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アスペルガー症候群
アスペルガー症候群は、自閉症にみられる特徴(社会性発達の質的障害、コミュニケーションの質的障害、興味や活動の偏り)を共通の類似点として持っています。自閉症では知的障害や言語発達に遅れを伴うことが...
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アスペルガー症候群あすぺるがーしょうこうぐん

更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
更新履歴
2017 年 04 月 25 日
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概要

アスペルガー症候群は、自閉症にみられる特徴(社会性発達の質的障害、コミュニケーションの質的障害、興味や活動の偏り)を共通の類似点として持っています。自閉症では知的障害や言語発達に遅れを伴うことがありますが、アスペルガー症候群ではそれらはありません。

知的レベルが正常であり、言葉の発達に遅れはないことなどから、一見すると「ちょっと変わった人」程度に認識されることもあります。しかし、アスペルガー症候群の方が社会生活を送る際に困難さを伴う点においては自閉症と相違はなく、治療を行うことはとても大切です。

アスペルガー症候群と自閉症には重複する部分も多く、近年は「自閉症スペクトラム」としてひとつの疾患概念に含めて考えられるようになってきています。アメリカ精神医学会による最新診断マニュアル(DSM-5)からアスペルガー症候群は削除されました。

原因

アスペルガー症候群を含む自閉症スペクトラムについては、これまでのところ確実に断定できる原因はありませんが、先天的な脳の機能異常により引き起こされていると考えられています。

また、遺伝的な異常が関与することも疑われていますが、アスペルガー症候群の発症を引き起こす原因遺伝子は完全には特定されていません。

その他、妊娠中や出産時、出生後ごく早期の何らかの障害のために脳の特定の部分に障害が生じるのではないかと考えられています。

これらの要素が影響して、感情や認知、行動に関与する脳の形成(たとえば前頭葉や扁桃体など)に異常が生じることが推定されています。また、アスペルガー症候群では親の育て方、虐待、愛情不足などは原因とされていません。

症状

アスペルガー症候群では、

  • 社会性発達の質的な異常
  • コミュニケーションの質的な異常
  • 興味や活動の偏り

の3つを特徴とした症状が出現します。

社会性発達の質的な異常

アスペルガー症候群の方は、一見すると他人に興味がないようにみえます。しかし、本当に興味がないわけではなく、どうやって他人と関わっていけばいいのか、その方法がわからない状況です。

こうしたことから、アスペルガー症候群の方は人のなかで浮いてしまうことが多く、幼児期には一人遊びが中心となります。しかし、他人にリードされること、自分より年齢が小さい子をリードすることなどは可能なことがあります。

コミュニケーションの質的な異常

アスペルガー症候群では、場や年齢にそぐわない言葉づかいをします。また、年齢相応の羞恥心や常識についての理解が乏しいこともあり、オブラートに包んだ表現をすることも苦手です。

本人に悪気があるわけではなく、思ったことを正直にいう傾向があります。しかしこうした気持ちは、他人には伝わらないこともあり、対人関係に障害をもたらすことがあります。

興味や活動の偏り

アスペルガー症候群の方は、興味や活動の仕方に偏りがあります。こうした傾向が学問に向かう場合(たとえば数学やコンピュータープログラミングなど)には、驚くべき成果を達成することもあります。しかし、こうした傾向は必ずしも社会的な意味を持つものばかりではありません。

たとえば、バスのルートや時刻表を詳細まで記憶していることがあります。こうした情報は、アスペルガー症候群の方にとってはとても興味深いものであるため、他人と情報を共有しようとしますし、話題を変えることを嫌がることもあります。その結果、友人関係において、「話が面白くない」、「話題がつまらない」などの評価を受けることもあります。

アスペルガー症候群では、これら3つの症状があることから人間関係の構築に問題をきたすことがあり、学校生活や会社での環境において孤立することもあります。また、自身の気持ちが周囲に伝わらないことを経験して引きこもりになったり、うつを発症したりすることもあります。

検査・診断

アスペルガー症候群は、3つの主要症状(社会性発達の質的な異常、コミュニケーションの質的な異常、興味や活動の偏り)がないかどうかをもとにして診断されます。そのため、普段の日常生活の様子、発達歴、既往歴、神経学的な身体所見等を、詳細に検討することがとても大切です。

しかし、アスペルガー症候群は、一見すると「付き合いにくい人」程度の認識で過ごしていることもあり、必ずしも幼少期に診断されることばかりではありません。大人の発達障害においては、本人にまったく自覚がなく、受診を拒否する場合があります。たとえば、職場などでコミュニケーションの問題が原因でトラブルが起きているにもかかわらず、自分のせいだとは思えない場合などがあります。

成人になってからアスペルガー症候群を診断する場合においても、幼少期の状況を検討することが必要な場合も多くあります。しかし、当時の資料がなく記憶もあいまいで、きちんとした情報が得られないケースも多々あります。そのため、子どものときの診断に比べて診断が難しくなる傾向があります。

治療

アスペルガー症候群の治療では、本人だけでなく、周囲の方たちがその症状の特徴を理解することがとても大切です。幼少期には一人遊びをしていても、脳の成長と共に友人と行動をするようになります。このときに、相手の気持ちを汲み取りにくいというアスペルガー症候群の特徴を理解することで、お子さんにあった対応方法をスムーズに行うことができます。

アスペルガー症候群を抱えるお子さん自身も、親御さんや周囲の方に理解してもらっていると少しずつでもわかることで、社会への積極的な順応が期待できます。社会に出ると、学校生活とは異なった視点からの対応も必要になります。アスペルガー症候群に伴う特性を配慮した就労支援と、就労に必要なスキルを身につけることが大切です。

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