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Spleen
アジソン病
アジソン病とは、副腎皮質で産生されるホルモンが不足することから引き起こされる病気を指します。副腎皮質ホルモンが低下する原因には、先天的なものと後天的なものがありますが、アジソン病は特に後天的な原...
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副腎・脾臓

アジソン病(あじそんびょう)

更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
更新履歴
2017 年 04 月 25 日
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概要

アジソン病とは、副腎皮質で産生されるホルモンが不足することから引き起こされる病気を指します。副腎皮質ホルモンが低下する原因には、先天的なものと後天的なものがありますが、アジソン病は特に後天的な原因で発症したものを指します。副腎皮質で産生される代表的なホルモンには、コルチゾール・アルドステロン・アンドロゲンがありますが、アジソン病ではこれらのホルモンが不足し、全身症状が現れます。

アジソン病は、1年間で約660例の発症例があると推定されています。発生率に男女差はありません。ホルモン補充療法を適切に行うことが必要であり、適切な治療が行われなければ生命に影響が及ぶこともある病気です。

原因

アジソン病は、後天的な原因によって副腎の一部が破壊されることで発症します。副腎とは腎臓の上に位置する臓器であり、組織的には副腎皮質と副腎髄質の2つの層に分けることができます。副腎皮質は、副腎の表層に位置しており以下のような代表的なホルモンを産生しています。

  • コルチゾール(グルココルチコイドの一種)
  • アルドステロン(ミネラルコルチコイドの一種)
  • アンドロゲン(性ホルモンの一種)

コルチゾールは、エネルギー源としての糖分を適切に代謝するのに必須のホルモンです。また感染症をはじめとする外部からのストレスにさらされた際、適切に反応するためにも必要なホルモンです。

アルドステロンは、水分やナトリウム、カリウムの体内バランスを適切に調整しています。アルドステロンが適切に働くことで、血圧も正常に保つことができます。アンドロゲンは性ホルモンの一種類であり、男女ともに産生されています。筋肉量や性欲などに関与しています。

アジソン病では何かしらの原因で副腎皮質が破壊されてしまい、こうしたホルモン産生がうまくいかなくなることから発症します。各種ホルモンは全身臓器が適切に働くように調整しており、アジソン病では全身症状が出現します。

副腎皮質が破壊される原因は多岐に渡ります。病気が発見された当初は結核の一症状であることが多かったのですが、現在は結核を原因とするアジソン病の頻度は減少してきています。アジソン病は、自己免疫疾患の一症状として発症することも知られています。自身の身体が副腎皮質を異物として認識してしまい、副腎皮質を攻撃し破壊することから発症します。

そのほかには、エイズに関連して発症することや、がん細胞の転移(たとえば乳がんなど)、副腎皮質の出血に伴って発症することもあります。また、これら明らかな原因が特定できない、特発性のアジソン病も存在します。

症状

アジソン病の症状は、各種ホルモン欠乏に伴う症状です。症状は徐々に慢性的に進行することが多く、体重減少や疲れやすさ、食欲低下などが現れます。血圧低下を伴い体勢を変えたときに、適切な血圧調整ができなくなってしまうこともあります。そのため、立ちくらみを生じることもあります。

吐き気や嘔吐、下痢を示すことも多く、筋力が低下することもあります。また、気分の落ち込みからうつ症状がみられる場合もあります。さらに、性欲低下や皮膚の色素沈着がみられることもあります。しかし、何となく活気がない、元気がない、という程度であることもあり、アジソン病として認識することが難しい場合もあります。

通常は慢性的に症状が進行することが多いのですが、副腎皮質の出血などがみられる場合には急性発症をすることもあります(クリーゼと呼びます)。その際には、突然の背中の痛みや吐き気・嘔吐、血圧低下、意識消失を呈することがあります。

検査・診断

診断は、血液検査や尿検査で各種ホルモンが低下していることを確認することが必要です。また副腎皮質ホルモンの産生は、脳から産生されるACTHと呼ばれるホルモンで調整を受けています。アジソン病では副腎皮質が破壊されていることから、ACTHに対する反応が乏しくなっています。通常はACTHを外部から投与すると、それに反応して副腎皮質ホルモンの産生増加が見られますが、アジソン病ではこうした反応が見られません。

そのほか、電解質異常を確認したり、副腎皮質に対する抗体検査を行ったりすることもあります。副腎皮質に対する画像検査が行われることもあり、CTやMRIで出血、石灰化、副腎の大きさ(たとえば自己免疫が原因のときは小さくなり、感染症が原因の場合には大きくなる)などを確認します。

治療

不足する副腎皮質ホルモン(特にグルココルチコイドとミネラルコルチコイド)を補充する治療が中心です。特にクリーゼの場合は迅速なホルモン補充が重要です。また、血圧低下が重篤な場合もあるため、血圧を保つための点滴や昇圧剤も併用されます。血糖が低くなることもあり、充分な血糖補給が合併症予防に重要です。

アジソン病の症状は、感染症ややけど、手術や怪我などのストレスがきっかけとなって増悪することがあります。こういったストレス状況下では、内服している副腎皮質ホルモン量を普段よりも多めに服用することも必要です。アジソン病におけるホルモン補充療法は一生涯に渡って行うことが必要であり、内服を忘れた際や症状出現時の対応について熟知しておくことが重要です。