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ガラクトース血症
ガラクトース血症とは、乳糖を構成するガラクトースに対しての正常な代謝が行われなくなってしまい、体内にガラクトースが蓄積する病気を指します。口から摂取された乳糖は消化管内で「ガラクトース」と「グル...
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ガラクトース血症がらくとーすけっしょう

更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
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2017 年 04 月 25 日
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概要

ガラクトース血症とは、乳糖を構成するガラクトースに対しての正常な代謝が行われなくなってしまい、体内にガラクトースが蓄積する病気を指します。口から摂取された乳糖は消化管内で「ガラクトース」と「グルコース」に分解された後に吸収をされます。消化管から吸収されたガラクトースは肝臓へと運ばれ代謝を受けますが、代謝に関わる酵素異常や肝臓への血流異常が存在すると適切なガラクトース代謝が行われずにガラクトースが体内にて蓄積することになります。
ガラクトース血症の中でも「ガラクトース-1-リン酸ウリジルトランスフェラーゼ欠損症」は、出生哺乳開始後から早期に症状が出現するようになり、下痢、嘔吐、肝障害、敗血症、髄膜炎などの重篤な合併症を生じます。本疾患の日本における発生頻度は90万人に1人と報告されています。早期に治療介入を行わなければ致死的な疾患であるガラクトース-1-リン酸ウリジルトランスフェラーゼ欠損症を早期に診断することを目的として、本邦においてガラクトース血症は新生児マススクリーニングの対象疾患になっています。


その他、こちらの記事も参照下さい。
https://medicalnote.jp/contents/170626-004-HV
https://medicalnote.jp/diseases/%E3%82%AC%E3%83%A9%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%BC%E3%82%B9-%EF%BC%91-%E3%83%AA%E3%83%B3%E9%85%B8%E3%82%A6%E3%83%AA%E3%82%B8%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%82%BC%E6%AC%A0%E6%90%8D%E7%97%87/symptoms

原因

ガラクトース血症は、ガラクトース代謝に関わる酵素に異常が生じることを原因として発症します。ガラクトース血症は大きく1型から3型までに分類されており、それぞれ「ガラクトース-1-リン酸ウリジルトランスフェラーゼ」、「ガラクトキナーゼ」、「ウリジル二リン酸ガラクトース-4-エピメラーゼ」と呼ばれる各種酵素異常で発症します。
ミルクや乳製品に含まれる乳糖は、経口摂取をされた後に消化管の中で「ガラクトース」と「グルコース」に分解を受けます。その後、両者は消化管から血液中に吸収をされた後に、「門脈」と呼ばれる血管を介して肝臓へと運搬されます。肝臓へと運ばれたガラクトースは、上記に述べたような各種酵素の働きを段階的に受けて、最終的にエネルギー源として利用されるようになります。
ガラクトース血症の中でも最も重篤な経過をとりうるガラクトース-1-リン酸ウリジルトランスフェラーゼ欠損症(ガラクトース血症1型)を例にとると、「ガラクトース」と、その中間代謝産物の一つである「ガラクトース-1-リン酸」が体内に大量に蓄積されるようになります。こうした欠損がもとになりさまざまな症状を呈するようになるのが、ガラクトース-1-リン酸ウリジルトランスフェラーゼ欠損症です。その他のガラクトース血症のタイプでも同様にガラクトースと、ガラクトースの中間代謝産物が体内に蓄積することになります。
ガラクトース血症は、「常染色体劣性遺伝」と呼ばれる遺伝形式をとります。この遺伝形式では両親は病気の保因者であり、異常な遺伝子が両親から子どもに引き継がれることで病気が発症することになります。お子さんにおいて病気を発症する確率は25%であり、50%の確率で病気の保因者になります。
なお、小腸から吸収されたガラクトースは、門脈を介して肝臓へ運ばれて初めて代謝を受けます。生後しばらくの間この血流が確立していないお子さんがいることも知られています。門脈の血流に異常があると、ガラクトースが体内に蓄積することになりますが、多くの場合は自然に改善すると考えられています。


その他、こちらの記事も参照下さい。
https://medicalnote.jp/contents/170626-004-HV
https://medicalnote.jp/diseases/%E3%82%AC%E3%83%A9%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%BC%E3%82%B9-%EF%BC%91-%E3%83%AA%E3%83%B3%E9%85%B8%E3%82%A6%E3%83%AA%E3%82%B8%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%82%BC%E6%AC%A0%E6%90%8D%E7%97%87/symptoms

症状

ガラクトース血症はタイプによって症状が異なり、ガラクトース血症1型(ガラクトース-1-リン酸ウリジルトランスフェラーゼ欠損症)が最も重篤な臨床経過をたどります。具体的な症状は経口哺乳を開始してから認めるようになり、不機嫌、哺乳力の低下、体重減少、嘔吐・下痢、等をみます。進行性の肝機能障害を呈するようになるため、黄疸や凝固機能の異常を伴うようになります。凝固機能とは血液を固めるのに重要な機能であり、この異常に関連した症状として「血液が固まりにくい」といったものが生じ得ます。また、ガラクトース高値が大腸菌発育を促進するため敗血症や髄膜炎などの重篤な感染症を併発することも多いです。
ガラクトース血症のその他の二つのタイプは、それほどの重篤な経過を辿ることは多くはありません。ガラクトース血症2型は白内障が最も多い症状であり、3型は臨床的に問題となる明らかな症状を呈することはほとんどありません。3型の中にも1型と同様の全身症状を呈するものも知られていますが、日本における報告例はありません。
ガラクトース血症は日本においては新生児マススクリーニングの対象疾患となっており、早期の段階から治療介入を行うことが可能です。しかしながら早期介入を行った際でも、発達障害や運動失調などの神経症状が残存することもありえます(特にガラクトース血症1型において)。また女児では80~90%で卵巣機能不全が認められるとも報告されています。


その他、こちらの記事も参照下さい。
https://medicalnote.jp/contents/170626-004-HV
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検査・診断

日本においては、新生児期早期のうちに先天性代謝疾患を発見しようという「新生児マススクリーニング」と呼ばれる環境整備がされています。ガラクトース血症は新生児マススクリーニングの対象疾患の一つになっており、本スクリーニングを通して本疾患が疑われます。
スクリーニングには「ボイトラー法」と「酵素法」の二つの方法があります。ボイトラー法では、ガラクトース-1-リン酸ウリジルトランスフェラーゼの酵素活性を測定することになり、ガラクトース血症1型において酵素活性が低下していることが確認されます。
ガラクトース血症ではガラクトースとその中間代謝産物が体内に蓄積します。酵素法では、こうした異常に蓄積した物質を測定することになります。


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https://medicalnote.jp/contents/170626-004-HV
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治療

ガラクトース血症では、ガラクトースの代謝を正常に行うことができません。したがって、ガラクトースを含む物質を除去した食事を生涯にわたって継続することが必要になります。母乳や通常のミルクの使用は避ける必要があり、乳糖(ガラクトースのもとになります)を除去したミルクを使用する必要があります。もしくは牛乳などの成分以外から生成された大豆乳を使用することも検討されます。ガラクトース血症で使用可能なミルクは市販されているため、こうしたものを利用することになります。
なお、門脈血流異常が存在する場合でも、マススクリーニングで陽性結果が出ることがあります。しかし門脈血流異常にともなう血中ガラクトース値上昇は時間経過と共に自然に改善することが多く、無治療で経過観察することが多いです。中には血流異常が改善しなかったり、程度が強かったりする場合もありますので、そのときにはガラクトース血症に準じた食事療法、手術療法がとられることになります。


その他、こちらの記事も参照下さい。
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