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スタージ・ウェーバー症候群
スタージ・ウェバー症候群とは、体の特定部位の血管発達に異常を来すことから発症する先天性疾患の一つを指します。影響を受ける臓器としては脳や皮膚、眼が代表的であり、軟膜血管腫、顔面のポートワイン母斑...
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スタージ・ウェーバー症候群すたーじうぇーばーしょうこうぐん

更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
更新履歴
2017 年 04 月 25 日
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概要

スタージ・ウェバー症候群とは、体の特定部位の血管発達に異常を来すことから発症する先天性疾患の一つを指します。影響を受ける臓器としては脳や皮膚、眼が代表的であり、軟膜血管腫、顔面のポートワイン母斑、緑内障などが問題になります。こうした病変に関連して、てんかんや発達障害、運動麻痺、視力障害などの症状を呈するようになります。

スタージ・ウェバー症候群は日本においては難病指定を受けている疾患の一つであり、年間10-20人程度の発生があると報告されており、およそ1,000人の患者さんが日本にいらっしゃると考えられています。スタージ・ウェバー症候群は、GNAQと呼ばれる遺伝子の異常と関連して発生すると考えられています。遺伝子レベルにおける異常ではありますが、遺伝性のある疾患ではなく、スタージ・ウェバー症候群は家族歴がある病気ではなく突然発症的に発生します。

スタージ・ウェバー症候群に対しての根本的な治療方法はなく、症状に対しての対症療法が中心となります。発達やてんかん、緑内障など出現する病状に対してのアプローチが求められ、継続的に医療介入を行うことが必要です。

原因

スタージ・ウェバー症候群では、GNAQと呼ばれる遺伝子における異常と関連して発症すると考えられています。GNAQ遺伝子は、「グアニンヌクレオチド結合タンパク」と呼ばれるタンパク質の形成に関わる遺伝子であり、血管が正常に発達・機能するために重要な役割を果たしています。GNAQ遺伝子に異常が発生すると、正常な血管発達に支障が生じることとなり、スタージ・ウェバー症候群に特徴的な血管異常を引き起こすと考えられています。

GNAQ遺伝子に対しての異常が生じるタイミングは、精子と卵子が受精した後、胎児が発生するある段階において早いタイミングであると想定されています。ある程度の臓器発達が始まっている時期に異常が生じるため、出生後全身の細胞すべてにおいて遺伝子異常が同定できる訳ではなく、特定臓器(主には脳や皮膚、眼)における血管でのみ異常が生じることになります。このように、一人の身体に注目した際、同じ遺伝子であっても正常な遺伝子を持ち合わせている細胞と異常な遺伝子を持つ細胞が混在している状況を「モザイク」と呼びます。スタージ・ウェバー症候群の患者さんでは、遺伝子レベルにおいてモザイクな状況であると考えられています。

遺伝子異常の発生するタイミングは、先に述べた通り受精後しばらくしてからです。そのため、両親の生殖細胞(精子や卵子)に先天的に異常があるという訳ではなく、突然変異的に遺伝子異常が発生することから病気の発症につながります。すなわち、スタージ・ウェバー症候群は遺伝子レベルの異常であると考えられていますが、遺伝する疾患ではありません。

症状

スタージ・ウェバー症候群は、脳、皮膚、眼における血管異常に関連した症状が出現します。

脳の表面を覆う血管に異常が生じることから「軟膜血管腫」と呼ばれる異常が発生します。脳の血液循環に支障が生じることとなり、発達障害やてんかん、運動麻痺、片頭痛等といった症状を認めます。てんかんの様相はさまざまであり、明らかにけいれんと同定できるものもあれば、意識がハッキリせずぼーっとしているように見えるだけでピクつきがはっきりしないこともあります。てんかんをコントロールすることは、発達を考慮した上でとても重要な観点となるため、見た目ではっきりしないけいれんであっても看過してはいけません。

皮膚における症状は、出生時からみられることになる「ポートワイン母斑」があります。典型的には薄いピンクから赤紫色の色調をしており、前頭部や側頭部、まぶた周辺に広範囲に認めることになります。この病変そのものが身体的な健康障害をもたらす訳ではありませんが、美容的な観点からの問題を引き起こすことになります。

眼における症状は、緑内障が代表的です。緑内障は眼圧が上昇する疾患ですが、乳児期にみることもあれば、思春期前後に発症することもあります。眼圧が上昇することから、両目のサイズが異なるようになります。また、緑内障を発症すると、視野障害や視力低下にもつながります。

検査・診断

スタージ・ウェバー症候群は、出生時の顔面における皮膚所見を元に疑われることになります。頭蓋内病変を評価するために、MRIやCT、SPECT、PETといった画像検査を参考にします。経過中にてんかんに注意することは重要であり、脳波検査が必須となります。さらに、スタージ・ウェバー症候群では緑内障が発症するリスクも伴うため、眼圧測定や視野検査、視力検査を行うことも重要になります。また、GNAQ遺伝子に関連した異常から発生するとも考えられる疾患であり、同遺伝子異常を検索することもあります。

治療

スタージ・ウェバー症候群に対しての根本的な治療方法は存在しておらず、出現する症状に対しての対症療法が中心となります。経過において重要なものの一つは、てんかんのコントロールであり、良好な発達を促すためにもてんかんに対しての治療介入は必須とも言えます。具体的には、発作のタイプに応じて抗てんかん薬が使用されることになります。抗てんかん薬に対しての治療反応性は個人において大きく異なり、内服薬が奏功しないこともあります。この場合においては、手術的にてんかんの原因となっている病変部位に対してのアプローチが検討されます。

目の緑内障に対しては、眼圧を下げる点眼薬を用います。点眼薬による治療効果が不十分な場合には、手術治療を行うことが検討されます。 顔面のポートワイン母斑に対しては、レーザー治療介入が行われます。

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