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ウィリアムズ症候群
ウィリアムズ症候群とは、遺伝子異常に伴う先天性疾患の一つです。妖精様顔貌と呼ばれる特徴的な顔立ちをしており、心血管系疾患(特に大動脈弁上部狭窄症)や発達異常、学習障害などを呈する疾患です。身体的...
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ウィリアムズ症候群うぃりあむずしょうこうぐん

更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
更新履歴
2017 年 04 月 25 日
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概要

ウィリアムズ症候群とは、遺伝子異常に伴う先天性疾患の一つです。妖精様顔貌と呼ばれる特徴的な顔立ちをしており、心血管系疾患(特に大動脈弁上部狭窄症)や発達異常、学習障害などを呈する疾患です。身体的な臓器障害に関連した症状で悩まされることもあり、さらに空間認知能や数字に対しての理解が乏しいことが多く、日常生活における困難さを覚えることもあります。その一方、他人や音楽に対しての興味が強く、とても人懐っこく社交的な面を有するのですが、受け入れられないこともあるため、うまく社会になじめるような対応が必要になります。
ウィリアムズ症候群の発症頻度は比較的稀であり、日本においては2万人に1人の発症率と報告されています。難病指定にもなっており、生涯にわたって医療的・社会的な支援を行うことが大切です。

原因

22対の常染色体が人の細胞の中には存在しており、それぞれ両親からの遺伝情報が子どもに引き継がれています。ウィリアムズ症候群は、この常染色体の中でも第7番遺伝子に異常があることが原因となっています。ウィリアムズ症候群では、第7番染色体の一部が本来あるべき部分が完全に失われており、結果として26から28個の遺伝子がなくなってしまっています。ELN、CLIP2、GTF2I、GTF2IRD1、LIMK1と呼ばれる5つの遺伝子が、多くのウィリアムズ症候群の患者さんで失われることが知られており、それぞれの遺伝子が失われることと関連して特徴的な症状が出現していると考えられています。例えば、ELNであれば、心血管系の異常と深く関与していると考えられていますし、CLIP2、GTF2I、GTF2IRD1、LIMK1などについては、妖精様顔貌や空間認知能力に強く影響を及ぼしていると考えられています。
ウィリアムズ症候群は、家族歴がない場合においても発症することがあり、多くのウィリアムズ症候群の方がこの発生様式に当てはまります。また、ウィリアムズ症候群の方が子どもを有する場合には、原因となっている第7番染色体がお子さんに50%の確率で遺伝されます。

症状

ウィリアムズ症候群に伴う症状は、出生前から生涯にわたって見られ、かつ各種臓器や精神発達面にも大きく影響が生じます。
赤ちゃんの頃から身体が小さい傾向があり、出生後も成長障害が続きます。運動発達面に関しては、一般的に達成されると考えられる時期よりも遅れる傾向はありますが、最終的には到達されます。また、精神発達面に関しての遅れを見ることもありますが、分野によって苦手なもの、得意なものがあるのが特徴的です。具体的には、話すことや長期記憶、社交性については保たれるのですが、手先の細かい運動や空間認知能、数字に対する理解、論理的な思考については苦手とする傾向があります。このため、日常生活を送る際に、苦労を感じることも稀ながらず経験されます。
その他、妖精様顔貌と呼ばれる見た目も特徴的です。また、先天性心血管疾患(大動脈弁上狭窄、末梢性肺動脈狭窄など)を見ることも多く、寿命を規定する合併症となりえます。その他、高カルシウム血症、泌尿器疾患(石灰化腎、尿路結石、低形成腎、膀胱憩室、膀胱尿管逆流)を合併する。消化器疾患(肥満、便秘、憩室症、胆石など)などが、全身各種臓器に合併症を示すことがあります。

検査・診断

ウィリアムズ症候群を引き起こす原因は、第7番染色体の一部が失われていることが判明しています。そのため、この喪失部位を検出することを目的として、FISH 法と呼ばれる方法を用いて診断がされます。FISH法では、ELN遺伝子を認識する蛍光物質が用いられます。ELN遺伝子は、通常であれば父親と母親からそれぞれ一つずつ子どもに引き継がれています。そのため、ウィリアムズ症候群ではない人がこの検査を受けた際には、2つのELN遺伝子が存在することが確認されます。しかし、ウィリアムズ症候群の人ではELN遺伝子が一つ失われているため、蛍光物質にて一つのELN遺伝子しか確認されません。ウィリアムズ症候群では99%の方においてELN遺伝子が欠損していることから、FISH法にてほぼ確定診断となります。
その他、心臓や電解質異常、消化器疾患等、各種臓器に対しての検査が適宜追加されることもあります。

治療

ウィリアムズ症候群に対しての、根治的な治療方法は現在のところ存在していません。治療に関しては、個々人の持つ合併症に対しての、対症療法が中心になります。ウィリアムズ症候群の方の中でもできること、できないことは、個人によって異なるため、最大限の可能性を引き出すためにも、介入の仕方はそれぞれの方に適したものであるべきです。ウィリアムズ症候群の方は人懐っこさがある反面、社会的な枠組みに入るのに困難を伴うこともあります。そのため、社会支援やある種の状況訓練等が必要になることがあります。
また血管病変は、年齢を経るにつれて進行性に増悪することがあります。心臓に対しての負担を軽減するために内服薬が必要になったり、手術的な治療介入がなされることもあります。高血圧や高カルシウム血症を呈する場合にも、降圧薬やビタミンDなどの内服薬が検討されます。また歯科、眼科、耳鼻科、整形外科等の多くの診療科との密なコンタクトも必要になります。

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