クリップする
URLを入力して
記事をクリップしましょう
指定された URL のページが見つかりません
Noimage s500x350
カラアザール
カラアザールとは、リーシュマニアと呼ばれる寄生虫によって引き起こされる疾患を指します。リーシュマニアはサシチョウバエを媒介して人に感染します。特に肝臓や脾臓、免疫系の不全など、内臓組織に大きな影...
クリップに失敗しました
クリップ とは
記事にコメントをつけて保存することが出来ます。検索機能であとで検索しやすいキーワードをつけたり、読み返し用のメモを入れておくと便利です。
また、記事を読んで疑問に思ったこと、わからないことなどをコメントに書き、「医療チームのコメントを許可する」を選んで頂いた場合は、医師や看護師が解説をメールにてお送りする場合があります。
※ クリップ内容は外部に公開されません

カラアザールからあざーる

更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
更新履歴
2017 年 04 月 25 日
掲載しました。
閉じる

概要

カラアザールとは、リーシュマニアと呼ばれる寄生虫によって引き起こされる疾患を指します。リーシュマニアはサシチョウバエを媒介して人に感染します。特に肝臓や脾臓、免疫系の不全など、内臓組織に大きな影響を及ぼす疾患です。

世界では、バングラデシュ・インド・ブラジル・ネパール・スーダンなどを中心として年間数十万件の発症が推定されています。カラアザールが流行する地域は発展途上国が主であり、医療整備が完全に整っているとはいえないことが多いです。そのため、診断や治療に難渋することも少なくはなく、今後も病気を制圧するための継続的な努力が必要とされています。
 

原因

カラアザールは、リーシュマニアと呼ばれるトリパノソーム科の原虫(寄生虫)に感染することで発症するリーシュマニア症という病気のひとつです。リーシュマニア症は、内臓リーシュマニア症(カラアザールと呼ばれる:黒熱病ともいう),皮膚リーシュマニア症(東洋瘤腫ともいう), 粘膜皮膚リーシュマニア症に分類されます。カラアザールは、リーシュマニア原虫のなかでもLLeishmania). donovaniL. infantumという種の原虫によって、また皮膚リーシュマニア症はL. majorL. tropicaL. mexicanaなどの土着の原虫種によって起こりやすいです。リーシュマニアはサシチョウバエの体内に潜んでおり、メスのサシチョウバエに刺されることで感染します。

リーシュマニアに感染しても、多くの方は症状なく経過します。リーシュマニアで生じる健康被害が皮膚や粘膜に限局するタイプのものもありますが、カラアザールは肝臓や脾臓などの内臓臓器にも病状が進展するタイプの病気です。体内に入り込んだリーシュマニアは、特にマクロファージと呼ばれる細胞によって取り込まれます。マクロファージは病原体を殺菌する役割を持っている免疫細胞のひとつですが、リーシュマニアはマクロファージのなかでも増殖することが可能であり、カラアザールに関連したさまざまな症状が引き起こされます。

感染により血液中にリーシュマニアが含まれる可能性があるため、注射針の使い回しや輸血、母子感染などでも感染が拡大することがあります。また、カラアザールが治癒した後に、「カラアザール後皮膚リーシュマニア(PKDL)」と呼ばれる皮膚症状が出現することがあります。カラアザール後皮膚リーシュマニアの発症は、体内にリーシュマニアが依然として潜むことを示唆します。そのため、この疾患を呈する方が基点となり、サシチョウバエを介して周囲の人へと感染が拡大することもあります。
 

症状

リーシュマニアに感染した場合、多くは無症状です。しかし、カラアザールを発症すると、感染から数か月経過した後に発熱や体重減少、全身倦怠感などが現れるようになります。カラアザールでは肝臓や脾臓が大きく腫れ上がり、腹部膨満も現れます。その後、貧血の進行がみられ、動悸や息切れ、疲れやすさなどが強く現れるようになります。さらに、免疫機能の障害が起きることから、容易に感染症を併発するようになります。数か月から2年ほどの経過で病状は進行し、無治療の場合は高い確率で命の危険にさらされます。

カラアザールは治癒した後も、治癒後半年から1年ほどの経過でカラアザール後皮膚リーシュマニアを発症することがあります。この病気は皮膚に盛り上がりを示す皮疹(ひしん)が多くみられる状態ですが、皮疹そのものでは大きな健康被害は生じません。しかし、皮疹のなかにはリーシュマニアが多く潜んでいるため、他人へと感染が拡大するきっかけとなります。そのため、集団感染予防の観点から、カラアザール後皮膚リーシュマニアは治療を行うことが推奨されます。

検査・診断

カラアザールの診断は、流行地域においてのリーシュマニアへの接触歴の確認や症状変化、身体診察をもとにして疑われます。カラアザールの主病変は、骨髄をはじめとする臓器であり、こうした臓器から得られた検体を用いてリーシュマニアの存在を確認します。

発展途上国での流行をみるカラアザールは、より簡便な検査方法として血液を用いた迅速検査が行われることもあります。この検査方法は、リーシュマニアに対しての免疫が体内で確立されているかどうかを確認する方法です。
 

治療

カラアザールは無治療の場合、高い確率で死に至る危険性のある病気であるため、積極的な治療介入が必要です。使用される薬剤の種類としては、内服薬・注射薬・筋肉注射薬などがあります。実際にどのような治療方法を選択するかは、発症地域や医療整備体系、患者さんの状態などを考慮しつつ決定されます。

カラアザールでは、カラアザール後皮膚リーシュマニアと呼ばれる続発症を呈することもあります。周囲への感染予防の観点から治療対象になります。カラアザールは、リーシュマニアへの感染をきっかけとして発症する病気です。流行地域へ赴く際には、サシチョウバエに刺されないような対策として、長袖長ズボンの着用や虫除けスプレーの使用などを行うことが重要です。