ぱんなーびょう

パンナー病

最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

パンナー病とは、肘関節の一部である上腕骨小頭の成長軟骨の中心部(骨端核)損傷により、肘に強い痛みや動かしにくさが生じる病気です。骨の成長過程にある小児期、特に5~10才前後の男児の利き腕に発症することが多いといわれています。

パンナー病を発症すると、ボールを投げるなど肘を動かす動作をしたときに痛みを自覚します。骨端核の破壊が徐々に進むため、肘関節の機能障害をもたらします。まれな病気ではありますが、成長過程において治癒傾向に向かうことも期待できます。なお、パンナー病と類似した変化が股関節にもみられることがあり、こちらはペルテス病と呼ばれます。
 

原因

パンナー病はまれな病気であることとも関連して、その発症原因には不明な部分も多いです。しかし、肘関節を頻繁に使用することが誘因のひとつではないかと推定されています。そのため、野球や体操、ハンドボールなどのスポーツが、発症や悪化のリスクであると考えられています。

上腕骨の肘関節側には、上腕骨小頭と呼ばれる部位があります。上腕骨小頭は骨が伸張過程を達成するのに重要な成長軟骨と呼ばれる組織が存在しています。上腕骨が正常に成長するためには、成長軟骨が充分な血液供給を受ける必要があります。しかしパンナー病では血液供給が障害を受けるため、正常な骨の成長が阻害されます。血液供給の低下により細胞が死ぬため、一時的に細胞の成長が阻害されます。なぜ血液供給が低下するのか、そのメカニズムについては完全には明らかとなっていません。
 

症状

パンナー病を発症すると、肘関節に痛みを自覚するようになります。肘関節の痛みは肘を動かす動作と関連して悪化し、安静を保つことで痛みは軽減します。痛みの程度が強くなると肘関節を動かしにくくなるため、関節が動く範囲も狭くなります。特に肘関節を伸ばすことが難しくなります。

さらに、パンナー病では肘関節の痛み以外にも肘関節周囲の腫れも生じます。症状は数週間、長い場合には数か月持続します。
 

検査・診断

診断をおこなうためには、年齢的な要素や肘に対しての負荷、身体所見による肘関節の変化を詳細に検査することが重要です。まず、肘関節のレントゲン写真を撮影し、上腕骨小頭に生じている形態的な変化を詳細に確認します。

上腕骨小頭で生じる変化は経時的なものです。臨床症状の変化との関連性をみるため、複数回レントゲン検査がおこなわれることもあります。なお、局所をより詳細に評価するために、MRI検査を実施することもあります。
 

治療

パンナー病では、基本的に後遺症を残すことなく治癒することが期待できます。そのため自然治癒を期待しつつ、対症療法をおこなうことが基本となります。痛みの誘因となりうるような動作を避ける、局所の安静を保つためスポーツを一時的に休止します。

また痛みの対処として、鎮痛剤や肘関節の動きを制限するための装具を使用することもあります。パンナー病では正確な診断と適切な治療が行われれば、半年~1年ほどで後遺症を残すことなく症状の喪失が期待できます。
 

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