おうむびょう

オウム病

最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

オウム病とは、オウム病クラミジアにより引き起こされる感染症です。その名前から想起されるように、病原体であるオウム病クラミジアは鳥に病気を引き起こすことがあります。ペットとして飼育されるオウムやカナリア、インコのみならず、野生の鳩などにも生息しています。

国内の鳥類のうち、およそ20%がオウム病クラミジアを有するといわれています。鳥の体内にいるオウム病クラミジアが人に感染することで、オウム病は発症します。

オウム病は、我が国では感染症法にて4類感染症に指定されており、全数把握対象疾患となっています。これによると、ここ数年10件前後の発症例があると報告されています 。

オウム病クラミジアは人に対してのみならず、鳥にも病気を引き起こすことから、オウム病は人畜共通感染症であるとみなされます。

 

原因

オウム病は、オウム病クラミジアにより引き起こされる感染症です。オウム病クラミジアは、野生やペットの鳥の体内に生息し、糞と共に体外に排泄されます。糞が乾燥するとオウム病クラミジアが空気中に漂うようになり、ヒトはこれを吸気と共に吸い込むことから感染します。また餌を口移しすることでも感染します。

気道を介して病原体が入り込むため、肺炎が引き起こされます。

症状

オウム病クラミジアが体内に侵入すると、1〜2週間ほどの潜伏期間の後に症状が出現します。肺炎による気道系の症状が前面に出る場合がありますが、これらは強くない場合もあります。

症状はインフルエンザに類似しており、突然の発熱と頭痛筋肉痛、関節痛が出現します。また、激しい咳(痰が混じることも混じらないこともある)を伴うこともしばしばです。

肺の機能が著しく低下した場合には、体内への酸素の取込みが十分でなくなりチアノーゼ(皮膚や粘膜が青紫色になる状態)が出現することもあります。

オウム病の重症度はさまざまであり、重症化した場合には呼吸窮迫(きゅうはく)症候群、髄膜炎、ショックなどを生じます。その結果、意識障害や全身の臓器障害を合併して、生命の危機に瀕することもあります。

 

検査・診断

オウム病は、血液や痰などを用いて病原体であるオウム病クラミジアを特定することで診断されます。ただ、この病原体を検出するには細胞培養と呼ばれる特殊な検査が必要ですので、一般的な病院では行うことができません。

従って、オウム病の診断に際しては、痰や咽頭拭い液を用いてオウム病クラミジアに特徴的な遺伝子をPCR法と呼ばれる検査で検出したり、オウム病クラミジアに感染したことで上昇する病原体に対する抗体を血液検査で検索したりすることが一般的です。

治療

オウム病の治療では、テトラサイクリン系の抗生物質が第一選択になります。その他、マクロライド系やニューキノロン系と呼ばれる抗生物質が選択されることもあります。

一般的に外来などでみることの多い肺炎には、セフェム系やペニシリン系と呼ばれる抗生物質が使用されることが多いのですが、オウム病に対してこれらは効果がありません。

オウム病が重症化すると、呼吸窮迫症候群や多臓器不全をきたすこともあり、この場合には、人工呼吸器や透析などを用いた集学的な治療が必要になることが多いです。

 

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