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エボラ出血熱
エボラ出血熱とは、エボラウイルスに感染することによる急性熱性疾患です。 エボラウイルスに感染すると、2~21日の潜伏期間を経て、突然の発熱をきたすほか、頭痛、倦怠感、筋肉痛、嘔吐、下痢など...
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エボラ出血熱えぼらしゅっけつねつ

更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
更新履歴
2017 年 04 月 25 日
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概要

エボラ出血熱とは、エボラウイルスに感染することによる急性熱性疾患です。

エボラウイルスに感染すると、2~21日の潜伏期間を経て、突然の発熱をきたすほか、頭痛、倦怠感、筋肉痛、嘔吐、下痢などの症状を併発します。さらに症状が進行すると、皮膚・口の中・目・消化管などから出血を起こすこともあります。

ただし、すべてのエボラウイルス感染例で出血がみられるわけではありません。エボラ出血熱は、世界では定期的に流行していることから、警戒を続けていく姿勢が重要だと考えられています。

原因

エボラ出血熱は、エボラウイルスに感染することで発症します。エボラウイルスは、コウモリなどの動物に生息しています。感染した動物(コウモリ、チンパンジー、ゴリラなど)に接触することで、エボラウイルスは人間へとうつり、エボラ出血熱を発症すると考えられています。

また、接触感染が起こることもあります。接触感染とは、患者さんの血液や体液に、傷のある皮膚や体の粘膜が触れることで、感染が成立することです。エボラウイルスに感染した患者さんの血液や体液(尿・唾液・糞便・吐物・精液など)には、ウイルスが排出されることが知られています。また、エボラウイルスが医療器具などに付着した場合、数時間から数日間は感染性を持ち続けることがわかっており、医療器具を介した感染にも注意が必要です。

なお、エボラウイルスが「空気感染」することはありません。また、エボラ出血熱は、咳やくしゃみを介してヒトからヒトに感染するインフルエンザ等の疾患とは異なり、簡単にヒトからヒトに伝播する病気ではありません。

症状

エボラウイルスに感染してから、ウイルスが体内で増殖し症状が出てくるまでには、2~21日程度の潜伏期間があります。この潜伏期間の後に突然の発熱をきたすほか、頭痛、倦怠感、筋肉痛、嘔吐、下痢などの症状も併発します。

さらに症状が進行すると、肝臓や腎臓、血液を固めることの機能にも影響が及ぶようになり、皮膚・口の中・目・消化管などから出血を起こすようになります。ただし、すべてのエボラウイルス感染例で出血がみられるわけではありません。

検査・診断

検査の方法には、以下の4つの方法があります

  • ウイルス分離による病原体の同定
  • ELISA法と呼ばれる方法による病原体抗原の検出
  • PCR法と呼ばれる方法によるエボラウイルス遺伝子の検出
  • 血液検査によるエボラウイルスに対しての抗体検出

2017年現在、エボラ出血熱は感染症法において一類の感染症に分類されており、無症状病原体保有者、疑似症患者例も含めてエボラ出血熱の患者さんおよび感染症死亡者の死体が認められた際には、医師はただちに都道府県知事(実際的には保健所)に届け出る必要がある病気です。

感染拡大を予防するためにも、渡航歴や症状からエボラ出血熱が疑われる場合には、検疫所で申告したり地域の保健所に連絡することが大切です。

以上の検査のために、血液だけではなく、咽頭ぬぐい液(のどから採取する)や尿も検体として用いられます。

マラリアなど他の病気との区別を

エボラ出血熱の初期症状は、他の病気でもみられる症状です。たとえば、腸チフスやマラリアなどでも同じような症状を起こすので、症状だけでエボラウイルス感染症であると診断することは困難です。 特に、エボラウイルス感染症の流行地域はマラリア、デング熱などの発熱疾患の流行地域と重なっているので、鑑別診断に注意が必要です。

治療

エボラ出血熱に対する確立された治療法はありません。2017年現在、治療の中心は症状を和らげる対症療法になります。嘔吐・下痢などによって脱水や血圧の低下が起こった場合は、輸液を行います。また電解質のバランスが乱れている場合も、それぞれの成分を補正します。呼吸状態が悪くなった場合は呼吸管理、血圧が下がってしまった場合は循環管理と、それぞれの症状をコントロールするための治療が行われます。

2017年現在、エボラウイルスそのものに対して決定的な効果を持つ薬剤の候補はありますが、確実性のある薬剤として利用可能なものはありません。ワクチンについても同様で、一定の効果が期待できるものも開発されていますが、市場で利用できる状況ではありません。

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予防

エボラウイルスに感染しないための予防策を講じることもとても重要です。エボラウイルスの主な感染経路は、接触感染です。そのため、感染した患者さんの血液や体液に直接触れないように手袋をすることが大切です。

また、患者さんとの接触前後に手洗いをし、体液に触れる可能性があるときには手袋、場合によりガウンを使用します。接触感染の予防策に加えて体液等の飛沫・接触を防ぐためにマスクを、また場合によりゴーグルなども使用します。

流行地域に赴く際には、コウモリやチンパンジーなどの野生動物に接触しないのはもちろん、調理状況のわからない肉類の摂取も避ける必要があります。また葬儀で死者に対して接触する風習を持つ地域もありますが、こうした行為を避けることも大切です。

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