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Esophagus
バレット食道
バレット食道とは、胃食道逆流症を背景として発症する、食道粘膜の組織学的な変化を指します。胃食道逆流症により胃酸が逆流することで、食道部分が酸にさらされる機会が増え、その結果としてバレット食道が発...
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食道

バレット食道ばれっとしょくどう

更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
更新履歴
2017 年 04 月 25 日
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概要

バレット食道とは、胃食道逆流症を背景として発症する、食道粘膜の組織学的な変化を指します。胃食道逆流症により胃酸が逆流することで、食道部分が酸にさらされる機会が増え、その結果としてバレット食道が発症します。

バレット食道を発症すると、食道がんを発症するリスクが高まることが知られています。バレット食道から発症する食道がんが進行してしまった場合、その予後は良好ではないという報告もあるため、バレット食道の診断がついた場合、定期的に内視鏡検査で経過観察を行うことが大切です。

胃食道逆流症はバレット食道の大きなリスク因子であるため、将来的な食道がん発症を予防する意味合いからも早期に対応することが重要です。バレット食道が進行した状況で食道がんの発生率が高いと考えられる場合には、内視鏡や手術などの治療も検討されます。

原因

リスク因子

バレット食道の発症過程において、胃食道逆流症は大きな要因であると考えられています。その他、肥満、喫煙などによってもバレット食道を発症するリスクが高まります。一方、消化性潰瘍に重要な因子であるピロリ菌に感染すると、胃酸の分泌が低下するためバレット食道の発症リスクが低くなると考えられています。その他、野菜や果物などの食物もバレット食道の発症を低下させるといわれています。

発症のメカニズム

食道の粘膜は、健康な状態では扁平上皮(へんぺいじょうひ)と呼ばれる組織形態を取っています。しかし、食道の粘膜が慢性的に胃酸にさらされると、胃から連続的に円柱上皮(えんちゅうじょうひ)と呼ばれる組織形態に変化してしまうことがあります。この状態をバレット食道と呼びます。

胃酸は食道粘膜に慢性的な炎症反応を引き起こし、食道粘膜は損傷と修復を繰り返します。この反応に呼応して、組織形態が扁平上皮から円柱上皮に変化すると考えられています。

症状

粘膜の組織変化そのものによる症状はありません。ただし、バレット食道は胃酸の逆流と関連して発症するため、以下のような胃食道逆流症の症状がみられるようになります。

  • 胸やけや呑酸(どんさん)などの逆流症状:胸焼けとは前胸部の中央が焼ける感じがする症状です。呑酸は酸っぱい水が口の中へ上がってくる感じがする症状です。
  • 胸痛やつかえ(嚥下困難)
  • 喘鳴(ぜんめい):呼吸の際にゼイゼイといった音がする状態です。特に夜間にむせこむような咳が出現します。高齢者では、肺炎の原因となることもあります。

バレット食道という組織学的な変化が生じると、将来的な食道がんの発症リスクが高まると考えられています。バレット食道の円柱上皮は、dysplasiaと呼ばれる形態変化を示し、最終的に食道がんを発症することになります。

バレット食道と関連しない食道がんの場合、もともとの食道の組織形態(扁平上皮)を反映して「扁平上皮がん」と呼ばれるタイプの食道がんを発症することが多いです。一方、バレット食道では、その形態変化(円柱上皮)を反映して、「腺がん」と呼ばれる形態を取ることになります。

検査・診断

バレット食道の診断に際しては、上部消化管内視鏡検査が重要になります。バレット食道の病変は胃から連続性に生じるため、特に胃と食道の移行部位における組織形態の観察が大切です。バレット食道の形態変化をより明確に観察するために、インジゴカルミン散布、メチレンブルー染色などの方法がとられることがあります。また、酢酸散布を併用する拡大観察が行われることもあります。

バレット食道では、円柱上皮からdysplasia、そして腺がんへと組織学的に変化をきたすことになります。こうした組織学的な検査をするために、内視鏡検査において食道粘膜を生検することもあります。

治療

バレット食道は胃食道逆流症を基盤として発症するため、発症させないためには胃食道逆流症の治療についても考える必要があります。胃食道逆流症の治療としては、胃酸分泌抑制薬であるプロトンポンプ阻害薬(Proton Pump Inhibitor:PPI)による治療が一般的です。その他、H2ブロッカー(胃酸分泌抑制作用)、粘膜保護薬、消化管運動機能改善薬などが用いられます。

薬による治療が奏効しない場合の選択肢として、外科手術により胃酸の逆流を抑制する治療もあります。バレット食道を発症した際には、組織学的な変化が治療の決定に重要な因子となります。 dysplasiaの程度が強い場合や腺がんの発生がある場合には、内視鏡的な切除術や手術の適応が検討されます。食道がん全体からみると、バレット食道に関連した食道がんは日本ではまだ少ないため 、専門的な施設で治療を受けることとなります。

日常生活上の注意点

普段の食生活では、脂肪の多い食べもの、アルコール、コーヒー、炭酸飲料、チョコレートなどは逆流症状を悪化させるので、避けたほうがよいとされます。

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