泌尿器

クラミジア(くらみじあ)

クラミジアとは

クラミジア感染症は、クラミジア・トラコマティスという細菌により引き起こされる性感染症のひとつです。性感染症の原因の半数を占めるといわれており、性活動の盛んな10〜20代に多く発症します。2015年だけをみても、24,000人を超える感染者が認められたことから、社会的にも問題となっています。

無症状である場合が多く、症状があっても軽微である場合が多いため、早期の発見が難しい病気です。女性の患者さんが多く、男性の2倍以上にのぼるといわれています。性器だけでなく、咽頭や眼に感染することもあります。特に女性の場合は、治療せずに放置してしまうと子宮外妊娠や不妊症につながる危険性があります。

原因

クラミジア・トラコマティスという細菌に感染することによって引き起こされます。そのほとんどは性的接触により精液、膣分泌液、血液、唾液といった体液を介して感染します。通常の膣性交による性器感染に加えて、口腔性交(オーラルセックス)による咽頭感染、肛門性交(アナルセックス)による直腸感染といった経路も挙げられます。
また、手に分泌物が付着したまま目をこするなどして結膜が感染する場合もあります。目に感染すると、鼻涙管(びるいかん:目と鼻をつなぐ管)を通じて咽頭感染が引き起こされる場合があります。
クラミジアは非常に弱い菌であるため、タオルなどの生活用品の共有や入浴で感染する可能性は非常に低いと考えられます。

クラミジアは感染しても無症状の場合が多いため、気がつかずにパートナーにうつす、うつされる状態を繰り返す「ピンポン感染」が多く認められます。また、コンドームが適切に使用されていない場合や不特定多数の方との性的接触がある場合には、感染のリスクが高くなるといえます。妊婦の方が感染している場合、出産時に産道で赤ちゃんが感染してしまう危険性があります。

症状

クラミジアに感染しても無症状、もしくは目立った症状が現れないために気がつきにくい傾向にあります。男性の約50%、女性の約80%の方が無症状であるといわれています。
クラミジア感染症は、感染後約1〜3週間程度の潜伏期間を経た後、症状が出現します。

男性の場合

尿道から水っぽい白濁した分泌物が出現する、かゆみを感じる、排尿時に痛みを感じるといった症状が認められます。

女性の場合

子宮頚管(けいかん)炎を引き起こし、下腹部に痛みを感じる、排尿時や性行時に痛みを感じる、おりものが増加する、不正出血が起こる、といった症状が現れます。

放っておくと、男性の場合は男性不妊症、女性の場合は子宮外妊娠や不妊症につながる可能性があります。特に妊婦の方の場合、流産や早産のリスクが高まるだけでなく、産道を介して赤ちゃんが感染する危険性があります。赤ちゃんが感染してしまうと、新生児肺炎や結膜炎を引き起こすことがあります。

クラミジアは性器だけでなく、咽頭(のど)や結膜に感染することもあります。咽頭に感染した場合も、特に目立った症状が認められないことがほとんどです。
クラミジア結膜炎の場合は、結膜の充血、目やにの出現、眼瞼(がんけん)結膜にブツブツが生じるといった症状が認められます。

検査

男性の場合は、2時間以上排尿しなかった後の初尿(出始めの尿)を用いて検査を行います。女性の場合は、子宮頸管(けいかん)の分泌物、もしくは腟の内側の粘膜部分を軽くこすって採取した腟分泌物を用いて検査を行います。
具体的には、クラミジアの抗原を検出する「IDEIA PCE Chlamydia法」やクラミジアの核酸(DNAやリボソームRNA)を増幅して検出する「TaqMan PCR法」「SDA法」「TMA法」などが用いられます。

咽頭(のど)にクラミジアが感染しているかどうかを検査する場合には、「スワブ法」または「うがい液法」にて検体を採取します。「スワブ法」では、綿棒を用いて咽頭部をぬぐい、検査に使用します。「うがい液法」では、0.9%の生理食塩水を口に含んでうがいをし、うがい液を回収して検査を行います。うがい液法は、患者さんへの負担が少ない上、咽頭の菌の回収率がよく、検出率が高いといわれています。両者ともに、前述した核酸増幅法により感染の有無を確認します。

また最近では、早期発見を促す目的で検査キットが市販されています。インターネット上で購入し、自身で指定部位の検体採取を行って検査機関に送付すると、短ければ数日で結果を得ることができます。

治療

クラミジア感染症の治療には、抗菌薬(抗生物質)が用いられます。マクロライド系またはニューキノロン系抗菌薬のうち、クラミジアに対して抗菌力のあるもの、もしくはテトラサイクリン系の抗菌薬を2週間ほど服薬します。アジスロマイシン(ジスロマック®)は1度の服用で効果が1週間程度持続するため、日本においても単回服用療法として広く使用されるようになっています。重症例ではミノサイクリン(ミノマイシン®)の点滴が実施される場合があります。菌が消滅しきらない恐れがあるだけでなく、耐性菌が出現する可能性もあるため、医師の指示に従ってきちんと服薬することが重要です。
またパートナーにも感染している可能性が高いため、自身が治療すると同時にパートナーの治療も必要となります。

投薬中は体内にクラミジアが残っているため、性行為は避けたほうがよいでしょう。服薬後2〜3週間は抗菌薬の影響が残るといわれていることから、1か月程度経ってから再度病院で検査を受け、クラミジアが陰性であることを確認する必要があります。

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