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ジアノッティ病

最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

ジアノッティ病とは、B型肝炎ウイルスが原因で発症する病気です。手足など四肢末端に盛り上がりを見せる皮膚病変と、急性肝炎の症状を同時に呈するようになります。
皮膚に特徴的な所見の広がりを生じることから、B型肝炎ウイルス感染を疑うきっかけになることもあります。同じような症状を呈する病気にジアノッティ・クロスティ症候群があり、これはB型肝炎ウイルス以外のウイルス、たとえばEBウイルスやサイトメガロウイルスなどのウイルス感染が原因で引き起こされます。

ジアノッティ病はいわば急性B型肝炎を起こしている状態なので、基本的には対症療法で経過観察を行います。近年では定期接種としてのワクチンによるB型肝炎の予防接種の普及や輸血製剤の管理法の改善などにより、B型肝炎ウイルスに罹患すること自体が減少しているため、ジアノッティ病はあまり見られなくなってきています。
 

原因

ジアノッティ病はB型肝炎ウイルスに対する反応がきっかけで生じると考えられていますが、正確なメカニズムは不明です。主0〜3歳といった乳幼児によく見られる病気です。

症状

ジアノッティ病では、四肢末端の皮膚病変と肝炎症状を呈するようになります。
四肢の皮膚病変はこの病気の発症初期に生じるもので、大きさは米粒大で、赤みやかゆみを伴っていたり、周囲の皮膚と比べて盛り上がっていたりといった見た目を示します。こうした皮膚病変が、徐々に顔面や体幹、お尻などの体の中右心部へ広がります。ジアノッティ病の皮膚病変は20〜25日ほどすると自然に消えてしまいます。

発熱や吐き気、嘔吐、黄疸など自覚症状のほか、肝臓の腫れといった急性肝炎に関連した症状が出現します。これらは多くの急性肝炎と同様、自然に治ることが多いですが、まれに慢性肝炎、肝硬変肝細胞がんなど肝臓の病気に進展することもあります。

ジアノッティ病と類似するジアノッティ・クロスティ症候群でも同様の皮膚症状と肝障害が生じますが、他にも原因となる病原体に応じて異なる随伴症状が出現します。たとえば、コクサッキーウイルスであれば風邪・胃腸風邪症状としての発熱や喉の痛み、頭痛、下痢や腹痛などが出現します。

サイトメガロウイルスが原因の場合、無症候性であることもありますが、ときに重篤な貧血や脳への障害、失明や難聴、けいれんを併発することもあります。
 

検査・診断

ジアノッティ病では、特徴的な皮膚症状や肝障害を思わせる随伴症状などがないか確認します。

また、ジアノッティ病が疑われる場合にはB型ウイルスの有無を調べるため、血液検査によりHBs抗原、HBc抗体、HBe抗原など、B型肝炎ウイルス関連の指標を確認します。またB型肝炎ウイルスのDNAが検出されるか調べるため、PCR法と呼ばれる方法が選択されることもあります。ジアノッティ病では肝障害の評価も重要です。肝機能・肝障害評価のために、血液検査でASTやALT、ビリルビンなどの項目を評価することになります。
 

治療

ジアノッティ病は、自然治癒が期待できます。そのため、発熱に対しては解熱剤、かゆみにたいしてはかゆみ止めの内服薬や塗り薬などの使用といった対症療法をとりつつ、安静や食事療法などを併せて実施します。まれに慢性化することがあります。

近年の日本では、B型肝炎ウイルスワクチンが定期予防接種として導入されています。1歳未満の乳児が接種対象となっています。ワクチンによる予防接種を受けて対策をとることが、ジアノッティ病発症の予防につながります。
 

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