きーんべっくびょう

キーンベック病

最終更新日:
2022年10月03日
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2022/10/03
更新しました
2017/04/25
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概要

キーンベック病とは、手首の付け根にある“月状骨”と呼ばれる骨への血流が低下することで潰れていく病気のことです。月状骨への血流が低下する明確な原因は解明されていませんが、この病気は手をよく使う職業の人に発症しやすいとされています。

キーンベック病を発症すると手首に痛みと腫れが生じます。しかし、発症の初期段階ではX線検査などをしてもはっきりとした異常が描出されにくく発見が遅れることも少なくありません。進行すると月状骨が壊死(えし)して扁平化(平らになる)し、手首の動かしにくさや握力の低下が目立つようになります。

治療は初期段階であれば手首の安静を維持し、痛みを緩和させる鎮痛薬を使用するなどの対症療法が行われます。しかし、対症療法を行っても症状が改善せず、日常生活に支障をきたす場合には手術が必要になることもあります。

原因

キーンベック病は、手首の付け根にある“月状骨”が壊死して潰れていく病気です。

月状骨が壊死に至る原因は血流が低下することとされていますが、血流低下が生じる明確な発症メカニズムは解明されていません。しかし、この病気は手を酷使しがちな職業の人に発症しやすく、月状骨に軽微な外傷が繰り返されたり、ごくわずかな骨折が生じたりすることが血流低下の原因とする説があります。一方で、手首に外傷を負ったことがない人や手を使う職業にない高齢者が発症することもしばしばあるため、はっきりした原因は定かでないのが現状です。

症状

キーンベック病は、発症すると手首に痛みと腫れが生じます。進行すると月状骨が壊死して潰れていくため、手首を動かせる角度が小さくなり、握力も低下していきます。また、初期段階では月状骨がある手首の中心部のみに痛みと腫れが限られますが、進行すると手首全体に痛みと腫れが広がります。

強い痛いや手首の動かしにくさなどから日常生活に支障をきたすケースも少なくありません。

検査・診断

キーンベック病が疑われる場合は、次のような検査が行われます。

(1)画像検査

キーンベック病の診断にはX線検査が必須となります。しかし、発症の初期段階では画像検査で異常がみられないこともあるため、症状などからキーンベック病が疑われる場合はMRIによる詳しい検査が必要です。病変の範囲から尺骨突き上げ症候群など別の病期との鑑別を行います。

(2)血液検査

手首の痛みやこわばりを引き起こす関節リウマチなど別の病気の鑑別を行うために血液検査を行うことがあります。

治療

キーンベック病の治療方法は重症度や日常生活への支障の度合いなどによって大きく異なります。

症状が軽く月状骨の変形がほとんどない初期段階の場合は、装具などを用いて手首の安静を図り、痛みなどの症状に対しては鎮痛薬を使用するといった対症療法を行います。しかし、重症化して対症療法のみでは症状が改善しない場合は月状骨につながる橈骨(とうこつ)という前腕の骨の一部を切って月状骨への負担を減らしたり、月状骨への血流を改善するために骨・血管移植する手術が必要になったりします。また月状骨が壊死して潰れた状態の場合は、痛みを改善する目的で月状骨を摘出する手術を行うこともあります。

予防

キーンベック病は明確な発症メカニズムが解明されていないため、確実な予防法はないのが現状です。一方で、手を酷使する職業の人が発症しやすいとされているため、手を酷使することには注意が必要です。

また、この病気は進行すると月状骨が壊死するなど重い症状を引き起こすため、早い段階から適切な治療を行う必要があります。手首に痛みや腫れなどの違和感が続くときは、軽く考えずに早めに医師の診察を受けましょう。

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