かんじだせいしょくどうえん

カンジダ性食道炎

別名
食道モリニア症,食道カンジダ症
最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

カンジダ食道炎とは、カビの一種であるカンジダ菌が食道で異常に繁殖してしまった状態のことです。「食道モリニア症(食道カンジダ症)」と呼称される場合もあります。

カンジダ症食道炎は、栄養状態の悪化、免疫抑制剤の使用中、AIDS(エイズ)など免疫機能が低下する病気にかかっているなどしていると、発症しやすくなります。また、気管支喘息の治療で吸入薬(ステロイドの吸入薬)を使用している場合にも、認められることがあります。

カンジダ食道炎は、程度の軽いものであれば経過観察で済ませることが多いです。しかし、免疫機能が低下しているなど悪化の恐れがある場合には、抗真菌薬による治療が行われます。

原因

ヒトの体内に存在する微生物のうち、大多数に共通してみられ普段は病原性を示さないものを常在菌といいます。カンジダ菌とは口腔内、消化管、皮膚に存在している常在菌の一つです。普段は存在していても害を及ぼさない真菌(しんきん)(カビ)ですが、免疫が低下したり体が弱っていたりすると、異常に増殖してさまざまな感染症を引き起こすことがあります。このカンジダ菌による感染症のうち、食道の粘膜に感染したものをカンジダ食道炎といいます。カンジダ食道炎の原因となるのは、Candida albicanceと呼ばれ種類です。

症状

カンジダ食道炎の症状は、軽い嚥下障害(飲み込みにくさ)や胸やけを自覚する程度のものから、高度の嚥下時の痛みをきたす場合まで、その症状はさまざまです。なかには、まったくの無症状で上部消化管内視鏡検査胃カメラ)で偶然発見されることも、しばしばあります。

カンジダ菌は食道の壁の表層にとどまり、食道の深部や血液中に入り込んで感染症を起こすには至らないことがほとんどです。しかし、心筋の感染、肝臓・脾臓の瘍などを起こす全身性のカンジダ症の初期症状として食道に症状が出現する場合もあります。

検査・診断

カンジダ食道炎の検査は、上部消化管内視鏡検査胃カメラ)と生検検査があります。

上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)

上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)とは、口もしくは鼻から内視鏡(胃カメラ)を挿入して、食道や胃、十二指腸などを内側から直接観察する検査です。カンジダ食道炎の方の食道粘膜を胃カメラ検査で観察すると、白いプラーク状の付着物が認められます。これは特徴的な所見であるため、診断をつけることは比較的容易です。上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)による検査では、嚥下時痛などの症状の有無や程度などを考慮して治療の方針を決定していきます。

生検検査

生検検査とは、病変を直接採集して詳しく調べることで原因などを特定しようとする検査のことです。カンジダ食道炎では、上部消化管内視鏡検査を行った際に白色の付着物を認める食道の組織を採取して、顕微鏡等を用いて病理組織を調べるほか、培養検査を行ってカンジダ菌がいるか確認します。

治療

カンジダ食道炎の病変が認められるものの、特に自覚症状もなく軽症な場合は、経過観察をします。しかし、胸痛や飲み込みにくさなどの自覚症状がある、検査結果から重症と判断された、全身性の免疫低下があってカンジダによる血液感染症や心筋の感染、肝臓・脾臓の瘍などの重篤な感染症(深在性真菌症)を起こしうる可能性がある場合は、抗真菌薬による投薬治療が行われます。

全身性のカンジダ症に伴う食道カンジダ症の場合は重篤となる場合もあります。しかし感染が食道の粘膜のみにとどまっているものであれば、その予後は良好とされます。

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