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カポジ水痘様発疹症
カポジ水痘様発疹症とは、アトピー性皮膚炎などの基礎疾患の病変部位に対してウイルスが感染することから発症する皮膚感染症です。感染するウイルスには多くのものが知られていますが、ヘルペスウイルスの一種...
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皮膚

カポジ水痘様発疹症かぽじすいとうようほっしんしょう

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更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
更新履歴
2017 年 04 月 25 日
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概要

カポジ水痘様発疹症とは、アトピー性皮膚炎などの基礎疾患の病変部位に対してウイルスが感染することから発症する皮膚感染症です。感染するウイルスには多くのものが知られていますが、ヘルペスウイルスの一種であるHSV-1が代表的です。

カポジ水痘様発疹症を発症すると、多くの水疱が出現します。また、嚢胞(のうほう)・びらん・痂皮(かひ)(かさぶた)形成といった種々の皮膚症状が混在することになり、これらが播種性(はしゅせい)に広範囲に広がります。皮膚病変の痛みや全身症状としての発熱をみることもあります。また、A群β溶連菌や黄色ブドウ球菌による二次感染を起こすこともあります。

カポジ水痘様発疹症を発症した場合には、アシクロビルなどの抗ウイルス薬や状況によっては抗生物質を使用して治療します。再発することもまれではないため、日頃から基礎となる皮膚疾患のコントロールを良好に保つことや、休養を十分にとり規則正しい生活を送るなど免疫力を高めるような努力を行うことが重要になります。

原因

カポジ水痘様発疹症は、基礎となる皮膚疾患が存在する状況に加えて、ウイルスが感染することを原因として発症します。皮膚疾患としては、アトピー性皮膚炎が代表的ですが、そのほか、脂漏性皮膚炎、ダリエ病、尋常性魚鱗癬などもカポジ水痘様発疹症の発症をきたしうることが知られています。こうした皮膚疾患では皮膚のバリア機能が低下することから、ウイルスなどからの攻撃を受けやすい状況にあるといえます。

原因となるウイルスとしては、HSV-1を代表として、HSV-2、コクサッキーウイルスA16、ワクチニアウイルスなど、数多くのものがあります。原因としてもっとも多いHSV-1は接触感染により感染し、カポジ水痘様発疹症を引き起こします。

HSV-1は、一度治癒した後も神経節に侵入し持続的な潜伏感染をすることが知られています。風邪や疲れ、ストレスなどの免疫力が低下する状況になるとウイルスが再活性化することがあり、これによってカポジ水痘様発疹症を繰り返すこともあります。

ただし、皮膚疾患を持つすべての方が、ウイルス感染症をきっかけとしてカポジ水痘様発疹症を発症するわけではありません。たとえば、「フィラグリン遺伝子」と呼ばれる遺伝子に異常があるとカポジ水痘様発疹症を発症しやすいことが報告されています。また、皮膚からはウイルスに対する防御因子が分泌されていますが、これらが低下することも発症に関連すると考えられています。

人の免疫機能の一端は、リンパ球の一種である「T細胞」と呼ばれる細胞が担っています。T細胞はさらにTh1やTh2に分類され、それぞれ特有の免疫機能を有しています。アトピー性皮膚炎の患者さんではTh1とTh2のバランスが崩れていることがあり、この揺らぎがカポジ水痘様発疹症の発症に関与しているとも考えられています。

症状

カポジ水痘様発疹症は、アトピー性皮膚炎を代表とする皮膚疾患のコントロールが悪い状況において発症します。前駆症状として発熱や局所リンパ節腫脹などが出現し、顔面、頸部を中心として水疱が多発します。さらに、病変部位は播種性に拡大し、膿疱(のうほう)、びらんとなった後にかさぶたへと変化して沈静化します。病初期において皮膚のぴりぴりとした痛みを生じることもあります。皮膚病変にはA群β溶連菌や黄色ブドウ球菌を代表とする細菌が二次感染を起こすこともあります。

HSV-1の初感染時だけでなく、潜伏感染をしているウイルスが再活性化した場合にも発症することがあります。ただし、初感染では全身症状が強いですが、再発時には軽いことが多いです。ウイルスの再活性化には免疫力が大きく関与しており、風邪を引いている、寝不足である、ストレスや疲れが溜まっている、などの状況において発症することがあります。

検査・診断

カポジ水痘様発疹症は、典型例であれば病歴や見た目の皮膚所見から容易に診断できます。ただし、細菌感染症を合併していることが疑われる場合などでは診断に迷うこともあります。この場合には、皮膚病変部位からの検体を用いて顕微鏡で観察し、ウイルスに関連した「ウイルス巨細胞」と呼ばれる形態学的変化を確認することもあります。また、原因となっているHSV-1ウイルスを染色する方法もあります。
 

治療

カポジ水痘様発疹症の治療では、抗ヘルペスウイルス薬の使用が中心となります。また、黄色ブドウ球菌を代表とした細菌への合併感染を起こすこともあるため、抗生物質の併用も検討されます。

アトピー性皮膚炎など基礎となっている疾患の病変コントロールを目的としたステロイドや免疫抑制剤の使用に関しては、ウイルス感染の増悪をきたさないように注意を払うことが重要です。

カポジ水痘様発疹症は、ウイルスの再活性化により発症することもあります。再発を予防するためにも、普段の日常生活で免疫力を高める努力をすることが重要です。具体的には、風邪をひかない、疲れを溜め込まないなどの対策を行うことが大切です。

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