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アスベスト
アスベストとは、天然に採取される鉱物の一種類であり、石でありながら軽い綿状の性質を持つことから「石綿(せきめん/いしわた)」とも呼ばれる物質を指します。加工しやすいことに加えて、耐火性・断熱性・...
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肺

アスベストあすぺすと

更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
更新履歴
2017 年 04 月 25 日
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概要

アスベストとは、天然に採取される鉱物の一種類であり、石でありながら軽い綿状の性質を持つことから「石綿(せきめん/いしわた)」とも呼ばれる物質を指します。加工しやすいことに加えて、耐火性・断熱性・電気絶縁性が高い性質があり、一時期は断熱材や保温材、防音材として建築物に多く使用されていました。しかしながら、アスベストを吸入すると肺がんや悪性中皮腫などの悪性疾患をはじめとした健康被害を引き起こすことも知られており、現在は日本において使用が制限されています。
しかし、建築材として過去に使用されたものについては今でも残存している部分もあります。また、アスベストに関連した健康被害は数日、数か月後に出るというものではなく、なかには数十年経ってから発症するものもあります。今後も長期的に続く問題として、注意深く検討をする必要があります。

その他、こちらの記事も参照ください。
https://medicalnote.jp/contents/160713-007-WS
https://medicalnote.jp/contents/160713-008-XK

原因

アスベストはその性質上非常に軽く、環境中に飛散しやすいです。多くの建築物で使用されていた過去があり、たとえば老朽化した建物や工事現場などからアスベストが環境中に大量にまき散らさせる可能性があります。空気中に漂うアスベストを吸い込むと、痰などに混じって体の外に排泄されますが、量が多い場合は完全に排泄されずに体内に取り込まれることがあります。特に長期間のあいだアスベストに暴露されると、より一層体内にアスベストが取り込まれる危険性が高まります。
アスベストは人の目では見えないほど小さな線維からなっており、体内の中でも特に肺組織の深く肺胞で沈着することがあります。肺内で沈着したアスベストは異物として白血病の一種類である「マクロファージ」が排除しようとしますが、うまくいかずに長期間に渡って炎症が生じることになります。肺の組織が長いあいだ傷つけられ、暴露された炎症性物質によりDNAが損傷された結果、遺伝子異常が生じ細胞ががん化すると考えられています。喫煙者ではさらにリスクが高まると考えられています。


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https://medicalnote.jp/contents/160713-007-WS
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症状

アスベストに関連した健康被害は、肺がん、悪性中皮腫、アスベスト肺などが中心です。アスベストに暴露されてから数十年経ってから(平均して40年ほどといわれます)これらの病気に関連した症状が出現します。関連した症状としては、咳や息切れ、胸の痛みなどがありますし、原因不明の体重減少から発見されることもあります。その他、指先が太鼓のバチのような形になることもあります(バチ指といいます)。アスベスト肺では特に下の方の肺に病変が生じることが多く、背中に耳を当てると「バリバリ」という呼吸音が聞こえることもあります。


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https://medicalnote.jp/contents/160713-007-WS
https://medicalnote.jp/contents/160713-008-XK

検査・診断

アスベストに関連した健康被害は肺に影響が出現するため、レントゲン写真や胸部CT写真などの画像検査が行われます。画像検査にて肺がんや悪性中皮腫の腫瘍病変が認められたり、胸膜と呼ばれる肺を覆う組織が分厚くなっていることが観察されたりします。また胸水が溜まっていることもあります。アスベスト肺では肺の組織が障害を受けており、肺の線維化や石灰化等を認めます。
また、喀痰検査と呼ばれる痰の検査が行われることもあります。痰の中にがん細胞が見られることもありますし、アスベストに関連した物質が同定できることもあります。胸水を採取し、その中に悪性細胞を見ることもあります。また、生検と呼ばれる検査では、病変部位の実際の組織を取り、顕微鏡で悪性腫瘍を同定することになります。


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https://medicalnote.jp/contents/160713-007-WS
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治療

アスベストに関連した健康被害は、基本的にはアスベストに暴露されないような環境づくりが大切です。健康被害は、数十年後に発覚することが多く、長期にわたる経過観察が必要です。また、建築業者関係者をはじめアスベストに定期的に暴露される方においては、事業者を含めご本人も知識を持ち、定期的な検診を受けることが大切です。また喫煙者においては、健康被害を発症するリスクがさらに高まることも知られています。そのため、意識的な禁煙行動もとても重要です。
肺がんや悪性中皮腫の治療は、手術、化学療法、放射線療法が行われます。なかには「免疫チェックポイント阻害薬」や「遺伝子治療」といった新たな試みも検討されており、今後治療成績のさらなる向上につながることが期待されます。
また実際に病気を発症した場合には、労災としての認定を受けることができるため、関係各所と連携をして治療サポートを構築することが肝要です。しかし補償制度には問題点もあります。申請書類を提出する際、申請者は当時勤めていた職場や従事していた仕事の内容、発症にいたるまでの経緯を詳細に記入する必要があります。しかし、中皮腫はアスベスト曝露から数十年の経過で発症するため、ご本人が当時の状況を覚えていないことが多いのです。さらに会社がなくなっていたり、連絡がつかないこともよくあります。このような理由で申請から認可までかなりの時間を要し、患者さんが最も必要なタイミングで給付が行われないことがあります。


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