クリップする
URLを入力して
記事をクリップしましょう
指定された URL のページが見つかりません
Noimage s500x350
エーリキア症
エーリキア症とは、マダニにより媒介される新興再興リケッチア性感染症で、発熱、頭痛、貧血、白血球減少、血小板減少などの臨床症状を起こす病気です。現在のところエーリキア症病原体が起こす病態には3種が...
Male consulter resolved
クリップに失敗しました

エーリキア症えーりきあしょう

更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
更新履歴
2017 年 04 月 25 日
掲載しました。
閉じる

概要

エーリキア症とは、マダニにより媒介される新興再興リケッチア性感染症で、発熱、頭痛、貧血、白血球減少、血小板減少などの臨床症状を起こす病気です。現在のところエーリキア症病原体が起こす病態には3種が知られており、それぞれヒト顆粒球エーリキア症(Anaplasma phagocytophilumによる)、ヒト単球エーリキア症(Ehrlichia  chafeensisによる)、腺熱エーリキア症(Neorickettsia sennetsuによる)です。

動物も感染することがあるため、人畜共通感染症のひとつとして注目されています。エーリキア症は特にアメリカを中心とした報告例が多いです。エーリキア症を発症すると、インフルエンザのような症状が現れます。重症化すると死に至ることもあるため、この病気が疑われた際には抗生物質による積極的な治療が行われます。
 

原因

エーリキア症は、Ehrlichia chaffeensisAnaplasma phagocytophilumと呼ばれるリケッチア目病原体を保有しているダニの吸血行動によって感染が成立、発症します。
病原体となるリケッチアに汚染されたダニは、アメリカを中心に広く分布している関係から、同国を中心として発症例の報告があります。今後の動向次第では日本国内でも流行する可能性があります。

エーリキア症を引き起こす病原体は、ヒトのみならず馬やヒツジ、イヌなどの動物にも感染するのため、動物も感染経路のひとつだと考えられています。
また、エーリキア症の病原体は白血球の中(単球や顆粒球など)にも含まれることが知られています。
なお、感染者の免疫状態によって重症度が異なります。エイズ、ステロイド・免疫抑制剤・抗がん剤での治療中、脾臓摘出術後などにより免疫機能が低下していると、重症化する可能性があります。
 

症状

ダニの吸血活動によって病原体が人の体内に侵入するため、吸血時間が長ければ長いほどエーリキア症を発症するリスクが高まります。病原体に感染してからおよそ2週間までの経過を経て、エーリキア症を発症します。エーリキア症を発症すると、発熱や全身倦怠感、悪寒、筋肉痛、関節痛などといったインフルエンザに類似た症状が出るようになります。その他、吐き気、嘔吐、下痢などの消化器症状を呈することもあります。

またかゆみを伴わない発疹が生じることもあります。エーリキア症は無治療でも治ることがあります。しかし、なかには重症化し、腎不全・肝不全・髄膜炎・呼吸障害・意識障害を合併して死に至ることもあります。
 

検査・診断

エーリキア症の診断は、問診で臨床症状を確認するほか、ダニに噛まれた、野外活動を行ったなどの思い当たる行動を確認します。問診以外にも、血液検査で、白血球の減少、血小板の減少、ASTやALTといった肝酵素の上昇度合などを調べることもあります。

また白血球が病原体に感染すると変化が生じるため、顕微鏡でこうした変化の有無を確認することもあります。より確実に診断するため、病原体特有の遺伝子をPCRと呼ばれる方法にて確認します。またエーリキア症に感染するとIgMやIgGといった病原体特異的抗体が体内で産生されるため、血液検査によりこれら抗体値を調べます。
 

治療

エーリキア症の治療では主にテトラサイクリン系(ドキシサイクリンが第一選択薬)と呼ばれる抗生物質を使用しますが、年齢や妊娠の有無などによってはマクロライド系やリファンピンなどを選択することもあります。エーリキア症は早期に治療介入を行うほうが治療成績もよいため、診断が確定する前に治療を開始することもあります。

ダニに噛まれることで発症するため、不要な野外活動を控える、ディート剤などが含まれる虫除けスプレーを利用する、サンダルを履かない、肌の露出が少なくなるように長袖・長ズボンを履く、などを心がけることもダニに刺されないためにも重要です。また野外活動終了後には、ダニに刺された形跡がないかどうかをチェックすることも必要です。