調をよけいに悪化させてしまうことにつながります。

母乳を搾乳して症状のないほかの家族から赤ちゃんにあげてもよいですし、一時的にミルクを使用してもよいでしょう。

なお、授乳を一時的に中止する場合は、母乳の分泌の維持と乳腺炎の予防などのために、できるだけ搾乳を続けたほうがよいといわれています。搾乳の方法を知りたいときや、搾乳しても胸が張ってつらいときは、産婦人科の母乳外来などで相談するとよいでしょう。

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