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コフィン・シリス症候群
コフィン・シリス症候群とは、知的面と成長面の障害、特徴的な顔貌(髪の毛が薄い、眉毛が濃い、口唇が薄いなど)、小指の爪や先端の骨が小さいなどの特徴を有する疾患を指します。2012年に原因となる遺伝...
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コフィン・シリス症候群こふぃんしりすしょうこうぐん

更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
更新履歴
2017 年 04 月 25 日
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概要

コフィン・シリス症候群とは、知的面と成長面の障害、特徴的な顔貌(髪の毛が薄い、眉毛が濃い、口唇が薄いなど)、小指の爪や先端の骨が小さいなどの特徴を有する疾患を指します。2012年に原因となる遺伝子群が報告されていますが、数多くの遺伝子が病気の発症と関連していると考えられています。
コフィン・シリス症候群は、日本において難病指定を受けている疾患のひとつです。世界において150例弱の報告がされていますが、原因となる遺伝子異常が報告されて日が浅いこともあり、今後さらに報告例が増えてくるのではないかと考えられています。
コフィン・シリス症候群に対しての根本治療方法は存在せず、合併しうる病気・状況に応じてフォローをすることがとても大切な疾患です。

原因

コフィン・シリス症候群と関連して、いくつかの遺伝子異常が原因となることが知られています。原因となる遺伝子には、ARID1A、ARID1B、 SMARCB1、SMARCE1、SMARCA4などが知られています。このなかでも、ARID1B遺伝子異常に関連するコフィン・シリス症候群がもっとも頻度が高いです。これらの遺伝子は、「SWI/SNF」と呼ばれるタンパク質を構成するのに重要です。DNA上に保存されている遺伝子情報が適切なタイミングで働くために、SWI/SNFタンパク質は重要な役割を果たしています。
DNAにはいくつもの遺伝子情報が存在していますが、無秩序に情報が利用されている訳ではありません。すなわち、遺伝子情報は秩序だった形で適切に調整される必要があります。遺伝子情報として使用する必要がないDNAについては、小さく折り畳まれてしまわれています。SWI/SNFタンパク質は、遺伝情報を使用するか、それともしまっておくかを決定するのに重要な役割を果たしています。
SWI/SNFタンパク質はARID1A、ARID1B、 SMARCB1、SMARCE1、SMARCA4などの遺伝子が協調して形成されるタンパク質です。これら遺伝子に異常が存在すると、異常なSWI/SNFタンパク質が産生されることになり、DNA上の遺伝子情報が不適切な形で使用されることになります。その結果、コフィン・シリス症候群で見られるような各種症状が出現することになります。
コフィン・シリス症候群は遺伝子異常で発症する病気ですが、多くの場合は突然遺伝子異常が発生することから病気に至ります。遺伝子異常を持った人(すなわちコフィン・シリス症候群の方)がお子さんを有する場合、「常染色体優性遺伝」と呼ばれる遺伝形式をとります。この遺伝形式では、お子さんが同じような病気を有する確率は50%です。

症状

コフィン・シリス症候群は、知的運動面の遅れと小指が小さいことで特徴付けられる疾患です。知的面の遅れは中程度から重度であり、発語が障害されることもあります。指の爪が小さかったり、もしくは全く認めなかったりすることもあります。指の末端の骨が小さいという特徴もあります。こうした指に関連した症状は、小指(手足ともに)に認めることが多いです。見た目の特徴をみることもあり、髪の毛が薄い、眉毛が濃い、口唇が薄いなどがあります。小頭症の症状を示すこともあります。
また、コフィン・シリス症候群では呼吸器感染症を繰り返すことも多いです。哺乳障害や成長障害、筋力低下を見ることもあります。さらに、心臓や腎臓、や眼球などに先天的な障害を生じることもあります。脳の奇形や難聴をみることもあります。

検査・診断

コフィン・シリス症候群は、(ARID1A遺伝子、ARID1B遺伝子、SMARCB1遺伝子、SMATCA4遺伝子、SMARCE1遺伝子、PHF6遺伝子、SOX11遺伝子)が原因となって発症する病気です。したがって、これら遺伝子に病気の原因となる異常が存在しないかどうかを確認するため、遺伝子検査が行われることがあります。
しかしながら、必ずしもこうした遺伝子異常を認めるばかりではありません。その場合には、先に挙げた症状を基準としてコフィン・シリス症候群を診断することになります。特に強調される症状としては、小指の爪及び端っこの骨の低形成、発達知的障害、顔貌上の特徴(濃い眉毛と薄い髪の毛、唇が厚いなど)です。
コフィン・シリス症候群では先天性心疾患や脳奇形などの合併症をともなうこともあるため、合併症の状況を評価する検査が行われることもあります。先天性心疾患であれば、胸部単純レントゲン写真、心電図、心エコーなどがおこなれます。脳奇形と関連して頭部CTやMRI、脳波が行われます。

治療

コフィン・シリス症候群に対しての根本的な治療方法は存在せず、症状に対応した支持療法が中心になります。コフィン・シリス症候群では知的面での障害を認めるため、療育的支援(理学療法、作業療法、言語療法)が重要になります。
呼吸器感染症を繰り返す特徴もあるため、適宜抗生物質などの使用を検討することになります。感染症予防を目的として、既定の予防接種を徹底することも重要です。心疾患では、心臓の病気に合わせて内服薬や手術適応が検討されることになります。なお、呼吸器感染症や心不全などをきっかけとして呼吸不全が生じることもあります。その場合には人工呼吸器が使用されることもあります。
脳の奇形に関連して、てんかんを発症することもあります。この場合には、抗てんかん薬の使用が適宜検討されます。難聴を来すこともあるため、補聴器の使用なども行われます。
コフィン・シリス症候群の症状は全身多岐に渡ります。したがって、各分野を担う医療従事者がチーム体制を組み、患者さんへのアプローチをすることが求められます。