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ポルフィリン症
ポルフィリン症とは、先天性の代謝性疾患の一つを指します。ポルフィリン症は、赤血球の赤色の元となっている「ヘム」と呼ばれる物質に関連した代謝異常です。ポルフィリン症には多くの病型が含まれており、皮...
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ポルフィリン症ぽるふぃりんしょう

更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
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2017 年 04 月 25 日
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概要

ポルフィリン症とは、先天性の代謝性疾患の一つを指します。ポルフィリン症は、赤血球の赤色の元となっている「ヘム」と呼ばれる物質に関連した代謝異常です。ポルフィリン症には多くの病型が含まれており、皮膚や神経、消化器系などにさまざまな症状を引き起こすことになります。原因としては遺伝子レベルでの異常であることもあれば、ウイルス感染などが発症に関与していることもあります。

病型に応じて症状の出方はさまざまであり、日常生活における注意点も異なります。ポルフィリン症に対しての根本的な治療方法は確立されておらず、症状に応じた対症療法を行うことになります。

原因

赤血球に含まれるヘモグロビンは、「ヘム」と呼ばれる色素と「グロブリン」と呼ばれるタンパク質から構成されています。ヘムは生体内において、「グリシン」と「サクシニルCoA」と呼ばれる物質から合成されます。これら二種類の物質から最終産物であるヘムが合成されるまでの過程は複雑であり、いくつもの代謝酵素が関与していることが知られています。

ヘムの代謝における各種代謝酵素が適切に機能しない状態になると、ヘムの合成が阻害され、同時に代謝経路の中間産物(ポルフィリンと総称されます)が体内に異常に蓄積します。ヘム代謝に異常が存在することから発症するのが、ポルフィリン症です。

ヘム代謝に関わる各種酵素は、ALADALAS2CPOXFECHHMBSPPOXURODUROSといった遺伝子をもとに作成されています。こうした遺伝子に異常が生じることから、ポルフィリン症が発症することとなります。

遺伝子異常に関連して発症するポルフィリン症は、遺伝性疾患としての側面を有することもあります。ただし、遺伝形式は、常染色体優性遺伝、常染色体劣性遺伝、伴性優性遺伝など、原因遺伝子によりさまざまです。また、家族歴がなく突然発症的にポルフィリン症が発症することもあります。

また、ポルフィリン症のなかでも晩発性皮膚ポルフィリン症は、遺伝子異常を原因とするのみならず、飲酒、喫煙、C型肝炎ウイルス、HIV、各種内分泌などが発症に関与することもあります。

症状

ポルフィリン症は、原因に応じて症状の出現様式が大きく異なり、大きく分けて「皮膚ポルフィリン症」と「急性ポルフィリン症」の二つに分類されます。

皮膚ポルフィリン症では、光に当たることで皮膚症状を呈することになります。生じる症状としては、光が当たった部位が痛くなったりかゆくなったりします。赤みが出てきた後に、水ぶくれや潰瘍形成を来すこともあります。ただし、症状が出現する様式や発症時期においては病型や個人によってさまざまです。生後間もなくから症状を認めることがある一方、50歳以降になって初めて症状をみることもあります。

その一方、急性ポルフィリン症では、薬剤やストレスなどがきっかけとなって消化器系症状(腹痛、便秘、嘔吐など)、中枢神経症状(けいれんや四肢麻痺など)、自律神経症状(高血圧、頻脈、発熱など)が生じることになります。症状がポルフィリアの性であるとは判らず、精神的なものと間違って捉えられることもあります。

また、なかには貧血や脾臓の腫大を来すものもあります。さらにいずれのタイプのポルフィリン症であっても重症になると肝障害を引き起こし、肝不全から亡くなることもあります。

検査・診断

ポルフィリン症は、皮膚症状や発作時の症状などをきっかけとして病気が疑われることになります。ポルフィリン症では原因となっている酵素に応じて、過剰なポルフィリンが体内に蓄積することになるため、血液検査や尿検査にて異常なポルフィリンを同定することから診断されます。また、遺伝子疾患として発症するため、遺伝子検査を行い異常な遺伝子を同定することも診断には有用です。

ポルフィリン症では臓器障害を呈することもありますので、血液検査にて貧血や肝機能、腎機能のチェックを行うことも重要になります。

また、晩発性皮膚ポルフィリン症ではC型肝炎ウイルスやHIVなどに関連して発症することもあるため、感染状況を血液検査にて確認することもされます。

治療

ポルフィリン症に対しての根本的な治療法は存在しておらず、症状にあわせた対症療法もしくは症状誘発の予防を中心的に行うことになります。

皮膚型ポルフィリン症は、日光に当たることから皮膚症状が誘発されます。そのため、肌の露出が少ない服をきる、必要以上に外に出ないなどの対応が必要とされます。咳が急性ポルフィリン症では、βカロテンが使用されることもあります。また晩発性皮膚ポルフィリン症では、飲酒をきっかけとして症状が誘発されることもあるため、禁酒も重要です。皮膚症状が出現した際には、ステロイドの外用薬を始めとした軟膏処置を行います。

急性ポルフィリン症では、薬剤(抗てんかん薬やピルなど)、ストレス、アルコール、睡眠不足、等で発作が誘発されるため、こうしたものを避けることが重要です。急性発作が生じた際には、ブドウ糖の点滴やヒトヘミンと呼ばれる薬剤の投与が検討されることになります。